新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

復帰を申し出てきた、自己都合退職した社員の気持ち

タイトルのとおりです。

自己都合で退職した元社員が、復帰を申し出てきました。

 

 

 

 

1.自己都合退職の事情

 

その元社員には達成したい野望があり、そのためには当社の処遇は足りないようでした。

 

職場の環境に問題は感じていなかったようでしたが、その“野望”のために、彼自身もいろいろ考えた末の退職希望だったようです。

 

 

2.復帰できないか、と申し出てきた事情

 

転職が決まった職場での奮起をわたしも個人的には希望していました。

 

自分の会社の将来有望と感じられた彼を失うのは残念でしたが、社会人としての先輩としては彼の決意や野望を期待していました。

が、結果的には、どうやら彼が期待していた再起動の転職先が、期待した場所ではなかったようです。

 

彼の言い分としては、突然、処遇が変わった(事前に聞いていた話が、途中で変わった)のだそうです。

詳しく聞いたわけではないのですが、労働時間や仕事の内容や分量が増えたらしいです。

 

 

3.コロナの影響?それとも・・・?

 

彼にふりかかってきたこの事態は、コロナのせいなのか、転職先の企業のコンプライアンスレベルの低レベルさなのか。

 

本音としては、彼の存在は脇においておいて、その企業に詳しい話を聞いてみたい。

 

よくある、「入社したら話が違った」話。

その詳細がどんななのか。

 

所定労働時間は7時間と聞いていたのに、実際は8時間だった

残業は平均20時間と言われていたのに、入社したら30時間だった

クレーマーはいないという話だったのに、おかしな要求をする客が多くて対応できなかった

 

彼の新天地での仕事は知らないです。

「話が違う」話も詳しくは聞きません。

が、

話が違う

にはいろいろなレベル、深刻度があるように想像します。

 

 

考え、志向の甘さで道を間違えてしまった、とは思いたくない彼の将来を、心配はしています。

 

 

 

※定期発信:内田クレペリン精神検査受験者、攻略本などは不要です

 

 

 

 

コロナ担当大臣が経済再生担当大臣でいいのか:文句を言わず,まんじゅうを2つに分ける話

まんじゅうを2つに分ける、というなぞなぞ、聞いたことありますか。

 

子どもがふたり、まんじゅうは1つだけ。

ふたりの子どもが文句を言わずまんじゅうを2つに分けて食べる。

親のあなたは、どうしますか?

 

そんな問題だったと思います。

 

 

 

1.まんじゅうの答え

 

わたしが聞いた答えは、

 

2つの役割を作り、どちらの役割をとるか希望を聞き役割分担させる。

ひとりにはまんじゅうを2つに分ける役割(権利)。

もうひとりには、分けられたまんじゅうを選べる役割(権利)。

 

ひとりがまんじゅうを2つに分け、もうひとりが選べることにすると、分ける方も真剣にきれいに2つに分けようとする。

そういうことで無事解決、というわけです。

 

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このなぞなぞの前提は、

ふたりとも、まんじゅうをより多く食べたい。だから、わざと大きく分けて大きい方を食べたい欲望を持っている。

ということです。

 

現実的に言えば、「正確にまんじゅうを2つに分けることはできない」と子どもたちが分かっているなら、分けるほうじゃなくて分けられたほうを食べる権利を選ぼうとすることはあるとは思います。

子どもの年齢が高ければ特に。

 

ま、とにかく、このなぞなぞで言いたかったのは、役割を分担する、ということです。

 

 

2.企業での役割分担

 

企業でも役割を分けることはします。

しかも、ガバナンス、内部統制が働くように。

 

たとえば、取締役と執行役員

取締役は会社の方針を決定し、執行役員はそれに従い業務を執行する。

 

物品や工事等の発注(購買、調達)と、検収・支払いは必ず担当者、部署を分ける。

両方を同じ社員、同じ部署が担当すると、不正・癒着が生まれますので。

 

