新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

ちゃんとした人事制度が無いと、能力も組織もダメになる:厚労省の改革に期待する

前回の記事で、厚生労働省の改革に期待することを書きました。

 

soumu.hateblo.jp

 

 

人事制度に関して、若干加筆します。

 

 

0.免責

 

わたしは、以前労働省の方々と一緒に仕事をした経験があります。

そのときの記憶をもとに記事を書きます。

その記憶があやふやだし、また聞いた話も間違っている可能性があります。

その点をご理解いただきたく、あらかじめ触れておきます。

 

 

1.残業代は無い、あるいは雀の涙

 

当時、(そして若手の答申にもそう書かれていましたが)猛烈な残業でした。

民間人のわたしで月平均80時間超、職員はさらにやってました。

 

それでも残業代は出ない、か、雀の涙程度だそうです。

 

残業代がどうやって決まっていたか、というと、管理部門の職員が鉛筆なめなめで決めていたそうです。

 

  • 職員Aは最近頑張っているから、残業代をつけてあげよう
  • 職員Bは動きがよくないから、今月は無し

 

この箇条書きの文章は、当時管理部門以外の職員が想像や噂していたような話です。真実ではないかもしれません。

いずれにしても、事実に基づいた残業代は支払われていません。

客観的な労働時間の把握を企業に要請しているお膝元の厚生労働省が、これです。

 

 

人事評価のいくつかあるポイントの1つは、事実に基づき、成果や貢献を測定すべきです。決して、好き嫌いだとか合う合わないだとか、「あいつはなんとなく悪い印象があるから、ダメ」などとすべきではありません。

が、残業代の鉛筆なめなめは、そうであった可能性があります。

 

これでは、人は成長しないし、組織的な成果をあげることもできないでしょう。

 

 

2.稟議、決裁

 

予算や政策、事業など、実施するにあたって決裁(あるいは稟議など)を行ないます。

平たく言えば、上司の印鑑をもらうことです。

 

決裁,印鑑,稟議書



 

この数が、中央官庁だとものすごく多い。

 

みなさんの会社では、決裁完了までいくつの(何人の)印鑑が必要ですか。

 

たとえば、わたしは昔、全社員数が8,000人ほどの企業の本社にいたことがありますが、ヒラ社員(わたし)から社長決裁まで、

わたし→わたしの直属の上司→人事部長→社長

の4つでした。

ま、社長まで必要な決裁はほとんどありません。せいぜい人事部長までです。

 

それが、労働省ではいくつでしょうか。

案件にもよりますが、わたしが経験したのは16個でした。これは少ない方だそうです。

普通で20〜30、多いときは70〜80が必要だったりするそうです。鏡の紙(最も表にくる表紙)が印鑑だけで埋まってしまうらしいです。

 

これは、それだけの階層があるということではなく、関係する部署が多いということです。

たとえば、出費に関するものは経理部門(のヒラ社員→係長→課長補佐→課長)、広報が必要なものは広報部門(のヒラ社員→係長→課長補佐→課長)、人の異動が加わる場合は人事部門(・・・)が加わっていく、という調子。

そして、その印鑑は、コンピューター上ではなく、起案者がすべての人物のところに説明に行って、印鑑をもらうというアナログ。めんどくさいったらありゃしない。

 

人事評価って、その「印鑑をもらいに来た職員が、どう説明するか・説得力があるか」を評価しているんだそうです。

ほんとかウソか。

 

とにかく、ちゃんとした人事評価制度は事実上なかったようです。ほんとはあったかもしれませんが、職員が知っている、わかっている状態ではなかった。

残業代と一緒で、これでは成長は無いし、組織も弱体化します。

 

こんな状況だから、「内閣人事局」ができただけで官僚はヘナヘナになっちゃうのかな、って思いたくなります。

 

 

3.人の成長、組織の力の源泉は人事制度

 

人の成長、組織の力の源泉、根幹は人事制度です。

若手の答申によると、厚生労働省には多分これが無さそうです(あっても形骸化?)。

 

内閣人事局は言わずもがな、ちゃんとした人事制度を作ってあげてよ。

 

厚労省だけじゃなく、中央官庁全体の問題だろうから、人事院とかかな。

独立性を保つ必要があると思うけど、人事院だと内閣総理大臣の直轄だからアカンかな。

 

いずれにしても頼みます。

税金の無駄を無くし、効果的に使われること。

職員がモチベーションと体力を保ち、組織が力を発揮するために。

国民の生活がまともなものになっていくために。

 

