新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

新入社員は企業にとってのブレイクスルーのチャンスでもある。というかその意味の方が大きい

ときは4月。

通勤経路で、周囲で。

 

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着慣れていない制服に身を包む新入生や、いかにも歓迎会に引率されているっぽい先輩社員と新入社員たちなどなどを目にします。

あー、そんな季節なんですね。

 

新入社員の入社は、彼ら彼女らにとってはもちろん、彼ら彼女らを迎え入れる企業側にとって大きな、良い意味での変動という話です。

 

 

 

1.新入社員にとって大きな変化なのは当たり前

 

新入社員を迎え入れるとき、新入社員研修とかオリエンテーションとか、そういったものを実施します。

彼ら彼女ら(以下、新人と記する)の社会人生活への導入、「社会人生活ってこんなもんだよ」っていう教え、会社の制度の説明、入社のための手続などが主目的です。

 

新人にとっては大きな生活の変化(生活どころか、人生の変化といってもいいくらいですね)でありまして、

 

  • 「お金を払って学ぶ」から「働いてお金をもらう」
  • (大学卒の新人の場合の多くが)怠惰な生活から規律正しい生活への移行

 

といった変化が生じるわけです。

その大きな変化を、スムーズに新人が受け入れ、馴染んでいくのをナビゲートするといった目的です。

新人にとっての大きな変化をスムーズにする取り組みということですね。

 

 

 

2.「一般人に最も近い、我らの仲間」

 

入社、特に新卒の入社というのは、企業にとっても大きな変化です。

 

「4M変動」という言葉がありますね。MAN(人)MACHINE(機械)MATERIAL(材料)METHOD(方法)の頭文字。

これまでの状態から、これらの項目のどれかが変わることで、大きな変化が生じる、ってことです。

ミス、事故、品質の低下、災害の発生の可能性を想定し、それらの防止に備える行動をとります。

(MATERIALをMoney(お金)とする場合もありますね。製造業じゃない場合、こっちのほうが一般的かも。)

 

新人の入社は、新人本人にとっての大きな変化であるのは当たり前なのですが、それ以上に、企業側にとっても大きな変化なのです。

それを、企業は良いチャンスとしてとらえたい、と思うのです。

 

企業に存在する既存の論理、倫理を破壊するってことです。

 

 

 

破壊だけが是、ではありません。

社会一般としての論理、倫理は理解し、継続していく必要があります。

また、その企業の歴史、経歴の中で積み上げた中で、維持継続することが必要な教えや決まり事なども継続、伝承が必要でしょう。

だから、破壊だけが良いわけではありません。

 

が、その企業ならではの理屈、論理が、一般人にとっては受け入れがたい内容ということはあります。

 

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たとえば、午後2時に開始の会議、2時にようやく席を立ち、会議室に到着するのは2時3分なんてことが当たり前だったりしませんか。

これが、出席者が社内だけだったらまだしも、社外の人も参加する会議だったりすると、その会社はどうかな?と思われるでしょう。

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大声を出してりゃお客さんは満足する、としか思ってないんじゃないか、という居酒屋があったりしますが、客によってはうるさいと感じる人もいますよね、きっと。

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などなど。

 

要は、新人がはいることで、それまで当たり前だった慣習。悪い慣習を打ち破るチャンスだ、ということです。

 

 

 

わたしたちビジネスパーソン(特に歴史の古い大企業が典型じゃないかと想像しますが)は、同じ組織に所属していない人、あるいは消費者といった人たち(以下、便宜的に一般人と表記します)の目線や価値観、客観的な視点を持つことが必要と思います。

 

そんな意味から、新人たちに向けて、

 

  • 君たち(新人のこと)は「一般人に最も近い、我らの仲間」 という貴重な立場
  • 「先輩社員の言ってることが理解できない」「倫理的に間違っている、ちょっと違う」「もっと効率的な方法があるのでは?」「消費者のことを考えたら、こうじゃなくてこうあるべき」みたいな気づき、提案をどんどん出して欲しい

 

とお願いしています。

 

