新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

闇営業、宮迫・ロンブー亮の会見をみて感じたことをツラツラと:吉本の終わりの始まりかも

吉本興業所属のお笑い芸人たちが闇営業し、契約解消などの処分を受けました。

その後、吉本以外の芸人にも闇営業の事実があり、彼らも同じように処分を受けています。

会社で人事を担当するわたしが見た感想を。

 

 

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1.闇営業の是非

 

闇営業に関して、民間企業から見ると「副業」「反社会的勢力」ということでしょうか。

 

副業(複業)については、以前は禁止する企業がほとんどでしたが、最近の低賃金や非正規雇用等で収入が相対的に低減していく中で、国もアベノミクスの反省(?)があるのか副業を認めるように考えを変えてきていますので、民間企業も副業を認めている状態に移ってきています。

 

労働時間の問題など、副業にはまだまだ整理すべき課題はあると思うのですが、以前よりは問題視されないようになってきていると言えるでしょう。

 

 

反社会的勢力との関係では大きな問題です。

 

反社会的勢力と関係を持つことは、企業においては禁じられています。

その根拠、考え方は、暴力団の排除からきています。

 

暴力団の活動を根絶させるため、暴力団対策法や暴力団排除条例が制定されました。

要は、暴力団が活動できないように、彼らの活動を制限したり、社会活動から排除するということ。

企業に関していえば、暴力団が経営する企業と取引をして彼らに資金が渡るのは禁じられているし、暴力団が直接経営に関係していなくても、例えば暴力団員の配偶者の経営するスナックとか、個人への利益の供与なども禁じられているのです。

つまりは、暴力団およびその関係者と関係を持ってはいけない。

 

宮迫、ロンブー亮らは忘年会に参加してギャラ(報酬)をもらっているという関係で、利益の供与の逆で問題ないように思えますが、そもそも参加したことで詐欺集団は嬉しいわけで、それ自体が利益の供与、便宜を与えていることになると言えますね。

 

こちらが詳しいです。

 

toyokeizai.net

 

 

 

2.労働条件

 

普通、芸能人と、所属する事務所はマネジメント契約というのを結ぶとのこと。

でも吉本興業はそれをやっていない。これは引っかかります。

 

民間企業では、正社員は書面での雇用契約を結ぶことはほとんどないので、偉そうには言えません。

しかしながら、就業規則、賃金規則など雇用、処遇に関して様々な取り決めが書面で、あるいはパソコン上で示されています。社員(従業員)がいつでも見られるようにしていなければならない取り決めもあります。

 

これが吉本には無く、しかも若手の芸人は低賃金で働かされている。

1日の舞台で、2000円とかって聞きますね。

最低賃金法にも抵触する可能性はあります。

 

「修業だから、労働への対価ではない」という言い訳もあるようですが、その考え方がすんなり通るとは思えません。

 

このような処遇環境においては、特に若手芸人は正式な吉本だけの仕事だけでは成り立たないので、闇営業であっても少しでも報酬を稼ぎたいと発想するのは止むを得ない、と感じます。

 

 

 

3.吉本興業の対応

 

宮迫、ロンブー亮は問題が発覚した当初から、会見を実施したいと吉本興業に要請していたとのこと。

それに対し岡本社長は、「そんなことは許さない。やるんだったら連帯責任で、全員をやめさせる。俺にはその力がある」と言ったとのこと。

 

これは典型的なパワーハラスメント

 

雇用の不安を示すなどパワーハラスメントの要件を満たしていると感じられます。

 

岡本社長というと、まだ下っ端のスタッフだった時代から番組に出演している様子を見ています。会長の大崎氏も見ていました。

その当時の延長からして、どうも彼らが「企業の経営」をできているとは思えない。

 

昔の映像の記憶だけでどうのこうの言う話ではありません。

ま、現在進行形で彼ら経営者が対応している様子も、とても企業のけいえいと言えるレベルではない。

ザブングルが謝罪し、企業自身も謝罪し、謝罪の内容も問題なし(特に、詐欺の被害者の心情にも配慮)、社会的な貢献をすることにし、復帰の時期も整えたナベプロとは大きな違い。

 

 

適当としか思えない吉本興業側の対応と、吉本を離れた後の宮迫とロンブー亮の一生懸命で誠実な会見は対照的でした。

特に、ロンブー亮は、会見の段階では吉本と破断していなかったはずですが、「契約解消された方がいい」と自身の意向をはっきりと主張、偉いとさえ感じました。

 

 

「吉本はファミリーなんだ」という上っ面の言葉で逃げようとした岡本社長の言葉を捉え、「吉本が親なら、子どものわたしたちが謝罪しようとするのを止めるのは親じゃない」と亮が発言したのがファミリー発言です。

 

 

吉本の岡本社長は「在京5局、在阪5局は吉本の株主だから大丈夫」と発言したとも。

メディアを握っている、あるいはメディアから忖度してもらえる吉本だから大丈夫、という意味だったのでしょうか。

んー、コンプライアンスに無縁の会社のようです。

 

 

 

これで吉本興業は、そこに所属する芸人とともに信用を失墜するでしょう。

 

 

【追記】やっぱり、こんな情報が出てきた。