 

 

 

 

 

厚生労働省の改革に期待するしか、日本の改良への道は無さそうとも思える

※答申に目を通し、加筆しました。

厚生労働省の若手官僚が、職場環境改革を要望する答申を出した、というニュースが出てました。

ちょっと前なんですけどね。

https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1908/27/news079.html

期待してます。

 

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0.この記事の前提

 

わたしは民間企業のサラリーパーソンですが、ほんの一時期、官庁の公務員の方々と一緒に仕事する機会がありました。20年以上前です。まだ厚生省と労働省に分かれていた時代のお話。

そのときの記憶をもとにこの記事を書きます。現在とは違っていると思いますし、また、その答申というのも読んだけど全部理解できてないかも。(記事になにか不備などありましたら、ご容赦ください。)

 

官僚が力を発揮できていない理由はいろいろあると思いますが、職場環境が変わらないと発揮できるものもできないって話です。

 

 

1.偏差値だけじゃない、職員たちの優秀

 

公務員、特に国家公務員、キャリアという人たちを、わたしはそれまでは先入観で見ていました。

  • 頭がいい(偏差値が高い)
  • お金持ちの家に生まれ恵まれた環境で育った
  • 汚職とか不正なことをする人が多い 等など

現実には、少なくとも仕事で接点があったり、あるいは上司たちといった「彼ら」はそうではありませんでした。

 

汚職なども、テレビニュースで出てくるのはほんの一部の一部であって、大多数の公務員たちは真面目に仕事してるんです。

 

頭がいいのは間違いないのですが、彼らの仕事に対する想いは「日本を良い国にしたい」「そのためには自分たちが一生懸命仕事をしないと達成できない」というものです。

そのスピリットに満ちていました。

 

また、キャリアだけではなくノンキャリアも、想いは同じであり、仕事に向けて燃やす情熱は同じです。官庁にはいるための試験の種類は違えど、少なくとも国を思う気持ちについてはキャリアもノンキャリも関係なく、また民間企業のサラリーパーソンとは違うなあ、と感じました。

 

 

そんな彼らと一緒に仕事するのはとても充実していて、民間で仕事をするのとは意味が違う、という側面を感じることができました。

 

 

2.環境が職員たちを無能にしている

 

彼らは優秀であり、彼らがさらに活躍するのならばもっと良い国になる。

具体的には、労働行政は充実するし、新たな政策に意味も出てくる。が、安倍政権でない当時でさえも、彼ら、つまり中央官庁の公務員たちの能力が発揮されない環境でした。

 

(1)貧弱なIT環境

 

当時は文書を書くのはワープロ。「書院」とか「OASIS」とか。10人に1台くらいの割合でパソコンがあったかな。

少しずつパソコンが増えていったんだったかな。すでに会社で(正確にはプライベートのほうが早かったけど)パソコンを使っていた自分は重宝されました。

 

ワープロとパソコンの違いは、データを使いまわしできる、ということですよね。

フロッピーディスク(このブログの読者には、知ってる人は少ないかもしれないね)に保管した文書を他のワープロに差し込んでその文書を修正するとかしかできませんけど、パソコンだとフロッピーやUSBドライブはもちろんですが、サーバーにデータを保管する形を取れば、比較的自由自在です。

 

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それと、当時不便だった圧倒的なハードルは、部署内、あるいは省全体でワープロの機種が統一されていないこと。

極端な話、書院も使えないといけないし、一太郎(パソコンソフトではなくワープロソフトととして)も使えないといけないんです。わたしは使えたからいいけど、使えない多くの職員たちは、たとえばA課が作成したOASISの文書をB課の書院で引用するとかいうことがしづらいので、イチから入力し直すなんてことがあるわけです。

 

もう20年前の話ですから、今とは違うと思います。それでも、答申には「ICT技術の駆使・改善」という大項目があり、その中には様々な効率化の提案あり。

 

労力が無駄遣いになるのを、提言に耳を傾け実現すれば避けられそう。

 

(2)ファイリングという概念が存在しなかった

 

現在進行の文書の保管、整理はしていました。

が、過去の文書は整理されていない。

 

そもそもファイリングという概念が存在しなかった記憶があります。

(他の部門ではあったかもしれないけど)

 

 

彼らの重要な仕事のひとつに国会対応があります。

国会会期中は、国会議員から質問が出て、それに答えるために官僚が資料と答弁を準備します。

たとえば、10月1日の国会で●●議員が労働大臣(もしくは首相など)に▲▲についての質問をする、となりますと、その前日の17時(午後5時)までに議員から▲▲について回答できる労働省の部署に連絡がはいります。