人材育成と人事・考課も分けます。

 

他にもたくさんあります。

 

現実的には、企業の規模や業種、経営状況などにより同じ部署が行なっている場合はあると思います。

 

 

3.コロナ担当と経済再生担当

 

が、政治・行政となると、安易になってはいけないと思います。

経済再生担当大臣がコロナ担当大臣(新型コロナウイルス感染症対策担当大臣)を務めてもいいのでしょうか。

言い方を変えれば、経済再生担当大臣にコロナ担当大臣を任命してもいいのでしょうか。

 

よくないと思います。

 

 

コロナウイルスを封じ込める、流行させないようにするためには、経済の再生を犠牲にしなければならない。そういう本質的な違いがあります。

もちろん、全て我慢しなければならない、とは思いません。

経済活動の最低限の維持はしないといけないとは思います。

が、本質的な意味合いとしては違うはず。

 

もともと厚生労働大臣には、公衆衛生、医療、国民の福祉などの役割があるんですから、厚生労働大臣が担当すればよかったはず。

 

 

ま、少なくとも菅内閣、あるいは現在の自民党、与党が適正な役割分担のもとに仕事をしたとしても、問題のない政治・経済となるかどうかはわかりませんが。

 

 

【追記】2021/07/10

ほら、言わんこっちゃない。

経済再生とコロナ、本質的に相容れない。

 

 

 

 

【追記】2021/07/14

迷走続ける菅政権。

酒販売を規制しようとして反発されたら「酒の販売事業者への支援金を拡充」と。

どこまで臆病なのか無能なのか。

とっととお辞めになったらどうか。

もちろん、トカゲの尻尾切りだけではなく、西村大臣の上司も。

 

bunshun.jp

 

 

 

 

 

 

傷病手当金に注意:人事・労務担当者が気をつけるべきこと

この記事は、傷病手当金という制度に関して、採用担当者が気をつけるべきことという角度から書く記事です。

傷病手当金という制度の性格上、福利厚生、社会保険の担当の方にももちろん関係はするので、読んで無駄にはならないとは思います。

 

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1.傷病手当金について

 

まず、傷病手当金とは何かを書いておきます。

 

傷病手当金とは、私傷病により仕事を休む場合で、給与が支払われない分、その給与の一部(おおむね3分の2)を受給できるというものです。

健康保険組合が支給します。

 

私傷病とは、プライベートの病気やケガのこと。

仕事中の災害・病気や通勤中のケガは、それぞれ労働災害、通勤災害として労災保険法から支給されますので、対象外です。

 

仕事にまつわる病気やケガは労災保険が救ってくれますので、それによって救われないものについて健康保険が面倒見てくれる、というものです。

 

 

(1)支給額

先に書いたとおり、支給額は給与の3分の2と考えてください(厳密には少々ややこしい計算になりますが)。

 

(2)支給期間

支給の対象となる期間は、仕事を休み始めてから4日経った日の分からです。

5月31日(月)から休み始めたとしたら、6月3日(木)の日からが支給対象となります。

もちろん、休んだ分が支給対象となりますので、仕事に復帰して給与が支給されるようになったら、傷病手当金は停止します。

 

ずっと休んだらずっともらえるか、というとそうはいきません。

最長で1.5年です。

 

 

2.何が問題か、わたしの失敗談

 

傷病手当金について何が問題か、を理解していただくのに、わたしの失敗談を聞いていただくのが一番と思いますので、恥を忍んでご紹介します。

 

 

(1)不支給決定

社員Aを中途採用

入社から2ヵ月ほど経過したところで、体調不良に陥り「もう出社できません」と申し出てきました。

その原因のひとつが会社側の対応の不備にあったこともあり、その不備を改善することを約束して、彼には退職を待ってもらうことにしました。

 

入社したばかりで年次有給休暇はありませんので、病気欠勤。

会社は傷病手当金の受給をすすめ、手続きを行ないました。

医療機関の診断は「●●症」。

 

