わたしの仕事には、V-CATがよく登場します。
採用試験、登用(昇格)試験。
企業によっては、来春に向けてそろそろ昇格試験がスタートする時期ではないか、と思います。
過去に実際あった出来事をここに、受験される方々、試験合否を判断される方々の参考になれば、ということでご紹介します。
1.まさか、あの優秀社員が・・・
管理職昇格試験を受験予定の社員を集め、事前に勉強会を開きました。
その際、V-CAT試験も体験ということでやってみました。
分析はしないけど、やったことない社員にとっては50分ほど集中する作業を体験するだけでも、無いよりはいいってことで。
その結果を見たところ、とある社員の作業結果がとても悪かったのです。
計算違いはあるわ、作業量は少ないわ、で。
その社員の日頃の仕事ぶりから想像できない結果だったので、不思議、なにかおかしいと感じました。
とはいえ、V-CATに作戦はない。
さて、どうするか。
2.過去の経験があらわに
最低限でも、わたしが感じたことをその社員に伝えることにしました。
「あなたの検査結果をみさせていただいた。V-CATという適性検査の性格上、事前に言っていいわけではなく、効果があるわけではないんだけど。あなたの仕事ぶりからすると、計算間違いが多かったり、計算の量もさほど多くはなかった。V-CAT試験は初めてだった? 昔、クレペリン(内田・クレペリン精神検査)というのもあったけど」
彼はわたしの言葉をききながらウンウンとうなづいていました。
「実は、クレペリンを受けたことがあるんです」
以前、職掌転換(仕事の種類が変わる)の際にクレペリンを受験したことがあり、その結果があまり良くなく、さらにはその結果を公にさらされたという経験があったんだそうです。
その経験から、クレペリンには抵抗感、アレルギーのようなものをいだくこととなり、今回の“ほぼほぼクレペリン”のV-CATにもそういう結果が出てしまったようです。
なるほど、そういうことでもない限り、あの社員にこんな結果が出るはずはない。逆に言うと、事前練習でそんなことも明らかにするV-CAT(今回の場合はクレペリンとも言える)の検査のポテンシャルに感じ入った次第。
3.果たして、結果は
さあ、この社員の昇格試験の結果はどうだったでしょうか。
次の記事をご期待あれ。
今回の教訓
V-CAT(V-CATに限らず、試験結果やセンシティブな情報)は公にしてはダメ
V-CAT(その前身の内田・精神クレペリン検査も)は、いろいろと暴く可能性が高い