Appleの創業者のひとり、スティーブ・ジョブズ

「消費者の欲しいものを作るだけではダメ。消費者が想像できない、あらたな世界を創造するくらいではないといけない」

という意味の発言をしていたらしいですが、彼のこの発想は別にして、自分の企業の論理、倫理に凝り固まっているようだと、組織は腐敗したり、消費者から離れていきます。

 

なのでときどきは、一般人の価値観、倫理観に触れる必要があります。

 

新人は、最も一般人に近い仲間。

そんな彼ら彼女らが企業をさらに成長させるきっかけになるととらえています。

 

 

 

 

メンタル不全やココロの不調について相談を受けたときの面談テンプレ

総務の仕事として、あるいは管理職という立場にあると、メンタルヘルスの不調(いわゆるメンタル不全)やココロの病気、不調の相談を受けます。

そんな時、わたしが心がけていること、相談を受ける対応のベース的なものをご紹介します。この記事をテンプレート的に活用していただければ、と思います。

 

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0.場所の用意

 

会議室、応接室など。

他の人に聞こえず、またその部屋にいることもあらわにならないような場所がいいと思います。相談内容によっては、他の人に知られるのを避けたい場合があります。

 

それと、座るときには斜めに座るのがいいです。

正面に座ると圧迫感があり、お互い視線をぶつける感じにするのはしゃべりにくい。斜めだと適度に視線をずらすことができたり、圧迫感を感じさせないようにすることができます。

 

 

1.お礼

 

こういう相談はなかなかしたいと思ってもできることではありません。

しかも、その相談相手を自分にしてくれたお礼。

また、相談のために時間を割いてくれたお礼を伝えます。

 

あなたが、役割として、あるいは衛生管理者などに選任されていて、こういう相談をするときは誰々と決まっていたとしても、不信感を持つ相手に相談することはありません。なので、あなたに相談してくれるということはありがたいことです。

 

 

2.アイスブレイク

 

中身に入る前に、アイスブレイク(氷を溶かす)でその場を和やかな雰囲気にしましょう。

こういう相談で最も大事なことは、相談を持ちかけてきた相手がしゃべりたいこと、本音を遠慮なく話してくれるような場を作ることです。

そのためには、その場をほぐすために、雑談をして場を和ませましょう。

 

なんでもいいです。天気のことでもなんでも。できれば、仕事や会社関係のことは避けた方がいいかもしれません。

 

 

 

3.傾聴

 

まずは、相手の話を聴きましょう。

批判・否定とか解説を加えることなく、まずは相手がしゃべりたいことをそのまましゃべってもらいましょう。

 

とにかく、聴くことに徹します。耳を傾け、一生懸命に相手の話を聴きます。

 

 

4.あなた自身は何をしたいのか、会社にどうしてほしいか

(この項目は相談の内容にもよるので、すべてのケースにあてはまることではありません。)

 

相手が何を言いたいのか、何を主張しているのか、どんなことを伝えようとしているのかわからない場合があります。

いやな上司に会社からなんか言ってほしいのか、仕事をしばらく休みたいのか・・・。

 

しゃべるだけでスッキリした、ということはよくある話で、悩みを話す=放すことができた、それだけで改善するのです。だから、無理に相手に何かを主張させる必要はありません。

 

「話しただけでスッキリした」だけで終わらない場合、相手自身に“自分は何を言いたいのか” “相談相手(あなた自身)に何を求めるのか” “会社にどう動いてほしいのか”を考えさせる時間が必要だと思います。

 

例としては、「で、あなたは会社にどうしてほしいですか」とか「医師から休職をすすめられた、ということですが、休めば回復しそうだと自分でも思いますか」などでしょう。

ここでは決して「会社を休んではいけない」ことを匂わせるとか、自覚を促すような言い方は避けましょう。「医者が言う休めばいいと思ってるの?」といった言い方、それはダメです。

そういうのが目的ではなく、相談者自身が混乱していたり、何を言いたいのかがわかっていなかったりするので、それを相談者自身に整理してもらうため、というのが目的です。

  

「いや、わたしの希望は特に何もありません。話をしただけでスッキリしました」

「わたしの置かれた状況をご理解いただけただけで、満足しました」

 