健康保険組合に申請しても支給までには時間がかかります。

健保はレセプトや医療機関への問い合わせも行なった上で決定しますので。

そこで当社は、傷病手当金の一時立て替えを行なっています。

彼にもそれを適用することとなりました。

 

約3ヵ月後、健保が支給の可否を確認する作業を開始。

医療機関、社員A本人、過去に在職した企業の健保等にも問い合わせた結果、不支給と決定しました。

 

社員Aに立て替えて支給していた傷病手当金は返還してもらう必要があります。

復帰を目指して彼もその気になっていましたが、当社の給与水準では返還が難しいということで他社に転職することとなり、当社は退職となりました。

 

(2)不支給の理由

なぜ不支給となったか。

 

彼は当社に入社する前の会社(の健保)で、すでに傷病手当金を受給していたのでした。

●●症で、です。

傷病手当金の受給期間は最大1年6ヵ月というのは上掲したとおりですが、その最長期間を受給、その後もしばらくは治癒はせず、治癒後に復帰。

復帰してから数ヵ月程度勤務したようですが、そこで退職していました。

 

復帰してからしばらく経てば、その後再度傷病手当金を受給できるケースもあるようです。

が、しかし、社員Aにはそれが適用されませんでした。

復帰が数ヵ月だったからです。

 

 

 

3.反省すべきこと

 

ツッコミどころ満載のエピソードですが、反省も含めひとつひとつ書いていきます。

 

(1)採用にあたって

採用試験、受験者側からすると転職活動ということになりますが。

受験者は、採用担当者や面接官に対し、「自分は採用されるに値する応募者」ということをアピールします。当然です。

なので、自分の傷病歴は隠そうとするでしょう。

 

採用試験において、採用したくない要素を持つ病気をしていたかどうか、採用担当者は可能な限り見極めたいところです。

 

社員Aの転職のきっかけとして、面接時に話していたのは彼の家族の事情によるものでした。

が、傷病手当金不支給の件でわかったのは、彼自身が病気していたという事実でした。

 

これがわかっていれば、傷病手当金立替の返金というトラブルの発生を未然に防ぎ、病気からの回復もできたかもしれません。

そもそも採用という判断をしなかったかもしれませんが。

 

最悪、採用の際に虚偽を働いたことで就業規則違反→解雇となる事例でもあります。

今回の場合、それも適用していい事例でした。

 

(2)傷病手当金申請

間違って採用したとしても。あるいは問題なく採用できた社員であったとしても。

 

傷病手当金の申請にあたっては、申請する社員に「過去に受給したことはなかったか」「病欠から復帰したのはどれくらいの期間だったのか」等をしっかり確認する必要があります。

 

今回、社員Aは隠そうとしました。

なんせ、採用試験の際に隠したのですから、嘘がバレることになることを恐れたわけです。

 

 

4.結果

 

当社の対応として、傷病手当金の会社としての立替は、原則行なわないこととしました。

また、採用試験としてもより慎重に判断することとしました。

 

 

 

 

さざ波:人格的に問題を感じるような人物が増えている実感がある、政官

さざ波

 

内閣官房参与高橋洋一氏が、人格を疑うような発言。

  

 

 

上の引用ツイートがなくなるかもしれないので、キャプりました。

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高橋洋一、さざ波ツイート

 

 

この件で、人事労務的な視点からひと言。

 

 

その昔、民間企業には、奇抜というか、常識・ものさしから外れるような人物が多かったように思います。

 

営業社員にポケベルを常時携帯させ、拘束する

上からの連絡には24時間365日反応しなくちゃいけない

1次会の飲み会(オトコだけ)は呼ばないのに2次会にだけ女性社員を呼びコンパニオン扱いする

 

現代社会では、いずれもコンプライアンスに関して問題になりうる事象でしょう。

 

わたしの勤務する職場(会社、グループ)でも、時代の変遷やコンプライアンスの観点からの淘汰もあって、こういう人物はいなくなった&そういう人物は登用されなくなった(昇進しなくなった)という経験をしています。