連絡をもらった部署は回答案を書くのですが、過去に同様の質問があったときにどう回答したか、ということもチェックしなくてはならない。そんとき、過去の回答の記録がなかなか見つからなかったり、過去にそういう質問があったかどうかもわからなかったり、極端な話、当時を知っている人物を探し当て思い出してもらうとか。

まあ、不便でしょうがない。

 

これまた、答申の「ICT技術の駆使・改善」の中に“国会答弁のデータベース化”とあります。

20年前に、普通のサラリーパーソン(わたしのこと)が気づいていたことを、まだやってなかった。その知恵がなかったとは思えない。政治家の中に、あるいは官僚のトップ階層の人たちの中に、いろいろと都合の悪い事情があったんでしょうか、と思いたくなります。

 

答申では議員レクにも触れてました。これがまた時間の制約が大きい。

朝7:30とか8:00から、議員に説明に行かなければならない。議員先生は自宅や官舎からお抱え運転手の車でご出勤、職員はもちろん公共交通機関です。

 

 

(3)残業代が出ない

 

労働行政の総元締めの労働省も残業が当たり前。

 

当時の通産省通商産業省。現在の経済産業省)は「通常残業省」とのニックネーム、大蔵省には遅くまで予算をとりまとめ次の日の朝早くからも仕事ができるように「ホテル大蔵(オークラ)」があったりしました。

 

残業代は、少なくともわたしのいた部署は支給されていませんでした。(雀の涙ほどは出ていたらしいですが、実際の超過勤務時間からすれば過小。労働省自身がサービス残業を実践していたという現実。)わたしは、所属している会社に残業時間を報告し、その分をもらえてましたが)

 

わたしは終電に間に合うように退社してましたが、彼らはさらに。超過勤務の時間が想像できるというものです。過労死ラインは平均で80時間/月といわれていますが、それくらい、あるいはそれ以上でした。

 

「そんな処遇(残業代がほとんど出ない)で文句はないの?」

と聞くと、昇格すればするほど幾何級数的に給料が増えていくので、そのため今は(若いうちは)文句言わず頑張っている、と。(天下れば、もっとすごい処遇が待っているとも噂されてました。)

 

残業の夜食も出ません。終電に間に合わなかった場合のタクシー代も出ません。

果たして、労働行政がそんなことでいいんでしょうか。仕事した分、報酬があるのが当たり前じゃないでしょうか。

 

「客観的な労働時間の把握」を民間企業に要求している労働行政ですが、紙ベースでしか労働時間管理をしていない事情、彼らにはあるかもしれません・・・。

 

※夜食、タクシー代は支給されないものの、彼らなりに工夫、改善し、自己防衛していました。そのやり方はわたしからすればまっとうと感じていましたが、同じようなやり方をやりすぎちゃった役所(労働省じゃない)が出てきちゃって、社会から猛批判を浴びたので、ここでは触れません。

 

 

3.醜悪政権の今、日本を救えるのは

 

内閣人事局というのが内閣にできて、官僚たちは骨抜きされてるらしいですね。

そんな環境においても、官僚は官僚の役割を果たしてほしい。その能力はある。

 

彼ら本人たちが頑張らなければならないことももちろんあると思います。

が、コトわたしの経験上からすれば。

 

(1)労働環境

 

上にあげたような、不具合のある労働環境は改善されなければなりません。

労働環境は、本人自身が、というよりまわりが変わらなければって感じだと思います。

 

企業でも、両面あると思います。

人が変わるのか環境を変えるのか

 

官僚の場合、人は十分だと思います。

内閣人事局なんかに負けてたまるか、という意識改革はあってもいいとは思います。)

それよりなにより環境が変わってほしい。

 

(2)国民の目

 

「民間のサラリーパーソンの給与が上がらないのに、なぜ公務員の給与は上がるのか」

「公務員の給与は税金なのだから、残業代は出なくて当たり前」

 

といった国民、納税者の考えがあるなら、それは考え直してほしい、と思います。

公務員の多くが、身を削りながら仕事してます。

 

民間企業だって、だれかの金銭的負担が給与になっているんです。

パン屋さんの店員の給与はパンを買った客のお金です。居酒屋の社員の給与はビール代にお金を支払ったお客さんのお金ですよ。

だから、公務員の給与も「行政」サービスへの対価の税金という代金を国民が支払った、それが原資ですよ。給与は税金って大したことはない。

(政治家の報酬は厳密に考えたい)