そういう結果であれば、そういう相談の場を設けたことだけで解決です。

 

 

5.相談者の周囲に配慮する

 

相談者が相談を持ちかけてきた事自体を、相談者の周囲が知らない場合があります。

 

例として、営業部のAさんが総務部のわたし(ブログ管理者)に相談をしてきたとしましょう。

普通に考えれば、Aさんは営業部内の中のいい同僚とか上司に相談するのが一般的です。そうではなく、総務部のわたしに相談してきたということは、悩みの元が営業部内にあるかもしれません。

営業部内の同僚とか上司とか。

 

そういう場合、Aさんは周囲に黙って総務部のわたしに相談を持ちかけているかもしれません。ですので、

 

「上司とか周囲に、この相談をしていることは伝えてますか」

「相談のために席を空けていることを知っている人はいますか」

 

など、Aさんに確認しましょう。

 

「上司には言ってます。上司が『総務部の●●に相談してきたらどうか』と言ってくれましたので、来ました」

「上司には言ってません。『総務部に呼ばれたので行ってきます』と言って席を空けました」

 

などなど。相手の周囲にも配慮しましょう。

 

 

6.セオリーの説明

 

メンタルヘルスのケア、解決、対応には順番があります。厚生労働省の指針です。

それを、必要に応じて相談者に紹介します。

 

kokoro.mhlw.go.jp

 

リンク先から引用します。

 

  1. 「セルフケア」は、私たちが自分自身で行うことのできるケア。働く人が自らのストレスに気付き、予防対処し、また事業者はそれを支援すること。
  2. 「ラインによるケア」は、管理監督者が行うケア。日頃の職場環境の把握と改善、部下の相談対応を行うことなど。
  3. 「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」は、企業の産業医保健師や人事労務管理スタッフが行うケア。労働者や管理監督者等の支援や、具体的なメンタルヘルス対策の企画立案を行うことなど。
  4. 「事業場外資源によるケア」は、会社以外の専門的な機関や専門家を活用し、 その支援を受けること。

 

 

1から4に進むにしたがって、症状、状況が悪い状態です。

「セルフケア」自分自身によるケアで改善するのが一番ですよね。その次がライン(職制)、いわば上司です。

上司がストレスの元凶になっていることが少なくないので、ラインによるケアは飛ばす場合もあります。

3の「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」は、わたしのように企業の総務部門にいて従業員の健康管理やメンタルヘルスの相談に対応するケースですね。

4は、企業内だけでは改善するのが困難で、医療機関の治療や支援を受けるパターンです。

 

 

頭が混乱したり、そもそもココロが不調な場合、「4つのケア」と言われても相談者は困るだけかもしれません。

一方、軽度だったり、そもそも話の根源は、自分自身で解決なり改善できるケースが少なくありません。

 

 

以上、わたしが「心の不調」「メンタル不全」に関する相談を受けるときにベースにしている法則的なものをご紹介しました。

相談の内容や企業、組織の特徴、相談者のキャラクターなどによって臨機応変に変えなければならないこともあるとは思います。上記は基本、ベーシックなものとして考えていただいていいと思います。

 

サラリーマンじゃなくてサラリーパーソン:女性差別、ジェンダー、LGBTなど

サラリーマンじゃなくて「サラリーパーソン」と呼ぶ。

最近聞きませんか、サラリーパーソン。

今日はそんなお話。

 

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1.女性差別、男女平等、あるいは性別に関係しない呼称

 

サラリーマン(salary man)だと男性になってしまいます。

サラリーマン(給与をもらっている人)は男性ばかりじゃありません。女性もいますし、最近ではLGBTという、性に関して様々な存在がおられます。

そういった事情を勘案し、サラリーパーソンという言葉が生まれたようです。

 

ちなみに、サラリーマンもサラリーパーソンも和製英語だという説が主流のようです。が、現実的には通じるようです。

 

 

2.他の呼称

 

同じ事情で、別の呼称が存在します。

 

(1)セールスマンではなくセールスパーソン

セールスマンも和製英語と言われていて、英語ではセールスレプリゼンタティブ(sales representative)というようです。

 

