新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

サマータイム制で得するのは誰もいない、安倍首相でさえ

東京五輪で、夏の暑さを回避する対策としてサマータイム制導入の是非が検討されているようです。

推進、あるいは前向きなのは五輪委員会、東京都、安倍首相およびその周辺だけで、多くはサマータイム制に反対という声が大きいような気がします。

サマータイム制について、知っておきましょう。

 

 

 

1.サマータイム制の基本

 

簡単に言ってしまうと、時計の針を、本来の時刻より進めることです。

現在、東京五輪のために検討されている「2時間のサマータイム制」を例にすると、
サマータイム制を開始する日から、全国のすべての時計の針を2時間進めます。
どういうことかというと、実際には午前5時である時刻を午前7時とすることになります。

サマータイム制とは、たったこれだけのことです。

 

 

2.サマータイム制の考えられる効果

 

サマータイム制のおおもとは、たったのこれだけ(時計の針を進める)ですが、これがどういう効果を持っているか、というと。

たとえば、普通のサラリーパーソン(サラリーマンのこと)の仕事の時間が9時~18
時だとすると、サマータイム制を導入することによって、9時~18時は変わらないけど、実際の時刻は7時~16時となるので、サマータイム制じゃない時期(以降、非サマータイム制)よりは2時間早い時間帯に仕事をする、ということです。

 

このことで得られる効果があるとすれば、

 

  • 夏には、比較的涼しい時間帯での仕事となる
  • まだ明るい時刻に仕事が終わるので、残った時間(余暇時間)を創出することができる
  • クーラーをつける時間帯が早まるので、省電力(エコ)になる

 

といったことでしょう。

 

オリンピックに関して言えば、たとえばマラソンのスタート時刻を午前7時と設定していたとすると、サマータイム制を導入することで、スタート時刻は「午前7時」で変わりませんが、実際には午前5時のスタートとなります。

そのため、暑い時間帯を避けてのレースとすることが可能となります。

 

※オリンピックに関しては、スタート時刻の変更をするだけの目的なら、サマータイム制の導入は必要ではなく、単にスタート時刻を早めるだけでOKな感じがしますし、実際、サマータイム制導入に反対する人たちはそのように主張されてますね。

サマータイム制への批判は、後にも書きます。

 

 

3.サマータイム制の弊害

 

いいことばかりのような気がしますが、そうでもないようです。

 

 

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(1)残業が増える

 

日本人の昔からの働き方、習慣では、表面上の18時、実際には16時に仕事が終わったとして、そこで「ハイ、退社」となるでしょうか。

今でさえ、仕事が終わったらさっさと退社なんてことはまれでしょう。結局は、実際の18時とかまで仕事するんじゃないでしょうか。だとしたら、サマータイム制は残業を増やすだけの制度のような気がしますね。

 

上図をご覧ください。手書きで描いた黒い線の部分、余暇を増やそうとする部分ですが、日本人は余暇時間を増やすということはしないと思います。譲っても、する人は少ないと思います。

 

過去に、平成にはいったあとでも、日本でもサマータイム制が検討されたことがあるようですが、結局導入に至らなかった理由の1つは、「残業が減らない」だそうです。

(公務員の仕事をしていた頃、職場の先輩から教えてもらいました。)

 

 

結局長く仕事をすることになると、オフィスの稼働時間帯は変わらない(むしろ長くなる)ので、電力消費を減らすこともできません。

 

(2)睡眠のパターンが乱れ、体調を崩す

 

あなたの睡眠のパターンは決まってますか。バラバラですか。

多くの人間の睡眠パターン(何時に寝て何時に起きる)がほぼ定まっていると思います。

 

わたしなら、22時~22:30の間に寝て、5時~5:30に起きるというパターンです。


 

サマータイム制を導入したからといって、いつもより2時間早く起き、いつもより2時間早く寝ることが可能でしょうか。

慣れれば可能かもしれませんが、慣れるまでに時間がかかり、慣れたころにはその年のサマータイム制は終わっちゃうんじゃないでしょうか。

 

そもそも睡眠時間帯を動かすのは、身体によくないような気がします。

睡眠に若干の障害があり(「睡眠障害」という病名が付くほどではないですが)、睡眠をしっかりとる必要があるわたしは、なんらかの影響があって眠りにはいる時間が早かったり遅くなったり、あるいは起きる時刻が早まったりすると、体調が狂います。

それが、2時間も影響があるのですから、影響は深刻だということが簡単に想像されます。

 

 

ベンジャミンさん(@benjamin_justic) がツイートしてくれています。

百に一つのいいこともありません。

 

トップに立つと、自分の成果としていろいろ制度とかシステムを変えたがる、という話を聞きますよね。

安倍首相がそういう発想なのか知りませんが、日本を、オリンピック出場者を苦しめることになるサマータイム制は、

安倍さんは何もわかってないなあ

という、他の施政と全く同じ感想を抱く項目のひとつでしかありません。

 

 

追記

大変力強い、説得力あるツイートを埋め込みます。