 

 

4.最後に

 

当時、一緒に仕事をした方の一人が、今年でしたか、不正統計の問題で国会で答弁してました。

その方が不正を働いたわけではないのですが、上の立場の人ですから答えないわけにはいかない。

しかも、内閣人事局に握られて、本当のこともいえず、適当にごまかす答弁しかできない。

 

その方はとても良心的で、意欲も高い方でした。真面目で、怖い課長にも信念を曲げず立ち向かい、一方で飲み会があると優しく楽しい会話で盛り上がりました。

 

いろんな経緯があってその国会答弁だったのでしょうが、いろいろな「環境」の変化であのようになったのでしょう。

悲しくなりましたね。

 

若手の答申かもしれないけど、他の省庁も含め、官僚の役割や存在が見直され、政治も変わってほしいと願わずにはいられません。

 

 

 

 

 

 

JK(高校生)が考えている「こんな会社に入りたい」「こんな会社には入りたくない!」

就職を目指す高校生たちと雑談をする機会がありました。

彼ら彼女らに聞いた、に聞いた、「こんな会社に入りたい」「こんな会社には入りたくない」です。企業の採用担当者(わたしを含む)は参考にしましょう。

ちなみに、男女の割合は女子学生が9割程度です。

 

 

 

 

1.入りたい会社

 

  • 自宅から近い
  • ブラック企業じゃない
  • 給与が他の企業と比較して良い(高い)
  • 職場の雰囲気が良い
  • やりたいと希望していた仕事ができる

 

 

2.入りたくない会社

 

ブラック企業(→次項参照)

 

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3.JKが考える「ブラック企業」とは

 

「君たちが考えるブラック企業って、どんな企業?」

と質問してみました。社会人経験がない彼女たちなので、正確な表現じゃない部分があります。高校生の時点でどういう理解をしているか、という観点で参考になると思いますので、そのまま掲載します。

 

  • 事前に説明された仕事とは違う仕事をさせられる
  • ハラスメントがある(注1)
  • 職場体験でのブラック経験(注2)

 

 

注1:「ハラスメントってどんなもの?」と聞くと、彼女たちははっきり知っているわけではありませんでした。パワハラやセクハラの概要を説明すると、「それです」との反応。

 

注2:高校生の授業の一環として、職場体験が存在します。この発言をした高校生の実際の体験を教えてもらいました。説明してくれる前に「会社の名前は言えませんが」との前置き。真面目な生徒でした。

 

  • 9:00までの集合、15時までの体験という予定だった
  • 8:45に企業に到着した。まだ時間的に余裕があったと思っていたが、「(作業衣への着替えを)早くしろ。ボヤボヤしてるんじゃない!」と怒られた
  • 15時に終了の予定だったが、大幅に遅れて17時の終了となった。事前・当日・終了後、どの時点でも説明はなく、謝罪的なものもなかった

 

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高校生にしても、大卒・短大卒にしても、新卒学生を集めるのに、現在ほど厳しい時代はありません。

就職を希望する学生からそっぽ向かれる企業は、お客様(消費者)からもそっぽ向かれます。

 

 

新卒以上に、中途入社社員のフォローやサポートは大事

多くの企業で、新卒以外に中途採用をやっておられるでしょう。

新卒よりも中途採用のフォロー、サポートが大事って話をしようと思います。

 

 

 

 

企業によっては経験者採用などと表現する場合もあるでしょうね。

表現するだけではなく、実際に特定の業界の経験者、あるいは業務の経験者などに特化した採用もしているかもしれません。

 

新卒の新人はきっと手厚くサポートするでしょうが、中途採用はどうでしょうか。

わたしの経験や考えでは、新卒より中途の方がしっかりサポート、あるいはフォローすることが大事だと思います。

 

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0.前提

 

以下、特に断りがない限り、学校(大学、高校、短大、専門学校他、全部の学校)を卒業して、社会人経験が無くすぐに企業に入社するのを新卒、一度社会人経験をしてから企業に入社するのを中途入社、中途採用と表現することにします。

 

 

1.中途入社のフォローが大事な理由 3個

 

(1)他社での経験が邪魔するかもしれない

 

新卒は初めての社会人経験なのだから、自社の仕事や企業理念などを植え付けられる。教育には支障はなさそう。いわば真っ白なキャンバスに自社の色を塗っていけるのです。

何もない土台に人材を作り上げるのは大変ではありますが、無地だからこそ色はつけやすい。

 