(2)スチュワーデスではなくキャビンアテンダント

スチュワーデス(stewardess)という言葉は、もともとstewardの女性型です。

ですので、スチュワーデスも言い換えることになり、キャビンアテンダントですね。

 

ウエイターとウエイトレスの関係みたいなものです。

 

(ということは、stewardは男性のスチュワーデスってことです。外国の飛行機には男性の客室乗務員が多いです)

 

(3)女優ではなく俳優

女優ではなく俳優。

特にNHKでは俳優という表現を使うようにしていると感じます。

まだまだ女優、男優も普通に使われてますけどね。

 

余計な話ですが、AVに出演する女性のことをAV女優と表現しても、AV俳優とはなかな呼びにくいですね。同じくAV男優も。

 

 

 

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(4)フォークマンではなくフォークオペレーター

物流業界にいる友人から聞いたことがあるのですが、フォークリフトを運転する人をフォークマンと言っているそうですが、これまたマンなので、言い換えてフォークオペレーターと呼んでいるそうです。

 

 

東大、内示取り消しの件で考え込んだ:異動、転勤、内示あれこれ

転勤とか異動の季節ですね。

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内示を受け、あたふたと準備したり、家族に話をしたり。

総務を長く経験しているわたしが、これまで見た風景をアレコレ書きます。

→と書こうと思っていたのですが、よくわからん大学での人事の話がツイッターから飛び込んできたので、そのことも書きます。

 

 

0.プロローグ

 

まず最初に、異動(転勤)が行なわれる順番を書いておきます。

一般的な内容を書きますが、企業や団体によって違いはあると思います。

それと、異動と転勤の違いは、「転勤」は住まいの変更(転居、引っ越し)を伴う「異動」という定義にしておきます。

 

(1)内示

 

当人(異動、転勤する人)の上司、もしくは当人の所属する組織の長が、異動する旨を当人に伝えます。

 

  • 人事部労務課への異動を命ずる
  • 大阪支社営業部への転勤を命ずる

 

ってなもんです。

会社によっては、異動先での担当業務を詳しく説明するとか、異動先での活躍を期待する具体的な事項を説明してくれる場合もあるでしょう。

 

内示を受けた人は家族に話をしたり、家族がいない人も心の準備、身辺を整理したり。そんな時間が必要です。

 

(2)異動前後の職場間の連絡開始

 

たとえば、Aさんが人事部から大阪支社に転勤するとした場合、

 

  • Aさんが大阪支社の仕事を引き継ぐスケジュール
  • 引っ越しをいつにするか
  • 転勤のための事務手続き(本人がやること、総務がやること)

 

などなどを固めていくために、人事部と大阪支社の総務担当者、そしてもちろんAさんと大阪支社の間の連絡などを始めるタイミングです。

この期日になるまでに、本人も総務も手続きを始めちゃいけません。

 

(3)公示、人事通知の掲示

 

Aさんが人事部から大阪支社に異動する旨の通知が、他の社員へ通知されます。

通知の手段はいろいろでしょう。

メール、紙の掲示板への掲示イントラネットでの配信など。

 

(4)異動先への着任

 

Aさんが大阪支社に着任します。

 

 

 

ざっと、こんな感じでしょう。

 

 

 

 

1.会社からの異動命令の拒否は解雇になる

 

異動を命じられ、それを拒否したことで解雇になる。

よく聞く話です。

 

「異動の拒否だけで解雇って、どんだけブラックなんだよ」

 

と感じる方が少なくないと思うのですが、人事担当者からすれば解雇という処分は普通のことです。

ブラックじゃない企業でも当たり前(というのは言いすぎかもしれないけど)です。

 

法律もそこまで保護はしてくれません。(この場合の保護とは、異動を命じられた社員の保護という意味)

 

「解雇」っていうのは、いろんな条件を満たさないとやってはいけないことです。労働者の保護が優先するんですけど、移動命令の拒否は解雇になりえます、十分。

 

もちろん、不当・不合理な異動・転勤はだめです。たとえば、

 

