多くの企業で、新卒以外に中途採用をやっておられるでしょう。
新卒よりも中途採用のフォロー、サポートが大事って話をしようと思います。
企業によっては経験者採用などと表現する場合もあるでしょうね。
表現するだけではなく、実際に特定の業界の経験者、あるいは業務の経験者などに特化した採用もしているかもしれません。
新卒の新人はきっと手厚くサポートするでしょうが、中途採用はどうでしょうか。
わたしの経験や考えでは、新卒より中途の方がしっかりサポート、あるいはフォローすることが大事だと思います。
0.前提
以下、特に断りがない限り、学校(大学、高校、短大、専門学校他、全部の学校)を卒業して、社会人経験が無くすぐに企業に入社するのを新卒、一度社会人経験をしてから企業に入社するのを中途入社、中途採用と表現することにします。
1.中途入社のフォローが大事な理由 3個
(1)他社での経験が邪魔するかもしれない
新卒は初めての社会人経験なのだから、自社の仕事や企業理念などを植え付けられる。教育には支障はなさそう。いわば真っ白なキャンバスに自社の色を塗っていけるのです。
何もない土台に人材を作り上げるのは大変ではありますが、無地だからこそ色はつけやすい。
しかし中途採用の場合、すでに他社(会社じゃなければ、他の組織と表現しておきます)の経験があるわけなので、それが邪魔するかもしれません。
たとえば、飲食業経験者が同じ飲食業に転職した場合。
以前の飲食店が、安く手軽な価格で、というお店の経験者が、食事のグレードは高く、おもてなしも最高のものを、それにともない価格も高いというお店に転職したらどうでしょうか。
もったいないと、少しくらい調理で失敗した食べ物もなんとか別の形で活用できないかと普段から考え行動していたけど、新しいお店では完璧に出来上がらなかった食べ物は捨ててしまう、もったいない、「こんな高額な請求をしていいものだろうか」など悩んだりしないでしょうか。
我ながら例えが下手くそでしたが、邪魔することはそこそこあるでしょう、ってことです。
(2)染まっていないことが、むしろチャンス
前項では過去の経験が邪魔するかも、というマイナス面を書きましたが、むしろこの記事全体で言いたいことはこちらが本論。それは、
自社の経験がない人材が、大事な宝
ということです。
民間企業や、行政、自治体など、今やコンプライアンスとは無縁になれない仕事集団。
コンプライアンスを考えた場合、‘自社の色に染まっていない’人材というのはとても大事。
なぜかというと、
うちの会社では常識、でも世間にとっては非常識
という、避けなければならない事態に出合える可能性が高くなるのですよ。
世間にとって非常識な財やサービスを提供する企業なら、考えなくてもいいでしょう。でも、消費生活に密着した業界とか、一般的な消費生活に訴えかけたいビジョンを持った企業には、大事にしたいフツーの人の生活スタイル。
いや、そもそも「そんな企業活動は倫理的に許せない」と評価されたら、どんなに頑張ったって認めてもらえない。例えば、吉本興業とかね。
マネジメント契約を書面では結ばないけど、NSCという研究生的な段階で「何があっても(死ぬようなことがあっても)吉本には文句は言わない」という主旨の契約はしっかり交わしてた、ってのは、一般的には・常識的には異常と思える事象でしょうな。
何がファミリーだって話かよ、って感じます。
安倍政権を素材にするなら、もっと極端な例も挙げられるのですが、ここではやめとく。
いわば、社外取締役ですよ。
自社に染まってなくて、自社とは直接関係のない消費者の感覚を持っている存在だってことです、中途採用の方々は。
わたしが中途採用の方々の入社時に研修で必ず説明すること(お願いすること)は、こんなこと。
皆さんは、昨日まで当社と関係のなかった存在、そして今日から当社の仲間、という、最も一般人(表現が不適切だったらごめん)に近い存在です。うちの会社は、消費者の方々の常識とか考え方を大事にしたい、消費者に寄り添う事業を進めたい。
うちの会社に「おかしい考え方だな」「そんな発想は消費者に受け入れられない」というのがあれば排除したいので、ぜひ正直に発言、指摘してほしい。それが当社の宝になる。
入社した日にこんな話を言われて、「そうですか、じゃあ・・・・・」なんて話をすることはなかなかできないでしょう。
だから、職制・ラインに関わらない、第三者の立場である総務が入社後にヒアリングなどもしてます。
(3)社会人経験をした人物からの指摘は高レベル
前項と同じく、中途入社者の存在は企業にとって価値がある、という話。
新卒は社会人経験がないから、入社研修、入社までの手続き、入社後のフォローなど、人事・総務が担当する業務の受け手としては初めての経験。
だから、「そんなものだ」という理解でしょう。
ですが、社会人経験のある中途入社者は、他の企業(などの組織)での経験があるので、総務のこれらの仕事などの良し悪し、優劣などの評価は比較ができ、厚みも増します。
総務の仕事を客観的に評価してくれる中途入社者。
3.中途入社者の存在に価値を出す、大事なこと
これらの、中途入社者のフォロー、サポートの意味合いをしっかり出すためには、彼ら彼女らから本音を聞き出す環境を作ること。それがなければ、全く意味がありません。
これもフォローのひとつだと思いますが、他の企業等での経験を持って入社してくる中途入社者が「自分たちは、大事な存在、重要な存在なんだ。本音も言える、いや言うべき存在だ」と認識してもらえるための環境づくりが前提です。
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