 

そういう経緯を経て、民間企業のトップ、幹部には、人格的に立派な、評価される人物が並ぶようになった印象があります。

(今でもいるのはいるように思いますが・・・、)

 

 

それと比較して、政官の世界では、逆におかしな人格と思える人物が増えているように感じます。

 

 

冒頭に書いた高橋洋一氏、彼の上司である菅義偉首相、スガシの前任の安倍晋三氏・・・。

枚挙にいとまがないですね。

(「まいきょにひまがない」と誤って読む人がいないように、ひらがなにしました)

 

「個人の発言にコメントしない」

という主旨の発言を菅首相はしたらしいですが、「内閣官房参与の発言」にコメントしないのは、上司として失格、無能です。

高橋氏のマネジメントもできないし、ましてや日本の舵取り、コロナの封じ込め・東京五輪のナビゲートもできるわけない。

 

 

おかしな人物にマネジメントされている企業、職場にいるヒラ社員はたまったものじゃありません。

 

同じように、おかしな政治家をかかえる国民もたまったものじゃあありません。

選挙権の行使にて行動することはできるんですが、ね。

 

 

 

広田弘毅

広田弘毅

  • メディア: 単行本
 

 

コロナ禍の就職の難しさ:CAたち、車販売店

すべての責任をコロナに押し付けるわけにはいきません。

でも、就職活動、あるいは仕事を続ける・雇用が継続されるのは難しい、としみじみと感じた出来事を当事者に代わってご紹介します。

 

 

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1.航空会社社員が自動車販売会社に出向

 

航空会社社員が自動車販売会社に出向する、というニュースが報じられました。

 

mainichi.jp

 

コロナで売上が大きく減少した航空会社。

客室乗務員含む多くの従業員が出向を命じられ、出向先で活躍する・しているという情報は多く報じられましたね。

 

その中で、航空会社とレクサスという関係は合っているなあ、と思いました。

 

レクサスは、車の品質だけではなく、販売店などでの接客、おもてなしも普通じゃないという話は聞いたことがあります。

(残念ながら、わたしはレクサスユーザーではありません。)

 

おもてなしに優れている航空会社社員の出向先としては、ピッタリだな、と。

 

また、リンク先の記事にありますが、レクサスも「日本航空に追いつけ」とがんばっていたとのこと。

見事なマリアージュだな、と思えます。

 

 

 

2.居酒屋のアルバイト店員

 

このニュースを、わたしは評価しました。

そう思える理由が、上記にあげた以外にもあります。

 

 

時々ですが通っていた、とある居酒屋。

外出自粛が少し緩和され、「一人飲みだったら許されるだろ」と昨年秋、久しぶりに飲みに行きました。

 

雑談することもあった、アルバイト店員さん。

 

「就職が決まって、このお店でアルバイトするの、今月で最後なんです」

 

「へぇ、そうなんだ。よかったね!」

 

就職が大変な状況に陥った2020年。

就職が決まってよかった、と思ったのと同時に、接客がしっかりできてて、しかも笑顔がかわいい(表情という意味で、素敵な笑顔もおもてなしの一面だと思いますが)彼女と会えなくなるのが残念に思ったのも事実です。

 

「専門学校に通ってるって話したことありましたよね。実は客室乗務員になるための学校だったんですけど、コロナ禍で就職が難しくなって、航空会社はダメだったんです。でも、自動車販売会社に就職できることになったんです」

 

なるほど。

その会社はおもてなし、接客なども含めたサービス全体を売りにしていると聞いている。

彼女なら、そして客室乗務員になるために学ぶ人材ならぴったり。

 

「学んだことが生かされる職場だね。しかもあなただったらピッタリだよ」

 

この話が、昨年10月です。

 

レクサス⇔航空会社

 

の話を、先に知っていたというかなんというか。

 

 

3.コロナ禍で「禍福はあざなえる縄の如し」

 

