新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

就職活動、楽しみながら充実した時間を送れと願う

就職活動してる学生さんたち、進捗はどうですか。成果は出つつありますか。

いくら売り手市場(学生側に有利な市場)とはいえ、学生みなさんのご苦労、疲労などはあるでしょう。

 

 

 

参考になるかどうかわかりませんが、わたし自身の就職活動についておしゃべりをしようかな、と思います。

こんなときに、アラフィフのおっさんのブログに付き合う暇はないほど多忙かもしれませんが、わたしも総務の仕事で学生さんをたくさん見てきた経験もあるし、無駄じゃないと思いますよ。

会社説明会の予定を確認する手を休めて、寄ってってください。

今が忙しければ、ブックマークして休憩の時間に読んでいただいてもいいかも。

 

 

1.高校時代から大学へ

わたし自身の背景を説明しておかないと後の話につながらないので、学生時代のことを書きます。

 

わたしは高校時代は理系でした。

模試の数学で満点を5回連続してとるなどもあり、理系の大学に進む、将来は数学の研究者になりたいというくらいでした。

が、高校3年のときの物理と化学についていけなくなり、担任からも、

「数学の研究者になるなら、30歳までは女性に食べさせてもらわないとなれないぞ」

いわゆる「ヒモ」になれ、ということです。
わたしにそんな甲斐性はありませんでしたので、大学は文系に進みました。

 

2.なりたい職業は妥協

こんな経緯で、やむなく文系に変わったので、なりたい仕事、将来といったものについては希望が崩れました。

 

数学の教員が難しいのなら、メーカーでモノづくりできないかとも考えてましたが、文系(経済学部)の学生がモノづくりというのは、難しかった。少なくとも当時は。偏差値の高い大学であれば、まだ違ったのかもしれませんけどね。

 

同級生や、経済学部のOB・OGたちは銀行や証券会社などに就職していました。

わたしは、お金を右から左に動かすだけでお金儲けするというのは肌に合わない。(表現が不適切ですいません。当時のわたしの認識はそうでした。)

 

加えて、ソニー創業者のひとり、盛田昭夫さんの著書「MADE IN JAPAN」(1990年1月発行)に感銘し、「とにかくメーカーに就職する」と決めました。

 

経済活動というものは、物を作り、それを売ることから始まる。お金というものは、それを交換するときの手段にすぎない。ところが・・・(途中略)・・・いわゆるマネーゲームをしている人たちの仕事が反映し・・・(以降略)

「MADE IN JAPAN」より

 

 

盛田昭夫

盛田昭夫



 

 

 

が、繰り返しになりますが、経済学部でモノづくりは難しい。
じゃあ、どうするか。

 

3.営業ならば自分の信じられる会社を

結局、この記事で最も言いたいのはここ。

 

どうやら、うちの経済学部からメーカーに進めそうなのは、営業しかない。

 

営業って苦手なんだよなあ。

人様に頭をさげるというか、へーこらするというか。(これまた、当時のわたしが抱く営業のイメージはこうでした。)

 

でも、営業しかない。

苦手な営業するならどうするか。自分の好きなものなら営業職も務まるかもしれない。

ということで、様々な業界のそれぞれメーカーでもっとも信頼がある、あるいは自分が使っていて信じられるモノを作っている会社を選ぼう。

 

(1)ソニー

当時のソニーは飛ぶ鳥を落とす勢い。日本の技術を世界に轟かせていた先端。

オーディオセットを揃えていたわけではないけど、電器だったらソニーに入りたかった。

幸い、ソニーの採用担当(そこそこ偉い人だったことが、あとでわかった)がうちの学部まで来てくれて、学生数名と話をしてくれました。

 

現代で、同じ業界で選ぶとしたら、Appleでしょうか。

 

 

(2)キリンビール

ビールだったらキリンビール

学生時代、ずっと酒屋でアルバイトしてました。

 

スーパードライが大ヒット。

 

わたしが飲んでいたのは、親父が愛飲していたキリンビール(現在のキリンクラシックラガー)。

「銘柄の指定のないお客さんにアサヒを配達したらこてんぱんに怒られたことのあるアサヒ、なぜこんなにスーパードライが売れるのか?」と、キリンラガーとスーパードライを飲み比べてみました。

