採用する立場、退職者を送り出す立場
同じなんですよね。
中途採用で、「優秀な人材を採用する立場」と、
「優秀な人材が、自己都合退職で辞めていくのを見送る」のと。
- なんで急に退職を言い出すんだよ!
- え、もう次の就職先が決まってんのか。
- もっと早いタイミングで話をしてくれよ。
という場面が、採用する立場側から見ると。
- 現職(現在の勤務先)に退職の手続きをしてください。
- 早めに弊社への入社をお願いします。
です。
しんどい。
求職者に対し、休日に面接はするのか、しねーよ
ここ数年、特に昨年あたりから、採用の仕事がしんどいです。
求人の募集広告を出しても、応募者が少ない・ほとんどないのです。
そんなとき、採用の担当者が悩むのが、求職者の要望に応じて
「夜間、休日に面接をするのかどうか」。
1.売り手市場の採用の考え方
今は、売り手市場。
売り手市場とは、企業が採用しようとする人の数よりも仕事を探している求職者の方が少ない状況のこと。
求職者に優利な状況です。
ぜいたくしなければ、仕事にはありつけます。
求職者、転職活動中の人は、受験しようという企業を、より自由に選べます。
企業側、採用担当者側にとってみれば、応募者を厳選するというより「ぜひ、我が社に来てほしい」というモードにはいらざるをえないのですが。
だからといって・・・。
2.夜間、休日の面接
だからといって、夜間や休日に採用試験はしません。
転職活動する人が、在職のまま求職活動する場合、採用試験・面接を受けようとするなら休暇などで時間を作るのが一般的です。
が、在職中の仕事が忙しい場合、夜や休日に面接を希望される人も出てきます。
んー、少しでも応募者を増やしたい、無理してでも面接したい採用担当者としてはやりたいとは思うんですけどね。
やりません。
残業や休日出勤してまでも、面接はしません。
業界や、採用に積極的にならざるを得ない企業の場合はやるかもしれません。
が、一般的には、社員を残業させてまで採用の仕事はやりません。
- 残業(時間外勤務、休日出勤)をしなければならない仕事にははいらない
- 本当に求職活動するなら、志望動機を相手側(企業)に理解してもらうためにも平日どうにかせよ
平日の時間を作れない応募者は、志望の意思が強くないと感じるし、あなたがこの会社で採用の仕事するとしたら、夜や休日に採用の仕事するんですよ・・・と考えるとどうですか。
3.休日の面接をやらざるをえない場合があるかも
それでも、休日の面接をやるケースも、絶対無いとも言えないかも。
- オンライン面接でより軽減化
- 現職の超多忙が転職の理由の場合
- 有資格者、特殊な技能の保有者を採用しないと事業継続が成り立たない場合
などなど。
そういう意味では、わたしの会社・業界はまだ楽なのかもしれません。
駒澤大学が完全優勝した箱根駅伝に、企業活動・人材育成の変遷と同じものを見た
駒澤大学は学生駅伝3冠(出雲駅伝、全日本大学駅伝)も達成しました。
完全制覇と言っていいですね。
ランナー、そして大八木監督、お疲れさまでした。
この駒澤大学の活躍、いや駒大に限らずここ数年の大学駅伝について、企業活動と似ていることを強く感じたという話をします。
1.ハラスメント
駒大の大八木監督、何年か前、ハラスメント関係の不祥事が話題になったことがありました。
詳しく覚えてなくて申し訳ないのですが、スポンサー企業からのお金を不正にもらった→それを問題視した大学側が大八木氏に退職を勧奨した→大八木氏が「大学の退職勧奨はパワハラだ」と告発した、などなどだったかな。
結果、退職はしなかったけど、事の詳細も明らかにならなかったような。
ただこの際、「大八木監督 パワハラ」というワードから、大八木氏の指導方法や檄を飛ばすようなスタイルが批判されましたね。
青山学院大学の活躍、原晋監督のチーム育成・指導方法などとも比較されることになりました。
ハラスメントが大学のスポーツ活動にも及ぶのは、時代だなあとか感じます。
2.自分たちに考えさせる
駅伝に限らず、様々な競技で、監督やコーチが指導するやり方から、学生・生徒自身に考えさせる手法が取られるようになりました。
これはまさに、企業における管理監督者・リーダーの部下育成と同じです。
昔は、ノルマ、イケイケドンドンをやってればよかった。
しかし今では、不確実性の時代、リーダーも営業や開発などすべて答えを持っているわけではなく、何をすれば売上が伸びるのか利益が確保できるのか、コンプライアンスやSDGsなどなど新たに考えなければならない要素が増えていく中で、全てに手が回らない。
むしろ、育成・成長のためには、リーダーが答えを示すのではなく、一緒に考える、あるいは部下の行動を横から後ろから支える、ビジョンを示す役割が求められるようになりました。