居酒屋のアルバイトは、客室乗務員になれなかったのを残念に思ったでしょう。

でも、彼女の勉強や想いは生かされる。

 

しかも、彼女の就職から数ヵ月後、彼女は航空会社からの受け入れをする側にいることになりました。

 

 

禍福はあざなえる縄の如し

 

というか

 

人間万事塞翁が馬

 

というか。

 

 

レクサスも、日航も、日航以外の航空会社も、みんながんばれ。

 

 

おしゃべりができなければ話にならない、管理職昇格

4月の昇格に向け、この2月に多くの企業では昇格試験は終わり、合否が決定したところでしょう。

これから面接を受ける、という方がもしおられたら、最後の追い込み・準備として参考にしていただければ、と思います。

 

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1.まずは会話

 

今日お伝えしようと思うのは、おしゃべりです。

 

「コミュニケーション」というような高尚なものではなく、おしゃべり。

いわば「会話」と言ってしまいましょう。

 

 

もちろん、コミュニケーションは大事です。

こちらにも書きました。

 

でも、その大前提で、会話ができなければ何も生まれません。

コミュニケーションを充実させるための基本は、おしゃべり、会話ができることです。

 

 

2.基本は会話

 

職場での雑談、同僚とのやりとり、上司や部下とのおしゃべり・仕事の指示や説明、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)などなど。

 

仕事はほぼすべて、会話から成り立っています。

いや、仕事じゃなくても、人の生業(なりわい)、生活は、他人との関係性。おしゃべりです。

 

 

3.昇格試験(面接)

 

会話が大事なのは、昇格試験(面接)でももちろん同じ。

 

こちらの記事も参考にし、面接の準備をしていただきたいと思います。

が、その前提として、会話、おしゃべりです。

 

 

4.「沈黙は金なり」は古臭い考え方

 

  • 自分の仕事に集中し、一言もしゃべらない
  • 「沈黙は金なり」だ
  • 雑談は仕事のじゃまになる

 

という価値観を押し付ける無能管理者が未だに存在するようです。

幸い、わたしはそのような人物、職場に出くわしたことはないですが、あるとき

 

「昔、このオフィス、●●さんがこの職場にいた頃は“おしゃべりはうるさい”などと、雑談を許さない雰囲気だったんです」

 

という話を聞いたのです。

こんな価値観は古臭い。というか、あってはいけない考えです。

 

雑談しましょう。おしゃべりしましょう。

特に、管理職たる者、他人を巻き込んで仕事を組織的に進めようというサラリーパーソンはおしゃべりしなきゃダメ。

 

おしゃべりに慣れてなければ、業務命令にしてもアドバイスにしても、仕事に関係のない雑談にしてもできません。

 

 

 

超一流の雑談力

超一流の雑談力

 
人は話し方が9割

人は話し方が9割

 

 

 

ひとりの社員さえも救えなかった話

【更新】2021/02/12

初稿時は感情にまかせて書いてしまいましたm(_ _)m

 

 

怒りを感じることは、訓練や経験でしないようになった、大人なわたしです。

が、今日ほどにイライラ、怒りを感じたのはふた桁年ぶりかもしれません。

 

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1.イライラの対象は菅・森ではない

 

イライラしている対象は、菅(や、その息子)や森ではありません。

もちろん、彼らに対する怒りがゼロ、ということではありません。

 

  

2.社員1名を救えなかった話

 

わたしのイライラは、うちの会社の社員1名(以下、Aとします)を救えなかった、という話です。

 

最初にこの記事を書いたときには、うちの会社の人事総務の責任者の要素が強く、イライラしました。

が、気持ちを落ち着かせ、Aの将来を考えた場合(それはすなわちひとりの人間としてAを見た場合、ということ)、彼の前進を喜んでいます。

 

 

 

3.しっかり話をきいてきたのですが

 

Aがある日、わたしの携帯に電話をしてきました。

「もう出社できません」

と。

 