 

圧倒的にキリンがうまかった。

ビール業界ならキリンビール、決まりました。

 

(3)ワコール

当時はまだ、男性用下着を作っていなかったと思います。

なので、ワコールは「使っているモノが信じられる会社」ではありませんでした。じゃあなぜワコールか。

 

「オトコ」として、女性用下着への興味はありましたよ、もちろん。

でも、メインの意味がありました。それは、南青山のスパイラルホール。

www.spiral.co.jp

 

当時、メセナが勃興し出した頃だったかなあ。

企業がアート、文化、社会貢献(フィランソロピー)などにも取り組む。

その先端のひとつがワコールでした。

 

営業じゃなくて、文化活動へ取り組む仕事もあっていいじゃないか、と。

 

面接は2次まで進みました。

 

  • 経理をやりたいとは思わないか?」
  • 経理もいいですけど、スパイラルホールのようにワコールが手がけているメセナもやってみたいです」

 

素直に経理を受け入れてれば入社したかもしれないけど、この回答が落選のきっかけのひとつだったんでしょうね。落ちました。

 

面接を待っているフロアには、女性用ランジェリーのポスターなどがたくさん貼られていて、順番が回ってくる間、はずかしくてしょうがなかった記憶が鮮明に蘇ります。

 

 

親父と就活の話をしていて、「ワコールなんて、なんで選んだのか」と否定されました。古い人間でしたから。「キリンビール? それはいい、お前はキリンにはいれ!」いやいや、就職する会社を自分で決められるわけじゃないから。

まあ、それでも、親父と話をすることがほとんど無かった親子(現代ではわかってもらえないかもしれませんが、当時、ど田舎の家族、父親と息子の関係なんてそんなものだったんです)が楽しく会話した記憶がありますよ。

 

4.結果は

前項に書いた企業以外も含め、何社回ったかなあ。

結果、どこに就職したのか。それは内緒ですが、自分の「メーカーなら自分の信じられるモノを作っている会社を」という信念は間違っていませんでした。

 

結局、営業をやることはなく、ほぼずっと総務の人生ですが、総務でも営業でもモノづくりでも。自分の信じられる会社を選ぶ、というのが一番だと思います。

面接官の定番質問、「なぜ当社を志望したのですか?」は、信じられる会社を選んでいれば自然と体の中から答えが出てくるはず。面接官は本音のそれが聞きたいのです。

 

本気なのか、単に面接をこなすだけでうちの会社の面接に来たのか。
志望理由だけで面接は受かりませんが、しっかりした志望理由は必要条件です。

もし入社したら、その会社に勤務できることが幸せな毎日になる、ということもある。
だからこそ、就職活動であまり考えず、数をこなすよりは、しっかり企業選びをせよ。

それが一番の、成功に結びつく就職活動のアドバイスです。

 

何より、自分の好きな企業を訪問できる、その会社の中の人と話ができる。

苦しい就活ではなく、楽しんでました。

 

 

【追記】こんな記事を見つけました。

盛田昭夫の達観。

bunshun.jp

採用面接と政権担当能力

企業による採用活動が始まり、一方で政治は佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問で賑わっています。

「賑わっている」という表現が不謹慎? いやいや、誰もまともに答えていない様子はもっと下品な表現をしても描写できないほどです。

 

 

 

 

1.「政権担当能力」とはよく作られた言葉と思います

 

政権担当能力」とは何でしょうか。

文字どおり、政権を担当するために必要な能力、ということでしょう。

うがった見方かもしれないし、正確な情報ではないですが、自民党が自党以外の政党に対して自党の優位性をアピールしようと作った言葉ではないか、と思っています。

 

もう、この言葉を使った時点で、自民党は負け、と国語の点数が低かったわたしには思えてしょうがないのです。

「これまで政権を担当した実績があるから、うち(自民党)しかできまへんで」

くらいの意味しかない“造語”ですよね、いわば。

 

 

2.採用面接で見る「能力」

 

民間企業での採用面接で、採用担当者、面接官(企業によっては「官」が上から目線的印象を与えるので「面接者」と表現しているケースもありますね)は応募者をどんな視点で見ているんでしょうか。