しかし中途採用の場合、すでに他社(会社じゃなければ、他の組織と表現しておきます)の経験があるわけなので、それが邪魔するかもしれません。

 

たとえば、飲食業経験者が同じ飲食業に転職した場合。

以前の飲食店が、安く手軽な価格で、というお店の経験者が、食事のグレードは高く、おもてなしも最高のものを、それにともない価格も高いというお店に転職したらどうでしょうか。

 

もったいないと、少しくらい調理で失敗した食べ物もなんとか別の形で活用できないかと普段から考え行動していたけど、新しいお店では完璧に出来上がらなかった食べ物は捨ててしまう、もったいない、「こんな高額な請求をしていいものだろうか」など悩んだりしないでしょうか。

 

我ながら例えが下手くそでしたが、邪魔することはそこそこあるでしょう、ってことです。

 

(2)染まっていないことが、むしろチャンス

 

前項では過去の経験が邪魔するかも、というマイナス面を書きましたが、むしろこの記事全体で言いたいことはこちらが本論。それは、

 

自社の経験がない人材が、大事な宝

 

ということです。

 

 

民間企業や、行政、自治体など、今やコンプライアンスとは無縁になれない仕事集団。

コンプライアンスを考えた場合、‘自社の色に染まっていない’人材というのはとても大事。

 

なぜかというと、

 

うちの会社では常識、でも世間にとっては非常識

 

という、避けなければならない事態に出合える可能性が高くなるのですよ。

 

世間にとって非常識な財やサービスを提供する企業なら、考えなくてもいいでしょう。でも、消費生活に密着した業界とか、一般的な消費生活に訴えかけたいビジョンを持った企業には、大事にしたいフツーの人の生活スタイル。

 

いや、そもそも「そんな企業活動は倫理的に許せない」と評価されたら、どんなに頑張ったって認めてもらえない。例えば、吉本興業とかね。

 

マネジメント契約を書面では結ばないけど、NSCという研究生的な段階で「何があっても(死ぬようなことがあっても)吉本には文句は言わない」という主旨の契約はしっかり交わしてた、ってのは、一般的には・常識的には異常と思える事象でしょうな。

何がファミリーだって話かよ、って感じます。

 

安倍政権を素材にするなら、もっと極端な例も挙げられるのですが、ここではやめとく。 

 

 

 

いわば、社外取締役ですよ。

自社に染まってなくて、自社とは直接関係のない消費者の感覚を持っている存在だってことです、中途採用の方々は。

 

わたしが中途採用の方々の入社時に研修で必ず説明すること(お願いすること)は、こんなこと。

 

皆さんは、昨日まで当社と関係のなかった存在、そして今日から当社の仲間、という、最も一般人(表現が不適切だったらごめん)に近い存在です。うちの会社は、消費者の方々の常識とか考え方を大事にしたい、消費者に寄り添う事業を進めたい。

うちの会社に「おかしい考え方だな」「そんな発想は消費者に受け入れられない」というのがあれば排除したいので、ぜひ正直に発言、指摘してほしい。それが当社の宝になる。

 

 

入社した日にこんな話を言われて、「そうですか、じゃあ・・・・・」なんて話をすることはなかなかできないでしょう。

だから、職制・ラインに関わらない、第三者の立場である総務が入社後にヒアリングなどもしてます。

 

(3)社会人経験をした人物からの指摘は高レベル

 

前項と同じく、中途入社者の存在は企業にとって価値がある、という話。

 

新卒は社会人経験がないから、入社研修、入社までの手続き、入社後のフォローなど、人事・総務が担当する業務の受け手としては初めての経験。

だから、「そんなものだ」という理解でしょう。

 

ですが、社会人経験のある中途入社者は、他の企業(などの組織)での経験があるので、総務のこれらの仕事などの良し悪し、優劣などの評価は比較ができ、厚みも増します。

総務の仕事を客観的に評価してくれる中途入社者。

 

 

 

 

3.中途入社者の存在に価値を出す、大事なこと

 

これらの、中途入社者のフォロー、サポートの意味合いをしっかり出すためには、彼ら彼女らから本音を聞き出す環境を作ること。それがなければ、全く意味がありません。

 

これもフォローのひとつだと思いますが、他の企業等での経験を持って入社してくる中途入社者が「自分たちは、大事な存在、重要な存在なんだ。本音も言える、いや言うべき存在だ」と認識してもらえるための環境づくりが前提です。

 

 

中途採用、経験者採用は、宝探しです。

 