駅伝もその他のスポーツ競技も、企業活動・人材育成も同じだな、と。
3.リクルート
駅伝で優勝すれば、その大学に入学を希望する生徒が増える。
あるいは、大学側が優秀な生徒を勧誘できる。
結果を出すことがリクルート活動にも有効に働きます。
これも、企業活動と同じです。
大八木監督は、3月に監督を退任し総監督に就任する。
そして、大八木氏の教え子である、藤田敦史コーチが監督に就任するそうです。
大八木監督がいなくなる(総監督としては残るが)ことで駒澤大学が駅伝人気上位の大学であり続けるのかわかりません。
が、藤田コーチは、大八木監督のスピリットを受け継ぐ人物であることは、駅伝ファンなら周知のこと。
いい循環がこれからも続くだろうと思います。
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藤田敦史コーチが駒澤大学の選手だった時代、彼を一流の選手に育てた理由の1つが、大八木監督の妻(大八木京子氏)による栄養管理だったことも有名な話。
その大八木京子氏の著書です。
「軸にしています」は使うな!面接でよく聞くフレーズの分析
「??を軸にして、やってきました」
採用面接、特に新卒(大卒)の面接でよく聞くフレーズです。
いつ頃だったか、このフレーズをよく聞くようになりました。
率直に申し上げて、この言葉を聞くと気持ち悪くなります。
なぜなら、この言葉を使う応募者、高い確率で「採用したいと思えない」場合があるというのと、軸という言葉を応募者がしゃべる場面が説得力を感じない、ということです。
そんなことを昔から感じていたところ、最近、こんな記事を読みました。
リンク先では、応募者のしゃべる「軸」ではなく、面接官側が感じる評価として「この応募者には軸を感じる」を紹介されてます。
面接官側が「この応募者にはぶれない軸を感じる」は、とてもよく理解できる現象です。
このような応募者に、いつも出会いたいと思うものです。
が、応募者が「わたしは??という軸を大事に学生生活を送ってきました」には違和感を感じます。
これがひとりだったらまだ気にならなかったかもしれませんが、これがある頃から多くの学生から聞くようになりました。
もしかして、就活指南の本やインフルエンサーの教えなのかな?
そんなことを思ったのでした。
就活生は、自分で「軸」という単語は使わないほうがいい。
軸は、面接官が感じるものだから。
面接での会話、言葉の勉強をする前に、自分探しをしたほうがいい。
ミイダスは良いと思うよ。
これからは定番になる、就職活動に必要な自己分析ツール「ミイダス」
転職活動されてる方々、お疲れさまです。
みなさんに参考になるだろう、と思うことを、採用担当者としてお伝えしたいと思います。
昨日、とある場所でアルバイトしてる高校生から
「これから採用面接受けるんですけど、コツなんてありますか?」
と相談を受けました。
最低限の練習は必要かもしれない。
でも、採用を仕事にしている面接官は練習してるかしてないかは気にならない(むしろ必要以上の練習は邪魔)。
面接から感じ取る「あなたらしさ」が面接官(の所属する会社、組織)にフィットするか否かを感じ取ってるだけ。
という話をしました。
全員とは言わないまでも、多くの面接官がそのように思っているはずです。
でも、何も練習しない、事前準備は必要ないと言われても気になりますよね。
でしたら、おすすめするのは自己分析です。
受験する企業、組織(以下、企業等)を事前に調べますよね。
だったら、それと同じくらいに、自分自身がどんな人間かを調べるのが重要です。
じゃあ、どんな方法があるでしょうか。
わたしは、ミイダスをオススメします。
オススメする理由は、以下のとおり。
コンピテンシー診断という無料のツールがあります。職務適性やパーソナリティの特徴、ストレス要因、相性の良い上司・部下のタイプなど、 ビジネスマンとしてのコンピテンシー(行動特性)を調べることができます。
わたし自身がミイダスに登録し、自己分析をやりました。びっくりするほど当たっていました。
自分自身が、受験しようとする企業等とフィットするのか否か、とても大事なことです。
受験に合格したとしても、その企業で仕事をしていけるのか、転職される方にはとても重要だと思うのです。
これは、決して自分を企業等に合わせる必要がある、ということではありません。
自然な、いつもの自分がその職場に合うのか否かをあらかじめ知っておくことがとても有用だからです。
わたしが就職活動をする際、このツールがあったら、社会人生活がさらに充実していただろうなあ、と思います。