 

新卒の採用であれば、応募者はまだ学生ですから、即戦力は期待してません。

即戦力よりも、

 

  • こいつはうちの会社の連中とうまくなじんでいけるか
  • (逆に)うちの会社の連中に新風を吹き込む存在になれるか
  • 努力とか、一生懸命頑張ってくれる要素を持っているか
  • そのための体力はあるか
  • 真摯に仕事に、課題に取り組む姿勢の持ち主であるか

 

といったことではないでしょうか。

わたしなら、そういうところを見ます。

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3.即戦力 ≒ 政権担当能力

 

こういう発想、考えの流れの中で、学生に求めない即戦力と「政権担当能力」はニアリーイコールだと思えてくるんですよ。

 

ここで、即戦力は政権担当能力といえると思います。

ひらたく言えば、

 

学生に即戦力は求めず、育てていく=政治家に政権担当能力は求めず育てていく

 

そのための人材が、議員にふさわしいのかどうか、そういうことを求めたいように思います。

 

さて、面接官であるわたしたち国民は、誰を、どの政党を「採用」すればいいのでしょう?

 

 

以上、採用担当者の愚痴でした。

 

 

 

 

 

学歴フィルターは存在するのか、元採用担当者が答えます

「学歴フィルター」という言葉が存在するのだそうです。

どういうものかというと。

 

 

 

 

会社説明会などに参加したい学生が、ウェブサイトから申し込む。

いつも満員なので、別の企業で申込開始日時直後に申し込んだ、がそれでも満員と表示された。

そこで、自分の大学よりも偏差値の高い有名大学の大学生として申し込んでみるとOKとなる、といった現象。

この会社では、申込者の学歴で受け付けるか否かのフィルターがかかってコントロールされているのではないか、という話です。

なるほど、フィルターがかかっていると学生が不安になっても不思議ではない現象ですね。

 

 

1.学歴フィルターはあるのかないのか

結論めいたことを先に書きましょう。

学歴フィルターはあるのか、ないのか。

 

答えは、

 

  • あるかもしれないし、ないかもしれない。
  • 少なくとも、わたしの会社(が属する企業グループ)では、学歴フィルターはありません。

 

ということになります。他社のことはわからないので、断言はできません。
玉虫色的な回答ですいません。

 


2.うちの会社では

その昔、わたしが採用を主担当としてやってた頃、学歴だなんだと言っておられず、とにかくより多くの応募者を集めることに必死でした。ですので、学歴でフィルターをかける余裕はとてもありませんでした。

人口がさほど多くない地域でしたので、学生を集めることが優先。

 

もし学歴フィルターが実際に存在するとすれば、それをやっているのは(orやれる余裕があるのは)学生が多く集まる超有名企業なんでしょう。
選り好みができてうらやましい限りです。

 


3.結果的には高学歴が残る

前項とは違う時期、全国から応募された書類選考や面接のお手伝いの立場だった頃のことです。

大学名を隠してエントリーシートの書類選考をやってました。

選考を通過した(合格した)学生のエントリーシート、ふたをあけたら、いわゆる六大学とか有名高学歴の大学の学生ばかりになってしまうんですよね。

同じことを面接でも経験しました。

 

ただ、2行しか書いてないエントリーシートに出合ったときにはびっくりしました。

「学生時代に一番記憶に残っていること:彼女に結婚のプロポーズをしたこと」

仰天しました。

 

 

4.より多様な人材のために学歴を問わない

前項で書いたとおり、高学歴の学生が残る傾向はあります。

学歴が高いから「残す」、というよりエントリーシートの内容が優れていると思わせるものを書いているのは学歴が高いというか偏差値の高い学生なんですよね。(あくまでエントリーシートに書いてあることが事実であれば、という前提ですが)

 

文章の書き方はもちろん、書いてある内容も、努力とかトライ&エラーして充実した学生生活を送った、会社に入っても活躍してくれそうだと感じさせます。

偏差値が高い学生は、努力するとか、チャレンジする姿勢を持つとか、現状に甘んじることなく生きている、と感じさせるんですよね。

だから、どうしても偏差値が高い学生が残る傾向にあるのは事実だと思います。

 

 