  • 会社の事業にはいっさい関係ない土地への転居
  • 社員の私生活の状況を把握・理解せず、不利な方向で行なう
  • 不当な業務への配転(たとえば、シュレッダーでの書類廃棄だけが

 

などですね。

 

異動の拒否がなぜ解雇までいっちゃうかというと、拒否した社員を処罰しないとなると、異動させることができない事案を生んでしまう→誰もが自分が気に入らない異動を受け入れなくなる→会社は異動をさせられなくなる、って流れですね。

 

逆に、なぜ異動をする必要があるかというと、

 

  • 同じ人物を同じ場所・職場に長く勤務させることで生まれる弊害(成長しない、癒着、不正など)
  • 人材の適切な配置を会社はできなくなる
  • 人の固定化で会社の成長が止まる

 

ここに書ききれないほどの理由があります。未熟、経験が浅いわたしごときではそれらを列記するには非力です。

 

わたしゃ、同じ仕事をずっと続けてます。社会人になってから、その仕事をずっとです。

それでも、自分なりに成長していると、おこがましいんだけど感じています。

その理由は、「同じ仕事でも、場所、職場が変わるだけで新たな課題、困難に出合い、きたえられる。それで成長する」ってことです。

職場を変える、勤務地を変えるということだけでも、人は成長するんですよ。

 

だからこそ、異動させられない状態に陥ったら、企業は終わり。だから、解雇もいたしかたない。

 

もちろん、転勤が意味ない、実体として存在しない、小企業、ひとつの場所でしか行なわれていない事業、複数種類の仕事がないなどの企業、事業体は例外です。

 

 

 

 

 

2.異動が取り消しになったことがある

 

異動が取り消しになったケースに遭遇したことがあります。

 

本人への内示→本人が、前項0−(2)の事業所間の連絡を始める期日の前に社宅の手配をしようとする→社宅を手配する部署から異動の情報が漏れる、、、という流れになり、その異動は結局流れました。

 

そうなってしまった直接的なきっかけは、その当人が、まだ社宅の手配の手続きを始めてはいけない段階だったのに手続きを始めてしまったというルール破りを犯してしまったことです。社宅手配部署も、悪気はなく、本人から社宅の手配依頼が出たから動いただけなんですけどね。

詳しくは知らないのですが、当人のルール破り以外にも別の要素があり、それらを総合的に勘案して、異動は流れてしまったようです。

 

異動先で、より良い社宅物件に住みたいと願うのは誰でもです。だからといってフライングはしてはいけません。

 

 

3.東京大学の内定が取り消された案件

 

こんな人事、異動のあれこれをつらつらと書こうと書き始めたこの記事でしたが、その途中でこんな記事を見かけ、捨て置きならないと思い、取り上げることにしました。

 

gendai.ismedia.jp

 

 

東京大学の教職について、内定の取り消しがあったという話。そしてそれは、東京大学に限らず、大学では普通に起きているという話です。

詳しくはリンク先をご覧いただければわかりやすいので、ここでは省きます。

 

内定が決定しても着任までは取り消すことができる

 

っていうルールが存在してるって話らしいです。

 

(1)内定から異動まで時間が必要

 

内定から異動(着任)するまでには一定の時間が必要です。

先に書いたとおり、家族に話をしたり、居住物件を用意したり、引っ越しの準備をしたり、心の準備をしたり・・・。

 

そんなことも考慮せず、着任までは取り消すことができる運用ってなんなんだよって思います。

 

(2)内定取り消し、採用選考に関する指針

 

企業が、内定を出した学生に対し内定取り消しを出したらとんでもない影響があります。その企業は社会からの制裁も受けるし、そもそも労働行政のルールが厳しい中でそんなことはできません。

 

大学って、学生の学業生活を守るために企業側に採用活動の時期を要望して日本経団連が協定「採用選考に関する指針」を作るってことをやっている(今後は廃止されますが)。それなのに、そんな考え方はお構いなしに、教員の採用に関しては、あるべき姿とは全然違うことをやってる。

 

あほか、どんだけ偏差値高くても、やってることはアホか

 