滝川クリステルCM降板!ビールのCMタレントのは以前から気になっていた

滝川クリステルと、ボンボンでなんの考えも持たない政治家が結婚を発表し、入籍も(秘書が)済ませました。

ついでに滝川クリステルは妊娠していることも発表。

 

 

www.news-postseven.com

 

 

キリンビール本麒麟のCM出演が降板になるのはやむなしです。

なぜなら、妊娠中の飲酒は、お腹の中の子どもに影響を与えるのは明らかになっていて、妊娠している人の飲酒を想起させるのはやりたくないのです。

もしかしたら、CMの撮影中に妊娠していたのでは?という心配もよぎりますし、そもそもCM出演の契約にあたって滝川さんほどの人がメーカーから説明を聞いて理解しなかったわけでもなかろう。

 

という問題はさておき、わたしが昔から気になるのは、ビールのCMに出演するタレントはあまり変わりがない、同じタレントが違うメーカーで出ることがある、ということ。

 

 

 

 

 

1.滝川クリステル

 

件の、滝川クリステルさんも、ついこの前までサッポロビールヱビスビールのCMに出てました。

キリンビール本麒麟のCMでは、「ついこの前まで、違うメーカーのCMに出ていた」ことを匂わせる演出もされていたと記憶してます(現在ではもう観られませんが)。

 

 

 

2.嵐

 

ジャニーズ事務所の嵐も、複数のビールメーカーのCMに出ています。

 

昔は、キリンビール淡麗グリーンラベル一番搾り)。

その後、

 

相葉雅紀アサヒビール(アサヒ贅沢搾り)

二宮和也サッポロビールサッポロ 麦とホップ

 

他のメンバーもキリン以外に出ているようなイメージがあるけど、違ったかな。

 

 

3.ぐっさん(山口智充

 

ぐっさんこと山口智充は、キリンビールののどごしに長く出てました。

その契約が終わった後でしょう、アサヒのクリアアサヒ糖質ゼロに出ました。

 

のどごしの出演が長く、印象が強かっただけに、アサヒに出たのが驚きで、直前までキリンに出てたのに、いきなり鞍替えかよ!と感じた記憶があります。

 

 

 

昨日(2020年4月24日)されたダウンタウンなうで、キリンからアサヒに移ったときのエピソードを、ぐっさん本人が紹介してました。

なるほど、そういうことだったんですね。ぐっさんもアサヒも男前。

 

 

4.佐藤浩市

 

キリンビールサントリーでした。

キリンビール時代は一番搾りから淡麗に銘柄が変わりましたね。

 

 

5.役所広司

 

役所広司は、キリンからサッポロに、そしてまたキリンに、と頻繁でした。

 

 

6.イチロー

 

三ツ矢サイダーペプシなどの清涼飲料には出てました。

そして本命の(なぜ本命か、というと、イチ番搾りだから、という個人的なこじつけです)キリンビール一番搾り

その後、サントリープレミアムモルツに変わりました。

 

 

7.その他のタレント

 

その他にも、SMAPのメンバーたち(木村拓哉香取慎吾)、小泉今日子など、複数のビールメーカーのCMに出たタレントは数多いと記憶してます。

 

 

8.気になっていた(いる)こと

 

わたしが個人的に気になっていたのは、

最初に出始めたメーカーの印象を、別のメーカーのCMで引きずるってことを、タレント本人、あるいは事務所が考えないのか、節操がない、寝返りかよということでした。

 

それと、このブログに書いた一番の理由ですが、社員が転職する際、競業他社つまりライバル企業への転職を認めないことを就業規則に書いていたりします。(その取り決め自体に問題がある、という指摘もあります)

それと同じようなことが、タレントにもあるのではないか、タレントは別のメーカーのCMに出ることをいとわないのか、ということです。

 

まあ、事務所がとってきた、あるいは広告代理店が提案してきた話を事務所が受けた時点で、タレントにはあまり選択肢はないのが実情なのかもしれないけど。

 

 

その界隈の人の記事で、

「ビールのCMに求められるイメージを持ち合わせているタレントが少ない、限られるからこのような現象が起きる」

というような話を読んだことがあります。

タレントの中にも、お酒OK、●●はNGとか、いろいろ条件があったりするのでしょう。現実的に選択肢が限られることもあるのかもしれません。

 

 

 

つかこうへい氏(劇作家)はキリンビールのCMに出た際、CM内で「この広告に出た以上、死ぬまでキリンラガービール以外は飲みません」としゃべるシーンがありました。早逝した彼(62歳没)がそれを貫いたのかは知りませんが。

