新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

東大、内示取り消しの件で考え込んだ:異動、転勤、内示あれこれ

転勤とか異動の季節ですね。

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内示を受け、あたふたと準備したり、家族に話をしたり。

総務を長く経験しているわたしが、これまで見た風景をアレコレ書きます。

→と書こうと思っていたのですが、よくわからん大学での人事の話がツイッターから飛び込んできたので、そのことも書きます。

 

 

0.プロローグ

 

まず最初に、異動(転勤)が行なわれる順番を書いておきます。

一般的な内容を書きますが、企業や団体によって違いはあると思います。

それと、異動と転勤の違いは、「転勤」は住まいの変更(転居、引っ越し)を伴う「異動」という定義にしておきます。

 

(1)内示

 

当人(異動、転勤する人)の上司、もしくは当人の所属する組織の長が、異動する旨を当人に伝えます。

 

  • 人事部労務課への異動を命ずる
  • 大阪支社営業部への転勤を命ずる

 

ってなもんです。

会社によっては、異動先での担当業務を詳しく説明するとか、異動先での活躍を期待する具体的な事項を説明してくれる場合もあるでしょう。

 

内示を受けた人は家族に話をしたり、家族がいない人も心の準備、身辺を整理したり。そんな時間が必要です。

 

(2)異動前後の職場間の連絡開始

 

たとえば、Aさんが人事部から大阪支社に転勤するとした場合、

 

  • Aさんが大阪支社の仕事を引き継ぐスケジュール
  • 引っ越しをいつにするか
  • 転勤のための事務手続き(本人がやること、総務がやること)

 

などなどを固めていくために、人事部と大阪支社の総務担当者、そしてもちろんAさんと大阪支社の間の連絡などを始めるタイミングです。

この期日になるまでに、本人も総務も手続きを始めちゃいけません。

 

(3)公示、人事通知の掲示

 

Aさんが人事部から大阪支社に異動する旨の通知が、他の社員へ通知されます。

通知の手段はいろいろでしょう。

メール、紙の掲示板への掲示イントラネットでの配信など。

 

(4)異動先への着任

 

Aさんが大阪支社に着任します。

 

 

 

ざっと、こんな感じでしょう。

 

 

 

 

1.会社からの異動命令の拒否は解雇になる

 

異動を命じられ、それを拒否したことで解雇になる。

よく聞く話です。

 

「異動の拒否だけで解雇って、どんだけブラックなんだよ」

 

と感じる方が少なくないと思うのですが、人事担当者からすれば解雇という処分は普通のことです。

ブラックじゃない企業でも当たり前(というのは言いすぎかもしれないけど)です。

 

法律もそこまで保護はしてくれません。(この場合の保護とは、異動を命じられた社員の保護という意味)

 

「解雇」っていうのは、いろんな条件を満たさないとやってはいけないことです。労働者の保護が優先するんですけど、移動命令の拒否は解雇になりえます、十分。

 

もちろん、不当・不合理な異動・転勤はだめです。たとえば、

 

  • 会社の事業にはいっさい関係ない土地への転居
  • 社員の私生活の状況を把握・理解せず、不利な方向で行なう
  • 不当な業務への配転(たとえば、シュレッダーでの書類廃棄だけが

 

などですね。

 

異動の拒否がなぜ解雇までいっちゃうかというと、拒否した社員を処罰しないとなると、異動させることができない事案を生んでしまう→誰もが自分が気に入らない異動を受け入れなくなる→会社は異動をさせられなくなる、って流れですね。

 

逆に、なぜ異動をする必要があるかというと、

 

  • 同じ人物を同じ場所・職場に長く勤務させることで生まれる弊害(成長しない、癒着、不正など)
  • 人材の適切な配置を会社はできなくなる
  • 人の固定化で会社の成長が止まる

 

ここに書ききれないほどの理由があります。未熟、経験が浅いわたしごときではそれらを列記するには非力です。

 

わたしゃ、同じ仕事をずっと続けてます。社会人になってから、その仕事をずっとです。

それでも、自分なりに成長していると、おこがましいんだけど感じています。

その理由は、「同じ仕事でも、場所、職場が変わるだけで新たな課題、困難に出合い、きたえられる。それで成長する」ってことです。

職場を変える、勤務地を変えるということだけでも、人は成長するんですよ。

 

だからこそ、異動させられない状態に陥ったら、企業は終わり。だから、解雇もいたしかたない。

 

もちろん、転勤が意味ない、実体として存在しない、小企業、ひとつの場所でしか行なわれていない事業、複数種類の仕事がないなどの企業、事業体は例外です。

 

 

 

 

 

2.異動が取り消しになったことがある

 

異動が取り消しになったケースに遭遇したことがあります。

 

本人への内示→本人が、前項0−(2)の事業所間の連絡を始める期日の前に社宅の手配をしようとする→社宅を手配する部署から異動の情報が漏れる、、、という流れになり、その異動は結局流れました。

 

直接的なきっかけは、その当人が、まだ社宅の手配の手続きを始めてはいけない段階だったのに手続きを始めてしまったというルール破りを犯してしまったことです。社宅手配部署も、悪気はなく、本人から社宅の手配依頼が出たから動いただけなんですけどね。

詳しくは知らないのですが、当人のルール破り以外にも別の要素があり、それらを総合的に勘案して、異動は流れてしまったようです。

 

異動先で、より良い社宅物件に住みたいと願うのは誰でもです。だからといってフライングはしてはいけません。

 

 

3.東京大学の内定が取り消された案件

 

こんな人事、異動のあれこれをつらつらと書こうと書き始めたこの記事でしたが、その途中でこんな記事を見かけ、捨て置きならないと思い、取り上げることにしました。

 

gendai.ismedia.jp

 

 

東京大学の教職について、内定の取り消しがあったという話。そしてそれは、東京大学に限らず、大学では普通に起きているという話です。

詳しくはリンク先をご覧いただければわかりやすいので、ここでは省きます。

 

内定が決定しても着任までは取り消すことができる

 

っていうルールが存在してるって話らしいです。

 

(1)内定から異動まで時間が必要

 

内定から異動(着任)するまでには一定の時間が必要です。

先に書いたとおり、家族に話をしたり、居住物件を用意したり、引っ越しの準備をしたり、心の準備をしたり・・・。

 

そんなことも考慮せず、着任までは取り消すことができる運用ってなんなんだよって思います。

 

(2)内定取り消し、採用選考に関する指針

 

企業が、内定を出した学生に対し内定取り消しを出したらとんでもない影響があります。その企業は社会からの制裁も受けるし、そもそも労働行政のルールが厳しい中でそんなことはできません。

 

大学って、学生の学業生活を守るために企業側に採用活動の時期を要望して日本経団連が協定「採用選考に関する指針」を作るってことをやっている(今後は廃止されますが)。それなのに、そんな考え方はお構いなしに、教員の採用に関しては、あるべき姿とは全然違うことをやってる。

 

あほか、どんだけ偏差値高くても、やってることはあほか

 

です。

まるで厚生労働省の官僚が、裸の王様に対して忖度し、統計をごまかすなんて馬鹿なことをやっているのにさも似たりです。

 

東京大学にかすりもしない偏差値なわたしですが、もしはいっていたとしてもこんな非人道的なことをやる組織の一員になってない、今のわたしをほめたいね。

 

 

東京大学の今回の事案について、わたしはリンク先の記事の筆者を存じ上げないので責任ある発言はできません。その筆者自身に、採用すべきでない否定的な情報が見つかったとかいったことがあれば別です。東京大学、あるいは他の大学も含め、批判しているのはよろしくないです。そうだとしたらごめんなさいです。