です。

まるで厚生労働省の官僚が、裸の王様に対して忖度し、統計をごまかすなんて馬鹿なことをやっているのにさも似たりです。

 

東京大学にかすりもしない偏差値なわたしですが、もしはいっていたとしてもこんな非人道的なことをやる組織の一員になってない、今のわたしをほめたいね。

 

 

東京大学の今回の事案について、わたしはリンク先の記事の筆者を存じ上げないので責任ある発言はできません。その筆者自身に、採用すべきでない否定的な情報が見つかったとかいったことがあれば別です。東京大学、あるいは他の大学も含め、批判しているのはよろしくないです。そうだとしたらごめんなさいです。

 

 

 

 

転勤の話 パート2

 

soumu.hateblo.jp

 

 

 

 

 

 

 

Indeedに申し込もうという求職者、あるいは採用担当者は、こちらを一通り読んでからでも遅くない

indeedのテレビコマーシャルがかまびすしいですね。

 

インディード。アルファベットの場合、Indeedindeedのどちらが正しいんだろ

 

indeedの求人情報から職探ししよう、求職活動しようという方。

あるいはテレビコマーシャルで千鳥が演じているみたく、indeedに求人情報を出して募集しようという採用担当者。

おられますか。

 

わたしの数年前の経験を知ってからでも遅くないと思いますので、寄ってってください。

 

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1.indeedとは

 

そもそもindeedとは何なんでしょうか。

求人情報を掲載する媒体だと思いますか。

 

いいえ、違います。

タウンワークマイナビなどと異なり、indeedは求人情報を検索する検索エンジンです。

言わば、“求人情報のGoogle”と思っていただければわかりやすい。

 

まずは、これをわかっておくことが必要!

 

 

2.わたしの経験

 

(1)求職者からの電話

 

とある日、うちの会社の求人に応募したい、という求職者からの電話がかかってきました。

 

「応募したいんですが」
「もう募集は終わってます」
「ネットで検索したら見つかったんで、応募したんですけど」
「すでに締め切りました。ご覧になった広告もすでに掲載は終了しているはずです」

 

募集したい企業側と、仕事を探している求職者、転職活動している方々とがミスマッチしました。

 

これだけで終わればよかったのですが、この電話の先の方とこちら側とはひと悶着ありました。

 

もう終わっている求人を表に出すな(検索できるような状態にしておくな)

 

ってことです。

そりゃそうです。わたしが仕事を探している側だったら、そう思いますし、同じことを言いたくなります。

 

(2)indeedへの問い合わせ

 

もう終わっている募集を検索されても困るので、検索されないように処置してもらおうとindeedに依頼をしようと思いました。

で、調べても調べてもindeedの電話の連絡先がありません。ウェブサイトで検索するも、ない。

結局問い合わせフォームから連絡を入れても、反応なし。

 

 

この件では、深刻な状況に陥ることなく、トラブルが引きずることもなく終わったのでよかったのです、まだ。

わたしは、この時点ではまだ、普通の求人情報を掲載する媒体だと思っていましたから、不親切極まりないと思ってました。が、よくよく考えたら、こちらから求人情報の掲載をお願いしたわけでもない企業ですから文句の宛先ではないってことなんです。

 

 

はい、indeedは、求職者を探そうとする企業側、仕事を探そうとする求職者側のミスマッチを生み出す媒体なんです。

 

これをぜひ、このブログ記事にたどり着いてくださった方々には知っていただきたい話なんです。

 

 

 

 

 

3.indeedにも意味はある

 

トラブルをご紹介してきましたけど、存在価値もあります、きっと。

 

(1)有料サービス

 

indeedの有料の事業って、内容を存じ上げないので説明できません。

でも、有料なんですからそれなりのことはやってもらえるのでしょう。

 

(2)常に募集をしている場合

 

ご紹介した、わたしの会社のトラブルのケースでは、締め切った後の情報だったわけですが、常に人を募集している企業、職場だったら問題はないのかもしれません。

 

インターネットでの募集は効果、影響が大きいです。なので、その影響力を活かすのは良いと思います。

 

(3)インターネットが効果を及ぼすケース

 