とある時代、うちの企業グループは「より多様な人材を集める」ということで、全国のなるべく多くの「種類の」大学からの応募者を集めるように活動しました。

実際に採用する学生も、より多くの大学出身者が集まるようにしていました。

 

具体的には、応募人数が多くなりがちなメガな大学や六大学などは書類選考で一定の数におさえ、全国各地の大学生を残すということをやったり、面接日をたとえば2月1日は東京六大学、2月2日は西日本の大学などというように同じ大学を集め、しかも、2月1日から合格者10名、2月2日からも10名というように、より多くの種類の大学が残るようにコントロールしていたこともありました。

結果的に、個性豊かな人材が集まり、当初の目的は達成できたと思います。

 

このようなコントロールはあってしかるべきとわたしは感じますが、こんな運用がもしかしたら「コントロールされている」あるいは「フィルターがかかっている」と思わせる現象を起こしているかもしれない、とも自省した次第です。

 

 

 

 

高学歴、偏差値の高い学生だけ集めているようでは、変化の激しい現代、そして未来に向かって、活き活きと企業運営するのは難しい時代なのではないでしょうか。

どんな大学であれ、同じ大学の卒業生だけで成り立つ職場は気持ち悪いです。コピー人間、クローン人間か?とツッコミを入れたくなる、低偏差値大学卒業のわたしでした。

 

編集後記

わたしが低偏差値大学出身だからといって、高学歴大学出身者へのひがみで書いた記事ではありません。念のため。

 

昇格と降格を分けたものはなんだったのか

わたしの会社の社員の降格に出くわしました。

その事象について、触れてみたいと思います。

 

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1.降格した社員

 

その降格した社員(Xさんとしておきましょう)は、わたしの大学の先輩です。

Xさんとわたしとでは学部が違います。わたしは文系、彼は理系という違いがあり単純には比較できませんが、彼の学部はわたしよりも偏差値は上の学部です。

そのAさん、管理職ではないクラスです。一般職とここでは表現しておきます。

一般職には1級、2級・・・といくつかの段階があり、Xさんは2級から3級に降格しました。

 

降格に関する基準は、人事考課が悪い状態が続くと降格の対象となり、第三者による検討の結果降格を見送るか、降格と決定するか、というものです。きっと多くの企業でも似たようなやり方になっていると思います。

 

 

まず、Xさんは、人事考課で5段階評価(良い方からA、B、C、D、E)のうちの、Dを2回連続したため指導がありました。

指導とは、「次もD以下の考課だと降格の対象となる。そうならないようにしっかり頑張れ」と奮起を促すものです。

単に頑張れ、というだけではなく、何がどう悪い、どこどこの部分が不足しているからそこを伸ばせ。そうすれば評価は上がる、というような内容です。

 

ところが、残念ながら次の年もD考課でした。ですので、降格の基準を満たすこととなったため、第三者による検討(第三者委員会と表現することが多いと思います)が行われました。

総務のわたしが事務局、事業場長とXさんの所属する組織とは関係の無い(第三者の立場である)部長たちから構成されます。

当人の所属する部長がはいると私情とか温情がはいりますからね。

 

最初の年の第三者委員会。Xさん本人へのヒアリング、Xさんの直接のリーダー(いわゆる上司)へのヒアリング。「しっかり頑張る」(Xさん)、「どこどこの悪い部分をしっかり指導、教育し、奮起させる」(リーダー)というヒアリング結果をもとに第三者委員会で検討し、奮起を期待するということから降格を見送る(降格はしない)こととしました。

 

しかしながら、やっぱり次の年も考課はD。

再度リーダーにヒアリングをしたところ、

 

  • 初歩的なミスが相変わらず多く、習熟しない
  • 業務内容を教えても、何回も質問してくる
  • 職場の他のメンバーとの関係はギクシャクしており、悪影響を与えている
  • 2級という資格を満たしていない

 

という内容でした。これをもとに第三者委員会を開催し、降格はやむをえない(降格させる)こととしました。

 

 

2.わたしの降格の危機

 

えらそうに言ってますが、わたしにも降格の危機がありました。

管理職から一般職への降格です。Xさんの降格とは格差が大きく違います。

 

