この記事は人事採用担当者の愚痴です。人事の、表にあまり出ない裏話です。
誰のためにもならないだろうし、役に立ちません。
- 人事採用の担当者ってこんなこと考えてんのね
- 大したことねえなあ、営業の方がずっと大変だぞ
さて、みなさんどんな感想を抱かれるでしょうか。
1.降格
降格とは、社員の等級、ランクみたいなものが落ちる、下がるというものです。
会社によって仕組みがいろいろあると思いますが、
人事考課が一定以下、それが複数年続いている
就業規則違反をした
犯罪を起こした
コンプライアンス違反、ハラスメント事件を起こした
といったところが一般的と言えるでしょう。
こういうケースが発生したとき、人事はどう立ち振る舞うか、というと、本人へのヒアリング、次期に向けての奮起を促す(人事考課が低評価の場合)、第三者委員会の実施(犯罪や違反などを起こした場合、規則どおりの処罰でいいのかどうかのあらためての判断)などを実施します。
降格すれば給与は下がる、就業規則違反であればひどい場合は解雇(懲戒解雇、諭旨解雇の種類あり)など。その社員の生活や将来にもかかってくる話。
たとえルール、規則どおりとはいえ、手続きを進めるのはしんどいことです。
こういった仕事が一通り終わったあとは、どっかりと疲れがやってきます。腰のあたりにおもーいものがドーン。と。
2.採用
以前の記事で、生意気な採用のことを書きました。
また、採用担当者ならではの喜びを感じる場面のご紹介もしました。
生意気、うれしい瞬間がある採用の仕事ですが、多くの場合、採用は地味で、悲しい場面を多く経験します。
応募者全員を合格させたいのはやまやま。でもそうすると会社の将来や職場運営が悲しい結末を迎える。
となると、合格者はしぼらなければならない。つまりはほとんどが不合格としなければならない、という悲しい仕事です。
以下、実話です。
1次面接官だったわたしは、そのシーズンで最高の評価をし2次面接に送り出した女子学生がいました。面接の内容はもちろん、ルックスも、多くの男性がすれ違うときにその顔を二度見したくなる、そんな見栄えのする学生でした。
2次も通過、しかしながら最終面接で不合格となった話を本社人事部より聞かされました。残念でした。それはしょうがない。
それから2週間ほど経過したある日、街でばったりその女子学生と遭遇しました。
通り過ぎればよかったのですが、こちらは通り過ぎようとしましたが、むしろ向こう側が記憶をしていたのでしょう、こちらに視線を送られて、目が合ってしまったのです。
簡単な挨拶をして、
わたし:うちは残念な結果だったと聞きました。ごめんなさいね。
彼女:いえいえ、大丈夫です。
わたし:内定は他の企業からは・・・
彼女:はい、いただいています。大丈夫です。
わたし:よかった。
こんな会話だったと思いますが、詳細は覚えてません。
いやあ、バツが悪かった。
この一件が象徴的ですが、過去にも同じようなことが何度か。不合格となった応募者に遭遇したくないので、採用面接が終わったあとは、人が繰り出す繁華街などに出かけることは控えています。
採用担当者ならではの苦しい日々です。
3.体調不良、メンタル不全を含む
体調不良、特にメンタル不全(うつ、適応障害等々)の社員への対応、これまたしんどいです。
どのような心持ちなのか、こちらの言葉に傷つくことはないだろうか、などなど。
メンタル不全の病気は他人にはなかなかわかりづらいもの。わたし自身は経験があるので、ある程度は相手の気持ちに寄り添うことができると思いますが。
ありふれた普通の病気とかケガならまだマシです。表面上はほとんどわからない病気、怠けとかサボりなどと感じやすい周囲ですが、十分注意する必要あり。そんな罹患者をしっかり見守らなければ。
4.自死
自ら死を選ぶ社員が過去にいました。
世間でニュースになる事例は、ブラック企業、ハラスメント、長時間労働などが原因であることが多い。
わたしの経験では、幸い会社側に落ち度があったわけではなかったことが確認でき、胸をほっとなでおろしたのですが、それでも葬儀に参列するときの気分は悪かったです。
ご遺族から責められるのではないか、「とっとと帰ってくれ」などと追い出されはしないか・・・。幸いそういうことはなく、気丈なご遺族の方々から絞り出すような参列へのお礼の言葉を聞けました。
その後の退職手続きを進める際も、丁寧に対応していただき、またこちらも会社に落ち度がなかったか(直接は聞けないので)探り探り聞きましたが、無難に手続きを進めることができました。
5.まとめ
弱い立場、悲しい状況に陥ることになる社員がいます。
そこにわたしたち人事採用の仕事の重要なポイントがあるように思います。