すべてのケースで、求人情報がまんべんなく効果を出すとは限りません。

 

都市部とか若年層にはインターネットは刺さるのですが、そうじゃない場合はそうでもない。

なので、インターネットの求人が効果的だったら、indeedでもいいです。

 

一方、都市部から離れた地域(田舎ということです)や、狙うターゲット(若者を採用したいのか奥様がたなのか、など)の違いによって、どういう媒体を使うかもちがってきます。

 

 

 

 

アベ政治の堕落を総務の仕事から見てみる

総務の仕事をしていて、現在の政治の堕落を感じることがあります。

そのことを書きます。

 

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1.正確な情報

 

台風の接近、インフルエンザの流行・・・。

こんな事態が起きたときに、総務は従業員あてに注意喚起をします。

たとえば、こんなふうに。

 

ただいま、台風999号が九州地方に接近しております。
週明けの月曜日は最も接近している、と予想されております。
従業員は、安全を最優先に考え行動してください。

出社が遅れる、あるいは出社が困難という場合は、各自が上司に連絡を取り、待機するなどの対応をとってください。

気象の変化や交通機関の運行状況などは、各自で正確な情報(気象庁、ニュースなど)を取得してください。

 

 

 

てな感じです。(一部を赤字・大きい文字にしているのはこのブログ記事のためであって、仕事で書いているメールにはそんなことはしてません)

 

この中で、「正確な情報」にご注目。

ここに書いている「気象庁、ニュースなど」は、わたしが以前書いていた文言。でも、最近は書けません。

 

「ニュース」(テレビや新聞、ラジオなどのニュースメディアを指しています)が“正確”なものではなくなってしまいました、今や。

テレビはもちろん、新聞でさえも。誰か、あるいは組織に迎合し、忖度するようになってしまいました。

官公庁の統計でさえ、です。公文書でさえ、です。

 

だから、“正確な情報”とは書くにしても、その例として“ニュース”とは書けなくなりました。

さすがに気象庁の気象情報までは嘘はつかないかもしれませんな。(雲の動き、寒冷前線の画像までも改ざんできるようになったら、まさにアベさんは「森羅万象なんたら」かもしれませんけど)

でも、インフルエンザ、はしかの流行情報、望ましい処置などの厚生労働省の管轄関係は疑ってかかったほうがいいかも、と思ってしまいます。今では。

 

否、厚生労働省だけではありません。

 

 

2.統計が歪められた日

 

統計が歪められました。(ゆがめられました)

たとえば、毎月勤労統計調査です。

 

厚生労働省の役人はもちろん、企業の人事労務関係の政策立案者など誰でも知っている重要な統計。

企業の担当者は「めんどくさい」と思いながらも、政策に直接影響するものだから、と懸命に対応してるんですよ。

 

そんな情報を作為的にしているとは、ね。

 

 

 

3.官僚の堕落は内閣人事局という話

 

官僚の堕落が内閣人事局にある、というのはよくある話。

官僚の人事を内閣、つまりは政権が握っているということ。

 

政権の気に入らない人物ははじく、政権寄りの人間だけを登用する、ということが繰り返されてくると、官僚は政権の管理下に置かれることになるのと同じですよ。

 

「人事で良くしてもらいたい、だから政権に忖度する」のが、今の官僚なのでしょうか。それが事実だとしたら、実に情けない。

 

 

 

 

 

わたしが官庁に身を置いていたとき。

上司や、その上司(いわゆるキャリアたち)は「日本のため」「日本国民の将来のため」という高い志向で仕事してました。

 

公務員、官僚の不祥事も少なくなかった時代だったこともあって、わたしは彼らに猜疑心を持っていたのですが、

 

「官僚って、悪い奴ら」ってイメージがあったけど、それは正しくはなかったんだな、さすが

 

と感心したものでした。

それが、今やこんな体たらく。

 

 

知能指数、偏差値が高い彼ら彼女らのこと。

凡人が思いもつかない思索で仕事してるとは思います。

が、忖度という低い倫理がエンジンになっているとしたら残念。

 

