新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

就職活動、楽しみながら充実した時間を送れと願う

就職活動してる学生さんたち、進捗はどうですか。成果は出つつありますか。

いくら売り手市場(学生側に有利な市場)とはいえ、学生みなさんのご苦労、疲労などはあるでしょう。

 

 

 

参考になるかどうかわかりませんが、わたし自身の就職活動についておしゃべりをしようかな、と思います。

こんなときに、アラフィフのおっさんのブログに付き合う暇はないほど多忙かもしれませんが、わたしも総務の仕事で学生さんをたくさん見てきた経験もあるし、無駄じゃないと思いますよ。

会社説明会の予定を確認する手を休めて、寄ってってください。

今が忙しければ、ブックマークして休憩の時間に読んでいただいてもいいかも。

 

 

1.高校時代から大学へ

わたし自身の背景を説明しておかないと後の話につながらないので、学生時代のことを書きます。

 

わたしは高校時代は理系でした。

模試の数学で満点を5回連続してとるなどもあり、理系の大学に進む、将来は数学の研究者になりたいというくらいでした。

が、高校3年のときの物理と化学についていけなくなり、担任からも、

「数学の研究者になるなら、30歳までは女性に食べさせてもらわないとなれないぞ」

いわゆる「ヒモ」になれ、ということです。
わたしにそんな甲斐性はありませんでしたので、大学は文系に進みました。

 

2.なりたい職業は妥協

こんな経緯で、やむなく文系に変わったので、なりたい仕事、将来といったものについては希望が崩れました。

 

数学の教員が難しいのなら、メーカーでモノづくりできないかとも考えてましたが、文系(経済学部)の学生がモノづくりというのは、難しかった。少なくとも当時は。偏差値の高い大学であれば、まだ違ったのかもしれませんけどね。

 

同級生や、経済学部のOB・OGたちは銀行や証券会社などに就職していました。

わたしは、お金を右から左に動かすだけでお金儲けするというのは肌に合わない。(表現が不適切ですいません。当時のわたしの認識はそうでした。)

 

加えて、ソニー創業者のひとり、盛田昭夫さんの著書「MADE IN JAPAN」(1990年1月発行)に感銘し、「とにかくメーカーに就職する」と決めました。

 

経済活動というものは、物を作り、それを売ることから始まる。お金というものは、それを交換するときの手段にすぎない。ところが・・・(途中略)・・・いわゆるマネーゲームをしている人たちの仕事が反映し・・・(以降略)

「MADE IN JAPAN」より

 

 

盛田昭夫

盛田昭夫



 

 

 

が、繰り返しになりますが、経済学部でモノづくりは難しい。
じゃあ、どうするか。

 

3.営業ならば自分の信じられる会社を

結局、この記事で最も言いたいのはここ。

 

どうやら、うちの経済学部からメーカーに進めそうなのは、営業しかない。

 

営業って苦手なんだよなあ。

人様に頭をさげるというか、へーこらするというか。(これまた、当時のわたしが抱く営業のイメージはこうでした。)

 

でも、営業しかない。

苦手な営業するならどうするか。自分の好きなものなら営業職も務まるかもしれない。

ということで、様々な業界のそれぞれメーカーでもっとも信頼がある、あるいは自分が使っていて信じられるモノを作っている会社を選ぼう。

 

(1)ソニー

当時のソニーは飛ぶ鳥を落とす勢い。日本の技術を世界に轟かせていた先端。

オーディオセットを揃えていたわけではないけど、電器だったらソニーに入りたかった。

幸い、ソニーの採用担当(そこそこ偉い人だったことが、あとでわかった)がうちの学部まで来てくれて、学生数名と話をしてくれました。

 

現代で、同じ業界で選ぶとしたら、Appleでしょうか。

 

 

(2)キリンビール

ビールだったらキリンビール

学生時代、ずっと酒屋でアルバイトしてました。

 

スーパードライが大ヒット。

 

わたしが飲んでいたのは、親父が愛飲していたキリンビール(現在のキリンクラシックラガー)。

「銘柄の指定のないお客さんにアサヒを配達したらこてんぱんに怒られたことのあるアサヒ、なぜこんなにスーパードライが売れるのか?」と、キリンラガーとスーパードライを飲み比べてみました。

 

圧倒的にキリンがうまかった。

ビール業界ならキリンビール、決まりました。

 

(3)ワコール

当時はまだ、男性用下着を作っていなかったと思います。

なので、ワコールは「使っているモノが信じられる会社」ではありませんでした。じゃあなぜワコールか。

 

「オトコ」として、女性用下着への興味はありましたよ、もちろん。

でも、メインの意味がありました。それは、南青山のスパイラルホール。

www.spiral.co.jp

 

当時、メセナが勃興し出した頃だったかなあ。

企業がアート、文化、社会貢献(フィランソロピー)などにも取り組む。

その先端のひとつがワコールでした。

 

営業じゃなくて、文化活動へ取り組む仕事もあっていいじゃないか、と。

 

面接は2次まで進みました。

 

  • 経理をやりたいとは思わないか?」
  • 経理もいいですけど、スパイラルホールのようにワコールが手がけているメセナもやってみたいです」

 

素直に経理を受け入れてれば入社したかもしれないけど、この回答が落選のきっかけのひとつだったんでしょうね。落ちました。

 

面接を待っているフロアには、女性用ランジェリーのポスターなどがたくさん貼られていて、順番が回ってくる間、はずかしくてしょうがなかった記憶が鮮明に蘇ります。

 

 

親父と就活の話をしていて、「ワコールなんて、なんで選んだのか」と否定されました。古い人間でしたから。「キリンビール? それはいい、お前はキリンにはいれ!」いやいや、就職する会社を自分で決められるわけじゃないから。

まあ、それでも、親父と話をすることがほとんど無かった親子(現代ではわかってもらえないかもしれませんが、当時、ど田舎の家族、父親と息子の関係なんてそんなものだったんです)が楽しく会話した記憶がありますよ。

 

4.結果は

前項に書いた企業以外も含め、何社回ったかなあ。

結果、どこに就職したのか。それは内緒ですが、自分の「メーカーなら自分の信じられるモノを作っている会社を」という信念は間違っていませんでした。

 

結局、営業をやることはなく、ほぼずっと総務の人生ですが、総務でも営業でもモノづくりでも。自分の信じられる会社を選ぶ、というのが一番だと思います。

面接官の定番質問、「なぜ当社を志望したのですか?」は、信じられる会社を選んでいれば自然と体の中から答えが出てくるはず。面接官は本音のそれが聞きたいのです。

 

本気なのか、単に面接をこなすだけでうちの会社の面接に来たのか。
志望理由だけで面接は受かりませんが、しっかりした志望理由は必要条件です。

もし入社したら、その会社に勤務できることが幸せな毎日になる、ということもある。
だからこそ、就職活動であまり考えず、数をこなすよりは、しっかり企業選びをせよ。

それが一番の、成功に結びつく就職活動のアドバイスです。

 

何より、自分の好きな企業を訪問できる、その会社の中の人と話ができる。

苦しい就活ではなく、楽しんでました。

 

 

【追記】こんな記事を見つけました。

盛田昭夫の達観。

bunshun.jp