彼は嗚咽しながら、自分の体調や出社できない事態に至った事情、経緯を話してくれました。

そしてその後、現在に至るまで3ヵ月超、電話・直接の面会含めふた桁回数やりとりをしてきました。

 

Aが訴えた宛先、対象は様々。

会社の対応のまずさに起因する出来事、彼自身に由来することなど。

そのひとつひとつについて、会社ができることは丁寧に対応し、彼自身に由来することは彼に期待し「仕事や会社のことは心配しなくていいから、まずは体調の快復に専念を」と、Aの体調回復を待ちました。

 

※「彼に期待する」といっても、「ガンバレ」「君のこういうところは直した方が良い」などと言うことはしません。彼の話をきくだけです。“話すことは放す”を信じて待つのみです。

 

 

 

そこへ、とあるトラブルが発生します。

そのトラブルは、誰が起こしたのか、どんな目的があったのか、誰がどんな得をするのか等。

我々は可能な調べ、想像しましたが、わかりません。

関係者にも聴き取り調査を行ないましたが、わかりません。

 

結果的には、そのトラブルがAの前に大きく立ちはだかる壁となりました。

 

 

4.退職します

 

Aからの電話でした。

 

 

そのトラブルが原因で、我々の会社に復帰するイメージがわかず、他の道を選ぶことにした、と。

 

Aが当社に復帰するのではなく、他の会社に契約社員の形で復帰することにした、と。

 

彼が当社に入社した頃、フィアンセがいて、結婚を予定していたそう。

でも、今回の病欠で、その話はなくなったのだそう。

Aの言葉を借りれば「すべてを失ったまま、何もできないでいるのが情けない」として、主治医からの「まずは一歩を踏み出してみたら」との言葉に、別の道を選んだのだそうです。

 

 

わたしは残念でした。

彼が当社ではなく他社を選んだこと、体調不良であればまずは回復に専念を、とお願いしたにも関わらず、想いが届かなかった。

他の道に一歩踏み出す勇気があるのであれば、なぜ当社を考えなかったのか、と。

 

 

わたしがAに、「うちの会社に復帰しろ」と引き戻そうとしたことはAのためではなかったかもしれない。

他の道を選ぶ、一歩踏み出すことができる場を彼が見つけられたのは、それがよかったのかもしれない。

 

結婚が破断になり、眠れなくなり、食欲もなくなり、人生のどこに希望を抱けるのかを探ったA。

部屋から一歩も出られない日々が続き、それでも前に歩んでいく気力が生まれたこと。

それを良しとしよう。

 

 

 

 

うちの会社の責任としてAを救えなかったけど、彼を我が社の一員として再び迎え入れることはできなかったけど、彼が一歩を踏み出したことには安心し、ホッとし、彼の力を感じました。

なぜなら、悲惨な結末を迎えた社員(Bとします)がいたのです。

 

Bは、一人暮らししていて、仕事もある程度はできていたのですが、病気の症状が重くなり、病欠。

親がドアを開けて食事を差し入れ、トイレ以外は部屋から一歩も出ないという生活に陥りました。

そして老親は亡くなり、Bがどうなったのか、わかりません。

 

 

Aには「俺は、うちの社員の一人としてだけではなく、一人の人間としてあなたを見守る。できることは限られるけど、困ったら話をしてくれ」と伝えました。

 

Aは自ら一歩を踏み出そうとしています。

 

プロ経営者よりも立派です。

蔑視発言もしない、誠実な信条を持っています。

 

Aの回復、成長した姿に再会できる日を心待ちにしています。

 

 

 

吉本隆明  “心”から読み解く思想 (フィギュール彩)

吉本隆明 “心”から読み解く思想 (フィギュール彩)

  • 作者:宇田 亮一
  • 発売日: 2014/10/16
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Aの退職というストレートパンチをくらってヘトヘトしているわたしに、菅や森というボディーブローが効いてくる。

情けない・・・。

 

 

 

 

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