新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

退職にまつわる仕事:自己都合退職

ブログを始めてまだ間もないというのに、もう退職の話。

このブログの更新ペースが遅いのは、他でもないわたしの怠慢のせいですが、その直接的な原因は、まさに退職に関する突発的な仕事をしていたからです。

 

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この多忙を無駄にしたくない、ということで、退職に関する記事をメモしておこうかという次第です。

 

 

 

1.今回は、自己都合退職

 

退職という形にもいろいろあります。

今回は、社員自ら退職を申し出る自己都合退職というケースをご紹介します。

 

 

 

2.実は少なくない、管理職への退職の相談

 

管理職になると、それまでとがらりと変わるのが、情報の量。

管理職と管理職じゃないポジションの差は、情報の量の差と言っても過言ではない、と思います。

 

その情報も、仕事そのものの情報もあれば、ひと・人事に関する情報も集まってきます。

集まってくるひとの情報のひとつが、退職に関する相談。

 

退職を希望するその原因が管理職、いわゆる上司にある場合。

たとえば、上司(リーダー、マネージャーなど、会社によって呼称は様々)からのセクハラ・パワハラがひどいから辞めたい、という場合、その上司に相談が届くことはないですが、そうではなく、会社に辞めたい原因があるわけではない場合、上司、いわゆる管理職の立場にいる社員に退職の相談がいくケースは多いでしょう。

 

最初に退職の相談を受けたのが新米管理職であるあなただった場合、どうしますか。

以下の事柄に留意して、相談を受けましょう。

 

 

 

 

3.退職の相談を受けるときのポイント

 

(1)傾聴できく

 

相談してきた部下が大事なあなたは「退職なんてバカなこと考えず、これからも頼むよ」という気持ちを持つでしょう。

 

退職を相談してくるときとは、その部下は相当にいろいろなことを考えた上での発想でしょうから、しっかりと話を聴いてあげるべきです。

しっかりと、耳を傾け、相手の話を否定することなく受け入れる、それが傾聴ですよね。

 

「受け入れる」とは相手の言うことを全部承認する、ということではなく、自分の反論や相談してきた相手の話をさえぎって自分の希望を主張するということはせず、とにかく相手の話をしっかり聴くということです。

 

(2)退職の理由は何か、想像力を働かせて聴く

 

退職に思い至った理由を聴くときは、部下である相手が話した言葉を確実に聴くのはもちろんですが、もしかしたら部下がしゃべったこととは違う、本音の理由が隠れている場合もあります。

ですので、傾聴のスタンスで聴くとともに、部下がしゃべっていることだけがすべてではなく、その奥には別の何かがあるのではないか、という想像力を働かせることも必要です。

 

高い確率で、最初に話した退職の理由とは違う別の理由が、退職を考える重要なきっかけになるケースが多いです。わたしが遭遇した経験では。

 

最初の相談が来るわけですから、まずは相手の話を、否定することなくしっかり聴き取り、その話の向こう側には別の真理があるのではないか、と想像力を働かせる。

管理職にはそんなスタンスが必要になると思います。

 

(3)相談された事実は、可能な限り他言しない

 

相談された部下からなんらかの要望があれば別ですが、多くの場合、相談された事実は他言しないのがいいでしょう。

 

退職というのは一大事。その相談をされたとしたら、大きなファクターを握っているということ。その情報が、相談してきた部下の知らないところで広がるのは、その部下を大事にしていないこと。情報が漏れると、その部下が立場を悪くします。

 

相手が退職の意思をどこまで話しているのか。

家族までか、同じ職場の仲のいい同僚まで話をしているか、誰にも伝えていないか等々。それも確認しながら情報はしっかり管理してください。

ずさんな管理のおかげで、相談してきた部下はもちろん、あなたの立場も悪くなる可能性があります。

 

あなたに、信頼できる人事労務の担当の同僚がいるなら相談してもいいかもしれません。でも、それも相手、つまりあなたの部下の許可、容認があって初めて行なっていいことだと思います。

 

部下からの退職の相談が、もしかしたら自分がマネジメントしている職場の改善のヒントになるかもしれません。

しっかり話を聴いてみましょう。