新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

COVID-19の影響で考案された、フリーランスへの給付金4100円について、過去に見聞したこと

COVID-19(新型コロナウイルス)の影響により、収入等が減った人たちに、安倍政権が立ち上げた「給付金4100円」という政策。 

 

www.asahi.com

 

これに関連して、わたし個人が、過去の見聞した情報をご紹介します。

 

 

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1.4100円の計算根拠

 

 

 

4100円の計算根拠がツイッター(その元はテレビ)で紹介されていました。

 

厚労省担当者によると、

東京都の最低賃金 1,013円 x 4時間≒4,100円

だそうです。

 

 

1,013円は良いとしても、なぜ4時間なんでしょうか。

フリーランスは4時間程度、半日程度(労働基準法に定められる、1日あたりの労働時間上限の8時間の半分)しか働いていない、とでも思っているんでしょうか。

 

引用したツイッターでは、厚労省担当者は明確な回答ができず、となってます。

はっきりした根拠はないのでしょう、なぜ4時間なのかが。

 

まあ、一般人には理解不能な計算根拠です。

 

 

 

2.よみがえる記憶

 

昔話で聞いたことがある情報です。

中央官庁には、民間企業の労働者を役所に出向させ、公務員と同じ仕事をさせるという制度があります。

官庁によって呼び名などは異なるかもしれませんが、わたしが聞いたのは「委嘱調査員」という名称でした。(便宜上、以降「いちょう」と略します。)

 

この制度が、今回の4,100円の騒動によって思い出されたのです。

 

 

この制度、4,100円とまではいかずとも、そこそこ安値でした。

日給、N000円です。定額です。

 

もう20年以上前の情報ですので、現代と比較することはできません。

とはいえ、4,100円よりは高いのですが、民間企業の賃金制度を担当した経験者であるわたしとしては、首をひねる額です。

 

具体的な金額はこの場では言いません。言えません。

 

仮に、9,000円だったとします。(以降、「9,000円(仮)と表現します)

労働基準法、1日8時間として、9,000円÷8時間=1,125円

 

時給1,125円は悪くない、と思いますか。

数字だけで言えば、悪くなさそうと思います。

でも、そうでもないんです。

 

 

(1)9,000円が安い理由 その1

 

9,000円(仮)は定額です。

残業(時間外労働)をしても、9,000円(仮)です。

 

残業は、中央官庁ですから、推して知るべしです。

数十時間が普通だったようです。

部署・上司に当たる人物の考え方、時期などによっても様子は違ったようですが、少ない方でも30時間程度、多いところは「終電にならないと帰れない」があった模様。

 

間をとって50時間としておきましょう。

1日あたりに換算すると、ひと月の出勤日数が20日だったとして、1日の時間外労働が2.5時間。

標準の8時間と足して、10.5時間。

 

9,000円を10.5時間で割ると、857円。

 

いちょうの仕事は、パート・アルバイトレベルではありません。普通に、公務員と同等の質の仕事を求められるそうです。

責任の程度は軽いようですが、やることは同じ。

だから、現代の「同一労働同一賃金」の考え方があてはまります。(当時は法制化されてなかったかもね)

 

マクドナルドのアルバイトの時給、当時どれほどだったでしょうか。

800円? 700円?

 

 

(2)9,000円が安い理由 その2

 

いちょうに来ている(民間企業から官庁に出向している)人たち。

彼ら彼女らの所属する企業は、一流企業ばかりだったようです。

給与水準も高い方だったみたいです。

 

前項の時給換算の数字。

単純な計算でしかないので、外れてるかもしれませんが、一流企業の社員がもらう賃金レベルではなかったでしょうね。

 

 

出向していたいちょうのみなさん、各社が、官庁が支払う日当と、各社の基準による給与額との差額を支給していたみたいですから、いちょうのみなさんが安月給で働かされる、ということではなかったようです。

差額を民間企業が補填していたという格好です。

 

 

 

3.官庁にこき使われていた、ハイレベル人材

 

“いちょう”の人たちは、ハイレベルの人材。

官庁の、安い制度の賃金でこき使われていたようです。

 

この記事で言いたかったのは、官庁の賃金、給与についての値踏みはひどいって話です。

 

民間企業の優秀な人材を、どんだけ安い賃金で使ってるんだって。

 

 

 

 

現代(第二次安倍内閣)の悪政は間違いないのだろうけど、それを生み出す土壌となった官僚、という側面も否定はし難い。

 

 

 

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