Xさんと同じく、低い考課が続き、2年連続で第三者委員会が開催され、「奮起を促す」となりました。

 

その頃は、別の動きも進んでました。人員整理です。

早期退職のさらなる優遇、転職支援サービスの展開など。つまりは「肩たたき」です。

 

そして、当時の事業場長から言われました。

「そのままだと、会社に残れないぞ」

と。

 

これはやばい。

住宅ローンも、子どもを育てることもできなくなるかも。

 

それから、何をやったのか覚えてない。

記憶力がない、ということじゃなく、多分モードが変わったのだろうと思います。

 

2ヵ月後に再度事業場長と面談したのですが、

「最近変わったじゃないか。今のペースでがんばれ」

心境が変わったのでしょう。それまで適当に生きていたのだろうと思います。目が覚めました。

 

幸い、低い考課から抜け出せ、管理職からの降格は免れ、退職勧奨もなくなりました。

 

 

3.2人の違い

 

2人の違いは何だったのでしょうか。

わかりません。

 

わたし自身は書いたとおりですが、Xさんのことはわかりません。

家族構成がどうなのか、自宅を建設してるのか。

 

まあ、それでも、

 

  • 降格するとヤバいことになる、という危機感
  • 自分の資格、立場が、会社が求めているものに相当しているのかの自覚

 

といった感情、感覚、責任感などは大きく違っていたように想像されます。

意識が変わるだけでどうにかなるものではないと思います。

が、意識が変わらなければその先には行けない、とわたし自身の経験で自覚しました。

 

Xさんはこの春から生活環境がちょっと変わります。

それをキッカケに頑張って欲しい、頑張ってもらわなければ。

 

 

 

 

ボスとの面談をご紹介して株アップしよ:アサーションが大事

「株アップ」と言っても、株価アップで銭を儲けようという話ではありません。

 

 

 

 

前回の記事ではボスの悪口に聞こえるような記事を書いたので、今回はそのリカバリーになるような記事を書きます。

そもそも前回の記事は悪口ではないのですがね。

 

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ボスと面談をやりました。昨年の振り返りです。

内容には2種類があり、1つは目標の達成度、もう1つは定性的な振り返りです。

 

 

1.目標の達成度の振り返り

 

前者はわかりますよね。

売上目標 100万円に対し、95万円しかいかなかった。その、未達だった▲5万円は何が原因なのか、今後どう取り組めば改善できるのか等。

わたしの仕事は総務なので、数値的な目標が設定しにくく、目標を達成できたのか否かがわかりづらい。まあ、どうにか測定しなければならないのですが。

 

 

 

 

 

2.行動の評価

 

もう1つの振り返り。

定性的というか、仕事ぶりというか。

 

我が社では●●度評価と言ってます。

そのまま書いちゃうと会社がバレちゃうので伏せ字にさせていただきます。

 

たとえば、ディズニーリゾートを運営しているオリエンタルランド社の「企業使命」を引用しますと、

 

自由でみずみずしい発想を原動力に、すばらしい夢と感動、ひととしての喜び、そしてやすらぎを提供します。

 

これを例にしますと、

 

  • 自由でみずみずしい発想をしているか
  • 自由な発想を生み出す職場づくりをしているか

 

言ってみれば“企業使命行動度”とでもいいましょうか。

他には、コンプライアンス上問題はないか、協調性はあるか等など。

 

目標達成に向けて突っ走るだけではなく、このような観点での評価も必要です。

たとえどんなに仕事ができたとしても、自己中心的で、チームや職場全体の規律を乱していたり、遅刻ばかりして周囲に迷惑をかけていたり、セクハラばかりしてたり。そんなのでは企業の一員たる資格はありません。

 

 

3.ボスとの面談

 

わたしはこの●●度評価の自己評価で、

 

仕事が遅い

 

としていました。「スピード、納期」という項目について5点満点の2点という自己採点です。

それに対し、ボスもわたしの評価を2点としていました。が、

 

  • 君の仕事が遅いとは思っていない。
  • 真面目だから、仕事を抱えすぎているんじゃないか。
  • もっと仕事を部下にふったらどうだい。君がする仕事じゃない仕事もしてないか。

 

との示唆。

確かにそうです。

 

