COVID-19の影響で考案された、フリーランスへの給付金4100円について、過去に見聞したこと
COVID-19(新型コロナウイルス)の影響により、収入等が減った人たちに、安倍政権が立ち上げた「給付金4100円」という政策。
これに関連して、わたし個人が、過去の見聞した情報をご紹介します。
1.4100円の計算根拠
フリーランスの補償が4100円なのは1日4時間労働としての計算なのを知る
— わたなべりんたろう (@RintaroWatanabe) March 10, 2020
放送中の『グッド!モーニング』より#新型コロナウィルス pic.twitter.com/VRTkujiqdM
4100円の計算根拠がツイッター(その元はテレビ)で紹介されていました。
厚労省担当者によると、
東京都の最低賃金 1,013円 x 4時間≒4,100円
だそうです。
1,013円は良いとしても、なぜ4時間なんでしょうか。
フリーランスは4時間程度、半日程度(労働基準法に定められる、1日あたりの労働時間上限の8時間の半分)しか働いていない、とでも思っているんでしょうか。
引用したツイッターでは、厚労省担当者は明確な回答ができず、となってます。
はっきりした根拠はないのでしょう、なぜ4時間なのかが。
まあ、一般人には理解不能な計算根拠です。
2.よみがえる記憶
昔話で聞いたことがある情報です。
中央官庁には、民間企業の労働者を役所に出向させ、公務員と同じ仕事をさせるという制度があります。
官庁によって呼び名などは異なるかもしれませんが、わたしが聞いたのは「委嘱調査員」という名称でした。(便宜上、以降「いちょう」と略します。)
この制度が、今回の4,100円の騒動によって思い出されたのです。
この制度、4,100円とまではいかずとも、そこそこ安値でした。
日給、N000円です。定額です。
もう20年以上前の情報ですので、現代と比較することはできません。
とはいえ、4,100円よりは高いのですが、民間企業の賃金制度を担当した経験者であるわたしとしては、首をひねる額です。
具体的な金額はこの場では言いません。言えません。
仮に、9,000円だったとします。(以降、「9,000円(仮)と表現します)
労働基準法、1日8時間として、9,000円÷8時間=1,125円
時給1,125円は悪くない、と思いますか。
数字だけで言えば、悪くなさそうと思います。
でも、そうでもないんです。
(1)9,000円が安い理由 その1
9,000円(仮)は定額です。
残業(時間外労働)をしても、9,000円(仮)です。
残業は、中央官庁ですから、推して知るべしです。
数十時間が普通だったようです。
部署・上司に当たる人物の考え方、時期などによっても様子は違ったようですが、少ない方でも30時間程度、多いところは「終電にならないと帰れない」があった模様。
間をとって50時間としておきましょう。
1日あたりに換算すると、ひと月の出勤日数が20日だったとして、1日の時間外労働が2.5時間。
標準の8時間と足して、10.5時間。
9,000円を10.5時間で割ると、857円。
いちょうの仕事は、パート・アルバイトレベルではありません。普通に、公務員と同等の質の仕事を求められるそうです。
責任の程度は軽いようですが、やることは同じ。
だから、現代の「同一労働同一賃金」の考え方があてはまります。(当時は法制化されてなかったかもね)
マクドナルドのアルバイトの時給、当時どれほどだったでしょうか。
800円? 700円?
(2)9,000円が安い理由 その2
いちょうに来ている(民間企業から官庁に出向している)人たち。
彼ら彼女らの所属する企業は、一流企業ばかりだったようです。
給与水準も高い方だったみたいです。
前項の時給換算の数字。
単純な計算でしかないので、外れてるかもしれませんが、一流企業の社員がもらう賃金レベルではなかったでしょうね。
出向していたいちょうのみなさん、各社が、官庁が支払う日当と、各社の基準による給与額との差額を支給していたみたいですから、いちょうのみなさんが安月給で働かされる、ということではなかったようです。
差額を民間企業が補填していたという格好です。
3.官庁にこき使われていた、ハイレベル人材
“いちょう”の人たちは、ハイレベルの人材。
官庁の、安い制度の賃金でこき使われていたようです。
この記事で言いたかったのは、官庁の賃金、給与についての値踏みはひどいって話です。
民間企業の優秀な人材を、どんだけ安い賃金で使ってるんだって。
現代(第二次安倍内閣)の悪政は間違いないのだろうけど、それを生み出す土壌となった官僚、という側面も否定はし難い。