自分のことなんてどうでもいい、真実を追及する

 

という官僚が出てきてほしいもんです。

元文部科学事務次官前川喜平さんくらいかな、今は。

 

個人的には、Jさんの今後の言動に期待しているんだけど。

 

 

好感を持たれる面接は絶対条件なのか、迷う

今回の記事は、受験者・求職者・転職活動者ではなく、企業の採用を担当している皆さんへのエール的な内容となっております。

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面接について偉そうな記事ばかり書いているわたしですが、先日経験した採用面接はいい仕事じゃなかったな、と反省している話をご紹介します。

 

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とある採用面接

 

先日、とある採用面接(中途採用)を実施しました。

順番が最後になったとある応募者。かなりの確率で不合格になる面接結果でした。

他の応募者と比較し、過去の経歴やスキル等で差があり、不合格とせざるをえない方でした。

 

質問→回答に若干の不器用さはあるものの、一生懸命答えようとする姿勢は評価されましたが、そこまででした。

 

順番が最後でしたので、見送る際に先方から面接とは直接関係のない質問があり、それに答えるやりとりから、短時間の雑談になりました。

不合格になることはほぼ確定していましたので、

 

不合格になっても、当社に対して悪い印象を残さないように

 

という想いでこちらも丁寧なやりとりをするよう心がけて対応しました。

 

 

 

 

多くの採用面接が、合格する確率が低いですから、不合格になった方に悪い印象を残さないように、採用担当者は心がけていると思います。

 

あの会社、俺を落としやがって。絶対あの会社の商品、買ってやるものかヽ(`Д´)ノプンプン

ってなことにならないように、ですね。

 

わたしの会社はモノを売る会社じゃないので、消費者が買う買わないという話にはならないのですが、それでも気持ちは同じです。

 

 

数日後、不合格の旨の電話をしました。

その電話でも丁寧さを心がけ、それでも不合格の旨はしっかり伝えました。

相手の不合格を残念に思った反応はこちらにも伝わってきました。それでも丁寧にやりとりをされてました。

 

 

不合格者から贈り物が届く

 

その数日後のことです。

冷やしたまま運ぶ宅配便(いわゆるクール宅急便)でモノが届きました。発信者はなんとその不合格になった応募者。 

冷菓とともに、丁寧に書かれた手紙がはいってました。

 

面接での丁寧な対応と、面接終了後の雑談で、わたしや会社により好感が持て、お世話になったとの気持ちを届けたかった、という主旨でした。

 

んー、困りました。

当社は、下請法やらコンプライアンスやらなんやらで、取引の有無にかかわらず、贈り物は受け取らない方針です。持参されても主旨を説明して受け取らなかったり、場合によっては返送もする勢いです。

社員間の年賀状もとうの昔に虚礼廃止ということで無くなっています。

 

そんなことからも、対応に苦慮しました。

が、クール便であること、返送するのも失礼にあたると感じられたことなどから、返送しないこととしました。

その応募者に電話でお礼の思いを伝えました。

 

相手も、送ったあとにしまった、と反省したとのこと。企業が贈り物を受け取るのはあまりやらない、ということをわかっておられたようです。しかも、面接の不合格者から贈り物が届いたら、贈られた方も困るということも。

合格、不合格、どちらにしてもこのようなことは行なわれるべきではありません。

 

 

 

反省すべき対応

 

このケースは特殊な事例かもしれませんが、起こるべくして起きたといってもいい事象です。

普通じゃないのはその不合格者ですが、わたしの対応も丁寧すぎたという意味では反省すべき点があったと思います。

 

恋愛で、どちらか(男性としておきましょう)が相手の女性に飽きて別れたくなった。でも女性は違う。

そんなとき、男性側は女性側に嫌われるような方法で別れる、それが女性側を傷つけないやり方だ、などと言われます。(もちろん、男女が逆の場合もしかり)

未練を残さないよう、わざと嫌われるような方向に持っていって、後腐れがないようにする。

 

今回の面接を恋愛にあてはめるのは極論かもしれませんが、丁寧さが度を過ぎるとよからぬことが起きる、という可能性を感じた一件でした。