  • パッパと片付けたほうが早く済む、任せていたら時間がかかる
  • 教えるのに時間、手間がかかる

 

そんなことから、部下に任せるべき仕事を自分で済ませていた。部下の成長の機会を奪っていた。

 

ここでボスの面談の「評価」です。

目指すべきレベルに到達していないことをわたしにしっかり伝えなければならない、でもわたしが低い評価を受けたときに受けるダメージも考慮し、言い回しや触れるべき観点を工夫する。

 

www.nsgk.co.jp

 

相手の考慮をした上で、言うべきことを伝える。

アサーションですね。

 

管理職となると、優秀な部下ばかりではなく、マイナスな面や至らなかったポイントにしっかり言及し、部下のモチベーションを保ち向上させる。次期に向けた行動を促す。そんな場面があります。

そのような場面では、アサーションが必要です。

 

それと、評価、特にミスとか改善点に言及するときには、事実をもとに行う。

 

低い評価をされれば、部下もへこみます。納得度も低い。

そこを、相手(部下)の存在を認め考慮した上で、納得度を高めた上でモチベーションを保ってもらうには、アサーションと事実に基づいたフィードバック。

 

それを、わたしのボスは実行してくれていたのです。

 

外見上はゴツく、荒々しいボスですが、ちゃんと気を配っているんですねえ。

 

 

 

経営トップはさびしい毎日を送っている(っぽい)

今日の記事はいつもとは違うテイストです。

 

管理職、マネージャーという立場になりたくないというサラリーパーソンが増えているという昨今。こんな記事を書くとさらになりたいと思わない人が増えるかもしれませんが。

 

経営トップという立場の人はさびしい毎日を送っているのだろうなあ、と思うことを、わたしの経験談としてご紹介します。

 

 

 

1.わたしの職場


わかりやすく伝えるためになるべく具体的に書こうとは思いますが、わたしが誰かをバラしたくないので、ザックリとしか書けないことをご容赦ください。

わたしの立場をまずご紹介します。

 

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この図で、●●事業場長がわたしのボスです。ボスは総務部長も兼務しています。わたしは総務部長補佐という立場です。

この組織図はわかりやすくするためでして、部長職の人数とかわたしの部下の総務部員の人数は適当です。

 

話の前提として、わたしを含む管理職層には3つあるということ。

 

  • 1番上:●●事業場長
  • 2番目:●●総務部長、製造部長、営業部長
  • 3番目:総務部長補佐(わたし)

 

それと、わたしとボスは階層が二つ離れているけど、ボスが総務部長を兼務していることから、総務に関して直接のやりとりがあることなどです。

 

2.ボスの仕事の進め方

 

ボスは、仕事の進め方、たとえばプレゼンや公式文書などの資料の作成を、関係者とともに打ち合わせながら作っていく、というスタイルです。ゼロからです。

わたしはこういうスタイルが苦手です。時間がかかること、関係者の時間を奪ってしまうことなどからです。

 

資料を作るのでも、まずたたき台になるものを作って、それに対しあーだこーだ話を展開させていいものを作っていくのが、より効率的でよりいいものを作ることができるやり方だと思うのです。

 

さらには、総務部に関する資料の作成なら仕方ないとしても、ボスは事業場長としての資料作成もわたしに【発注】してきます。

そうなると、ボスと二人っきりで、雑談も含め議論しながらの資料作成の時間が長く続きます。時間をとられてしまいます。

 

こういう場合のわたしの立場や役割を、「ブレーン」とか「秘書役」などと表現すればまだ納得もしないわけでもないんですが、一方でプレーイングマネージャー、実務も兼任の管理職であるわたしなので、わたしの仕事の時間は足りなくなってしまうんですよねえ。


3.打ち合わせ以外でもボスとの長い時間

 

ボスの机は、総務の島にあります。事業場長としての個室、あるいはでかでかとした机を置けるスペースがある会社ではありません。

となると、ふだんの会社生活の中でもおしゃべりに付き合わなくてはならないです。

 

仕事が終わって退勤するときも、ボスはわたしの帰りを待っている感じです。
その視線に耐え、そのまま作業を続けようとするのですが、「ボスのニーズに合わせた方が(忖度した方が)いい部下のエチケットかな」と負けることもあり、一緒に帰ることもあります。