 

つか氏のこの印象が強いからか、上に挙げたタレントたちの複数のメーカーのCMに出るというのが、タレント本人か、マネージャーなのか、所属事務所なのか、あるいはメーカーなのか、それらの誰かに対してどうにもモヤモヤした印象を感じずにはいられません。

自社の従業員ということで言えば、「副職、副業は禁止」としばっている企業への違和感なのかな。

 

とはいえ、わたしは副業には反対しません。(あくまで個人の見解です)労働時間や従業員の健康管理というポイントに問題がなければ。

 

 

 

 

闇営業、宮迫・ロンブー亮の会見をみて感じたことをツラツラと:吉本の終わりの始まりかも

吉本興業所属のお笑い芸人たちが闇営業し、契約解消などの処分を受けました。

その後、吉本以外の芸人にも闇営業の事実があり、彼らも同じように処分を受けています。

会社で人事を担当するわたしが見た感想を。

 

 

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1.闇営業の是非

 

闇営業に関して、民間企業から見ると「副業」「反社会的勢力」ということでしょうか。

 

副業(複業)については、以前は禁止する企業がほとんどでしたが、最近の低賃金や非正規雇用等で収入が相対的に低減していく中で、国もアベノミクスの反省(?)があるのか副業を認めるように考えを変えてきていますので、民間企業も副業を認めている状態に移ってきています。

 

労働時間の問題など、副業にはまだまだ整理すべき課題はあると思うのですが、以前よりは問題視されないようになってきていると言えるでしょう。

 

 

反社会的勢力との関係では大きな問題です。

 

反社会的勢力と関係を持つことは、企業においては禁じられています。

その根拠、考え方は、暴力団の排除からきています。

 

暴力団の活動を根絶させるため、暴力団対策法や暴力団排除条例が制定されました。

要は、暴力団が活動できないように、彼らの活動を制限したり、社会活動から排除するということ。

企業に関していえば、暴力団が経営する企業と取引をして彼らに資金が渡るのは禁じられているし、暴力団が直接経営に関係していなくても、例えば暴力団員の配偶者の経営するスナックとか、個人への利益の供与なども禁じられているのです。

つまりは、暴力団およびその関係者と関係を持ってはいけない。

 

宮迫、ロンブー亮らは忘年会に参加してギャラ(報酬)をもらっているという関係で、利益の供与の逆で問題ないように思えますが、そもそも参加したことで詐欺集団は嬉しいわけで、それ自体が利益の供与、便宜を与えていることになると言えますね。

 

こちらが詳しいです。

 

toyokeizai.net

 

 

 

2.労働条件

 

普通、芸能人と、所属する事務所はマネジメント契約というのを結ぶとのこと。

でも吉本興業はそれをやっていない。これは引っかかります。

 

民間企業では、正社員は書面での雇用契約を結ぶことはほとんどないので、偉そうには言えません。

しかしながら、就業規則、賃金規則など雇用、処遇に関して様々な取り決めが書面で、あるいはパソコン上で示されています。社員(従業員)がいつでも見られるようにしていなければならない取り決めもあります。

 

これが吉本には無く、しかも若手の芸人は低賃金で働かされている。

1日の舞台で、2000円とかって聞きますね。

最低賃金法にも抵触する可能性はあります。

 

「修業だから、労働への対価ではない」という言い訳もあるようですが、その考え方がすんなり通るとは思えません。

 

このような処遇環境においては、特に若手芸人は正式な吉本だけの仕事だけでは成り立たないので、闇営業であっても少しでも報酬を稼ぎたいと発想するのは止むを得ない、と感じます。

 

 

 

3.吉本興業の対応

 

宮迫、ロンブー亮は問題が発覚した当初から、会見を実施したいと吉本興業に要請していたとのこと。

それに対し岡本社長は、「そんなことは許さない。やるんだったら連帯責任で、全員をやめさせる。俺にはその力がある」と言ったとのこと。

 

これは典型的なパワーハラスメント

 

雇用の不安を示すなどパワーハラスメントの要件を満たしていると感じられます。

 

岡本社長というと、まだ下っ端のスタッフだった時代から番組に出演している様子を見ています。会長の大崎氏も見ていました。

その当時の延長からして、どうも彼らが「企業の経営」をできているとは思えない。

 

