セブンイレブンの残業手当未払いは深刻な話だぞ、無視してはいけない
セブンイレブンが残業代を支払ってなかった、というニュース。
これ、深刻だぜ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53154780Q9A211C1MM0000/
1.直接払の原則
そもそも給与の支払いを使用者であるオーナーでなく本部が代行しているのは労働基準法24条に違反するのではないか。24条にはピンハネを防止するために「直接支払い」の原則があるが、まさにそれが起こった。
— たつみコータロー 前参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) December 10, 2019
セブン、残業手当の一部を長期未払い 4億9000万円: 日本経済新聞 https://t.co/DjNPkBPZOr
辰巳孝太郎議員の指摘のとおり、賃金は直接払いの原則があります。
雇用主が従業員に給料を直接支払わなければならない、ということ。
そんなの当たり前でしょ!
と多くの方々が思うことでしょう。
そう、当たり前です。
が、そうじゃなかった時代があって、直接払いの原則が労働基準法に盛り込まれたのです。
セブンイレブンの場合、元記事によると、給与計算を代行しているとのこと。
- 雇用主:オーナー
- 被雇用者:コンビニの従業員(今回の被害者)
法律はオーナーが従業員に支払うべき、と定義しているわけですが、セブンイレブンが代行していた・そのセブンイレブンが支払ってなかった、という事象です。
2.未払いは1970年代から・・・
元記事の全文がわからないのですが、1970年代から残業代が支払われていなかった可能性がある、と書かれています。
ウィキペディアによると、セブンイレブンジャパンは1973年に設立、とのこと。
「未払いは1970年代から」が事実なら、設立当初、あるいは設立直後の頃から支払われていなかった、ということになります。
給与計算に少しでも携わった方なら簡単に想像がつくと思うのですが、1970年代の給与計算システムがそのまま残っているとは思えません。
そもそも当時に、コンピュータとかで計算していたとは思えませんが
設立当時は給与計算すべき人数が少なく、手計算でも間に合っていたかもしれませんが、現代ではどうでしょうか。セブンイレブンが代行し、給与計算すべき対象者は何人でしょうか。とても手計算はできない。
設立から現在まで、給与計算の方法、コンピュータ、ソフトウェアは代替わりしているはず。そこで残業代の計算ミスが発見されなかったわけがない。
当初からセブンイレブンは残業代を支払わないつもりだった、と考えざるを得ない。
ニュースの詳細がわからないので思い込み(アンコンシャス・バイアス)があると良くない。今回の計算のミス・未払いの中身がなんなのかもはっきりしません。
セブンイレブンに一所懸命忖度すると。
- 労働基準法に定められた法定内残業の割増率はちゃんと払っていた(セブンイレブンの賃金規則は法律を上回っていた)可能性
- 法律が定める「残業」は、1日あたりだと8時間を超える労働時間だが、8時間を超えない範囲の残業代は支払われていた
等などあるかもしれません。
が、それでも、労働基準監督署が指摘していた・長年に渡って続いていたなどの状証拠から察すれば、違法のレベルだったのだろう。
それは確実でしょうね。
要は、
セブンイレブンは、法律上支払うべき賃金を支払ってなかった
ということでしょう。
セブンイレブンは、記録に残っている未払い以前のものも支払う・なんらかの対応をする、今後の給与計算・ガバナンスをちゃんとしたものにすべし、等など宿題は多いです。
もちろん、セブンイレブン以外のコンビニも、同じ事情があるとすれば改善すべきです。
支払うべき賃金を支払っていなかったのは、ブラック企業はもちろん、それよりなにより法律違反です。
憲法をまもるべきなのに、まもろうともせず、改正をしたがっている安倍首相も法律違反です。
3.参考
労働基準法が定める、賃金に関する原則ですが。
三原則と五原則があります。
最も基本である三原則は、
- 直接、本人に支払う
- 通貨で支払う
- 全額を支払う
という3つです。
説明したいのはヤマヤマですが、長くなったのでとりあえずはここまで。