4.孤独な経営トップ

 

と、ここまでわたしの愚痴を書いてきましたが、ひっくり返すとボスの立場、経営トップはさびしいんですよね。これを言いたい記事です。

 

ボスの性格とかキャラクターがそうさせている面もなきにしもあらずです。
今のボスの前のボスは、当時は席が離れていたこともあってか全部一人でやる人でした。

なので、今のボスとの違いが鮮明です。

 

とはいっても、経営トップ、あるいは幹部というのはさびしい立場なんですよね。

 

2つも格下の部下と、仕事とはいえ長い時間を過ごす、一緒に帰ろうとする、とか。

作業が終わったあとも、仕事とは直接関係のない無駄話をダラダラと続ける、とか。

 

 

事業場すべてを把握し、全従業員を配下に置き、統括しなければならない役は、結局ひとりなのだなあ。

あ、彼、単身赴任でもあるので、なおさらです。

 

 

 

適性検査 V-CAT(昔の名をクレペリンという)を攻略できるか:管理職昇格試験の一面

管理職というのは最近人気がないそうですね。

 

とはいえ、管理職というポジションを会社として用意しなくてはならない事情(社長とその他社員しかポジションがないという会社が存在すると聞いたことがあります→メガネ21だったかな。それは例外ですね)もありますし、以前より少なくなったとはいえ管理職に昇進したい、と願う人たちも多いでしょう。

 

この記事では、管理職への昇格試験に用いられることが多いV-CATという適性試験のことについてご紹介したいと思います。

 

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1.自己紹介

 

このブログを書いている管理人のわたしについて、あらためて簡単にご紹介します。

 

このブログの名前に「新米管理職」とつけてます。

わたしの年齢は2018年時点で50歳前後。決して新米とは言えず、昇格してからもそこそこの年数が経過しているので新米とはとても言えないのですが、まだヒラ管理職で、しかも同期と比較しても格下でもあることから「新米」と名乗っております。

 

でも、新米ながらも、というか、逆に優秀な人材なら一発で合格する昇格試験を何回も受験してようやく合格したという経験があり、また、昇格しよう(受験者側の視点)・させよう(会社側の視点)とする人材のフォローもしてきた経験もありますので、昇格試験に対し、それなりに参考になる情報は持ってると思います。

 

 

2.事前のおことわり

 

(1)免責

ここにご紹介する内容およびこのブログ全体は、わたしが所属する企業、団体の公式な見解を示すものではありません。わたし個人の経験などに基づく情報です。

損害などが生じても、その保証はできかねます。

 

(2)言葉の定義

一般的に管理職と呼ばれるポジションは、マネージャー、リーダーなど様々な呼称を用いる場合があります。ここでは「管理職」という表現に統一することとします。

また、特に断りがないかぎり、ここでいう管理職は、労働基準法における管理監督者と同一であるものとします。

加えて、部下のことをメンバーなど別の表現とする場合もありますが、「部下」という言葉で統一します。

 

 

 

 

 

3.昇格試験の種類

 

管理職の昇格試験(研修含む)は、企業によっていろいろありますよね。

珍しいものでいうと、

 

  • 自衛隊体験入隊
  • 洋上研修
  • 地獄のなんとか
  • 研修施設に缶詰にして、架空の会社を設定し事業展開のシミュレーションを行う

 

などなどを聞いたことがあります。わたしの勤務先でやっているものもありますし、わたし自身も経験しています。

 

これらは、昇格試験の受験のために必須で受けなければならない、というものだったり、これらの研修中の行動をアセスメントされ、それが合否の判定のもとになるだったり、いろいろあろうかと思います。

まあ、それでも、珍しい部類にはいる、と思います。

 

一般的な昇格試験と考えたら、アセスメント、筆記試験、面接といったものではないでしょうか。

 

(1)アセスメント

日頃の業務遂行の姿勢や意欲、業績への貢献について、直接の上司あるいは直接ではない上司(のポジションにあたる管理職)が評価するものです。

対象となる期間は数カ月、あるいは1年程度が一般的と思われます。

 