昔の映像の記憶だけでどうのこうの言う話ではありません。

ま、現在進行形で彼ら経営者が対応している様子も、とても企業のけいえいと言えるレベルではない。

ザブングルが謝罪し、企業自身も謝罪し、謝罪の内容も問題なし(特に、詐欺の被害者の心情にも配慮)、社会的な貢献をすることにし、復帰の時期も整えたナベプロとは大きな違い。

 

 

適当としか思えない吉本興業側の対応と、吉本を離れた後の宮迫とロンブー亮の一生懸命で誠実な会見は対照的でした。

特に、ロンブー亮は、会見の段階では吉本と破断していなかったはずですが、「契約解消された方がいい」と自身の意向をはっきりと主張、偉いとさえ感じました。

 

 

「吉本はファミリーなんだ」という上っ面の言葉で逃げようとした岡本社長の言葉を捉え、「吉本が親なら、子どものわたしたちが謝罪しようとするのを止めるのは親じゃない」と亮が発言したのがファミリー発言です。

 

 

吉本の岡本社長は「在京5局、在阪5局は吉本の株主だから大丈夫」と発言したとも。

メディアを握っている、あるいはメディアから忖度してもらえる吉本だから大丈夫、という意味だったのでしょうか。

んー、コンプライアンスに無縁の会社のようです。

 

 

 

これで吉本興業は、そこに所属する芸人とともに信用を失墜するでしょう。

 

 

【追記】やっぱり、こんな情報が出てきた。

 

 

 

 

 

選挙(投票)に行かなきゃいかん!、と思わせた【夢】

昨日、夢をみました。

「やっぱ、投票に行かなきゃなあ」としんみり感じさせる夢でした。

 

 

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1.夢の内容

 

わたしが勤務する会社で、従業員による、とある投票が行なわれようとしています。

なんの投票かは覚えてませんが、いくつかの選択肢を選ぶものです。

その投票結果に基づき、今後の会社の運営が決まります。

 

そのどれを選んでも、従業員にとってありがたいものではなく、なにがしかの負担を強いるもの。

さらには、その選択肢のどれかはトップ(社長)の意向が強く反映されたものであり、それを選ばないと(トップの気に入らない選択肢を選ぶと)、投票後に社長や幹部から厳しい指導があったり評価も低くなる、ということが予想(予定と言ってもいいほどに確実なもの)されている状況でした。

 

つまり、その投票は行くも地獄、行かずとも地獄な状況でした。

 

その夢のディテールは覚えてません。

でも、そのときのわたしの感情とか不安感とか、周囲の同僚たちの、その投票に対する無関心な様子ははっきり覚えているんですよね。

なんなんだろう、夢って?

 

 

2.参議院議員選挙

 

この夢は架空のものであり、わたしが現実に勤めている会社にこんな投票制度はありません。

夢に登場した人物も、現実にはいないのばかり。

そしてわたしの実際に所属する会社はいたってホワイトな企業です。

 

しかしこの夢は、今のリアルの安倍政権、自公政権をあらわしているのではないか、と、目が覚めた直後、思いました。

率直に申し上げて、安倍政権が展開している今の政治を感じたのです。

 

 

3.投票に行かなければならない

 

現実の選挙も、この夢に似たようなところがある。

どんな選択肢(立候補者、政党)であっても、結果は同じ。

 

裸の王様と、その取り巻き、ちやほやする官僚たちから持ち上げられる宰相のやりたいようになってしまう。

 

いや、そうじゃない。

今、民意を示さないと、それこそ悪夢は続く。

 

 

 

 

ついに安倍さんはおかしくなった↓

 

わたしの夢は偶然じゃなかったと思います。

 

(1)悪夢をみる体質

睡眠に関する障害(甘利さんという人が、ある時期患っていた〝と言われていた〟睡眠障害です)を持つわたしは、毎日、精神安定剤睡眠導入剤を就寝前に飲んでいます。

 

でも、なんらかの理由で飲み忘れることがあり、そのまま寝てしまうと、まず間違いなく悪夢(自分が望まないストーリーの夢)を見ます。

 

(2)Twitterでフォローする方々

Twitterでわたしがフォローする方々の多くは、今の政権に警鐘を鳴らす方々。

わたし自身ももちろんそうですから、普段から現政権がこわいと感じているわけです。

 

 

この(1)と(2)の2つの要素が加わったら、こんな夢をみるのは必然でしょう。

 

 

わたしゃぜってぇ、投票に行く。自分の意志を示す。

「たかが一票」ではない。「されど一票」だ。

 

 

 

緊急出版! 枝野幸男、魂の3時間大演説「安倍政権が不信任に足る7つの理由」

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