新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

好感を持たれる面接は絶対条件なのか、迷う

今回の記事は、受験者・求職者・転職活動者ではなく、企業の採用を担当している皆さんへのエール的な内容となっております。

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面接について偉そうな記事ばかり書いているわたしですが、先日経験した採用面接はいい仕事じゃなかったな、と反省している話をご紹介します。

 

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とある採用面接

 

先日、とある採用面接(中途採用)を実施しました。

順番が最後になったとある応募者。かなりの確率で不合格になる面接結果でした。

他の応募者と比較し、過去の経歴やスキル等で差があり、不合格とせざるをえない方でした。

 

質問→回答に若干の不器用さはあるものの、一生懸命答えようとする姿勢は評価されましたが、そこまででした。

 

順番が最後でしたので、見送る際に先方から面接とは直接関係のない質問があり、それに答えるやりとりから、短時間の雑談になりました。

不合格になることはほぼ確定していましたので、

 

不合格になっても、当社に対して悪い印象を残さないように

 

という想いでこちらも丁寧なやりとりをするよう心がけて対応しました。

 

 

 

 

多くの採用面接が、合格する確率が低いですから、不合格になった方に悪い印象を残さないように、採用担当者は心がけていると思います。

 

あの会社、俺を落としやがって。絶対あの会社の商品、買ってやるものかヽ(`Д´)ノプンプン

ってなことにならないように、ですね。

 

わたしの会社はモノを売る会社じゃないので、消費者が買う買わないという話にはならないのですが、それでも気持ちは同じです。

 

 

数日後、不合格の旨の電話をしました。

その電話でも丁寧さを心がけ、それでも不合格の旨はしっかり伝えました。

相手の不合格を残念に思った反応はこちらにも伝わってきました。それでも丁寧にやりとりをされてました。

 

 

不合格者から贈り物が届く

 

その数日後のことです。

冷やしたまま運ぶ宅配便(いわゆるクール宅急便)でモノが届きました。発信者はなんとその不合格になった応募者。 

冷菓とともに、丁寧に書かれた手紙がはいってました。

 

面接での丁寧な対応と、面接終了後の雑談で、わたしや会社により好感が持て、お世話になったとの気持ちを届けたかった、という主旨でした。

 

んー、困りました。

当社は、下請法やらコンプライアンスやらなんやらで、取引の有無にかかわらず、贈り物は受け取らない方針です。持参されても主旨を説明して受け取らなかったり、場合によっては返送もする勢いです。

社員間の年賀状もとうの昔に虚礼廃止ということで無くなっています。

 

そんなことからも、対応に苦慮しました。

が、クール便であること、返送するのも失礼にあたると感じられたことなどから、返送しないこととしました。

その応募者に電話でお礼の思いを伝えました。

 

相手も、送ったあとにしまった、と反省したとのこと。企業が贈り物を受け取るのはあまりやらない、ということをわかっておられたようです。しかも、面接の不合格者から贈り物が届いたら、贈られた方も困るということも。

合格、不合格、どちらにしてもこのようなことは行なわれるべきではありません。

 

 

 

反省すべき対応

 

このケースは特殊な事例かもしれませんが、起こるべくして起きたといってもいい事象です。

普通じゃないのはその不合格者ですが、わたしの対応も丁寧すぎたという意味では反省すべき点があったと思います。

 

恋愛で、どちらか(男性としておきましょう)が相手の女性に飽きて別れたくなった。でも女性は違う。

そんなとき、男性側は女性側に嫌われるような方法で別れる、それが女性側を傷つけないやり方だ、などと言われます。(もちろん、男女が逆の場合もしかり)

未練を残さないよう、わざと嫌われるような方向に持っていって、後腐れがないようにする。

 

今回の面接を恋愛にあてはめるのは極論かもしれませんが、丁寧さが度を過ぎるとよからぬことが起きる、という可能性を感じた一件でした。