(2)筆記試験

適性検査として、日本能率協会が実施するNMATや、

www.recruit-ms.co.jp

 

V-CATがありますね。

www.skk-jp.com

 

V-CATはエスケイケイという会社が販売していますが、運用は日本能率協会が一部の業務を受託してる感じですね。

 


4.V-CATに攻略法はあるのか

 

回り道が長くなりましたが、今回は、V-CATについてご紹介したいと思います。

結論から言うと、攻略法はない、というのがわたしの見解です。

 

(1)V-CATとは

クレペリン」と表現すると、古い方はご存じと思います。

V-CATは、クレペリン(内田クレペリン精神検査)を発展させたものです。

 

隣り合う数字を足し算する、1分経ったら下の行に移って足し算する、この作業をひたすら繰り返す、約45分ほどの試験、というか作業という表現のほうが近い感じです。

足し算の量と、1分あたりの量の推移で適性を見る、というものです。

「こんな作業で、なぜ適性というのがわかるのだろう?」

と多くの方は感じられることでしょう。

 

(2)何がわかるか

数十年前、内田クレペリン精神検査の試験監督や検査の結果の判定要領などを学ぶ研修を受けたことがあります。そのときの記憶と、その後何回も検査に立ち会ったり、面接と検査結果を見てきた経験から説明します。

足し算の量とその推移は、人によってバラバラということはなく、ある程度標準的な形があります。

検査の結果がその形とほぼ同じだとか形が似ている、という場合、「適性がある」とか「問題なし」という結果を得ることができます。だからといって、形が似ていないとダメかというと、必ずしもそうでもないですね。

 

クレペリンの進化したV-CATは、足し算以外の設問も含め分析がなされますが、分析の種類によって、「どんな仕事に向いている」とか「管理職として問題なし」といった結果が得られます。

 

これまで何人もの採用面接を行い、V-CATも行い、分析結果を照らし合わせるのですが、直接応募者と面接したわたし(と、わたしと一緒に面接をした面接官たち)の抱いた感想・評価と、応募者を直接見たことがない分析者が行ったV-CATの分析結果が見事に一致するんです。

なぜそういう細かい分析ができるのかはわたしにもわかりませんし、エスケイケイの企業秘密でしょうから、ここで説明はできません。

でも、わたしの経験上、V-CATの検査結果は非常に確度が高いと言えます。

 

(3)なぜ、攻略法がないのか

では、標準的な形を出せればいいんじゃないか、細工できるのではないか、と思う方もおられると思います。でもそれは徒労に終わります。

というのも、作為的なことを行ったら、それも見抜かれます。

また、検査の最中は試験官がずっと立ち会いますので、作為的なこと(たとえば、合図に従わなかった等)はわかります。そうなると、低い評価になる、というか評価ができないため、失格に近い扱いとなります。

 

作為的なことができない仕組みも、検査の中に含まれています。

ですので、とにかく試験官の説明や合図(CDの音声で行う場合もありますが、その場合はCDの音声の指示)に忠実に作業を行うのが、検査の大前提になるわけです。


ウィキペディアを見ると、この検査の意味はなくなったという主旨のことが書いてありますが、採用や昇格試験の現場にいるわたしからすれば、その有効性はまだなくなっていないと思います。

 

 

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5.じゃあ何を準備すればいいのか

 

長々と書いてきましたが、攻略法はないので、V-CATは指示のとおりにやるしかありません。

また、SPIみたいに攻略本もないし、V-CATの用紙は個人には販売されていないので、練習することもできないし練習してもよくなるものでもありません。企業等の団体で実施し、その団体が解析を依頼し、結果はその団体にフィードバックされるという仕組みです。

 

まっとうに、仕事をこなし、スキルをたくわえ、経験を積み、視野を広げ、自分を成長させ、職場を盛り上げていく。

少なくとも昇格試験のための適性検査に近道はない、ということです。

 

 

 

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じゃあ、面接だとどうでしょうか。

わたしの経験談をもとに、以下の記事を書きました。

 

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その他に、転職サービスに登録することで自分の適性を知るという方法があります。

転職サービスに登録するメリットを記事にしましたので参考にしてください。

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管理職昇格のための試験、適性検査以外にもいろいろあります、まとめています。

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