(まあ、結果的にはわたしが入社した会社は良い会社で、わたしにフィットする場所でしたけど。)
一方、採用する側としていつも思うのは、中途採用した社員が退職するときです。
企業側の労務管理に落ち度があったかもしれないのは間違いはないのですが、多くは社員側のキャラクターが合わなかったということが多いんです。ほんとに。
コンピテンシー診断は無料です。やらない理由はありません。
パーソナリティ診断(2022年12月末で終了するとのこと)、バイアス診断ゲームというのもあります。どれも有用です。
ただ、唯一のデメリットはあります。それは、企業からのオファーがたくさん届くということ。
面接を受けようとしている企業等が決まっている方にとっては、うざいでしょう。
(企業等の探索中の方にとっては有用でしょうが。)
昇格試験、2022年春の結果からわかったこと
2022年の春も、わたしの所属する部門から昇格試験(世間で言うところの管理職試験)を受験した社員がいました。
振り返ってみたい、と思います。
1.戦績
あまり具体的な話をして身バレするのは嫌なので、ぼかした言い方をしますと。
N人が受験し、N/2人くらいが受かりそうだな、と予想していたところ、(N/2)+1人が合格した、という結果でした。
つまりは、予想していたより多くの人数の合格を得られた、という結果でした。
2.今年の結果を振り返って見えてきたもの
今年の受験者全員に「面接でどんな質問が出て、どんな答えをしたか」を、面接直後にヒアリングしました。
質問内容は、受験者全員に共通していたもの(以前の記事に書いたのとほぼ同じだったようです)、受験者それぞれで異なっているもの、様々でした。
受験者にあわせて質問を変えてきた面接官たち、なかなかやるじゃん。
そのヒアリング結果で、ほぼ合否がわかった感じでした。
合格してそうな受験者(そして結果そうだった)たちに共通していたのは、広さと深さです。
深さ
ひとつの分野やジャンルをきわめていく中で見えてくる本質的な課題、アイデア、問題意識。
そういったものをしっかりとらえていました。
ふだんはそんな様子を見せない社員たちでしたが、
「しっかり考えてんじゃん!」
と思わせるものでした。
「だったら普段から、その問題意識を行動に移してくれよ」と言いたくなるのも本音ですが、なかなかどうして。
広さ
平時は自分の部署の仕事、そことつながっている部署との関係にエネルギーを使っている彼ら彼女らにも、より広い範囲に関心、問題意識を感じており、それが単に文句というレベルから、部門全体あるいは会社全体、業界全体の先を見据えたものをもっていました。
3.昇格試験の面接の本質
昇格試験、特に面接における本質の一面は、
経営層が、会社の課題を果敢に攻め、部下を率いてチャレンジしていく仲間を探しに来る場
だと、わたしは思っています。
そういう意味で、今年の合格者は、経営層が
「こいつらだったら、我々経営層と一緒になって向かっていけるだろう」
と感じさせた、ということだったのでしょう。
個人的にうれしかったのは、合格者・不合格者ともに、面接を終えたあとの眼力(めぢから)が変わったということです。
もちろん、受験するからには合格がありがたいのですが、不合格であっても意識が変わるだけで大きな収穫です。
彼ら彼女らのこれからに、期待です。
転職活動してる人、頼むからコレくらい考えてくれ
中途採用の仕事してると、転職活動してる人にどうしても言いたいことがよく出てきます。
これを聞いとけば、あなたの好感度も少しは上がると思うので聞いてってください。
というか、普通の人はみんなやってることだとは思うんですけどね。
採用試験(面接含む)は日中にしかやりません。
が、在職中の方が多いからなのかもしれませんが、試験の参加希望日時を聞くと、10人に1人くらいの割合で、
- 平日:18時以降
- 土日:何時でもOK
という方がおられます。
その希望に応じる親切な会社なら、別にいいです。
ただ、多くの会社は応じないですよ、きっと。
うちの会社も、基本は応じないです。
応じる会社があるとしたら、その会社は、採用の仕事してる社員(以外も含め)が残業ありき、の会社です。
好き好んで、どんな人物かもわからない応募者に、残業してまで採用の仕事はしないです。
少なくともわたしはしません。
「お前が甘いよ」
と言われればそうかもしれません。
ただ、うちはやりません。
志望度合いが高ければ、なんとか都合するでしょ。
というのは理想論だと思います。
現実的にも、たとえば1次面接を高評価で通過し、
「この応募者はどうしても採りたい」との判断が働き、「応募者の都合に合わせてでも、なんとかこの人材を確保」
となるようなケースもあります。