順天堂大その他の、入試での女子差別にひとこと
順天堂大、あるいは端緒となった東京医大の女子受験生差別の「言い訳」には、ひと言もふた言も言いたいですね。
1.順天堂大の説明
上記のリンク先にもありますが、順天堂大の言い分は、
女子の方が精神的な成熟が早く、相対的にコミュニケーション能力が高い傾向がある」とし、新井学長は「20歳を過ぎると差がなくなるというデータもあり、男子学生を救うという発想で補正した
とのこと。
みなさんはどう思われるでしょうか。
2.わかる部分もある、採用試験あるある
順天堂大の説明にはわかる部分もあります。
(順天堂大は正しい、間違ったことをしていない、という意味ではありません。)
採用の場面で出くわすことです。
- 女子学生は一次面接から、ハキハキと元気に答える。明るい。真剣さが感じられる。好印象を持てる
- 男子学生、特に地方の国公立大学の学生は、のんびり、おどおど、しゃべりが聞きづらい。真剣みをあまり感じない
採用試験(試験を実施する企業側担当者)あるあるですね。
こういう場合、「男子学生はエンジンがかかるのが遅いから、次の面接で再度観察したい」という発想になり、男子学生を大目に見ることをします。
で、実際2次試験になったらエンジンがかかり、1次での女子学生との差がなくなった、高評価だという場合は次の面接に進めます。逆に、1次のときと変わらないという結果でしたら、落選です。
こういう「下駄をはかせる」ことはやります。
しかし、この場合はあくまで男子学生のエンジンがかかるのを待つだけであり、評価を高くするとか、男女の違いだけで判断してしまうことまではしません。
3.学びの場での男女差別
学びの場を提供する大学が、そういう理屈で女子の点数を低くする、合否に差を設けるというのは許容されるものではありません。
端緒となった東京医大でも、あるいはその他の大学でも「女性は妊娠、出産などで勤務が難しくなる場合が多く、医者には向いていない」と考えるなら、その環境を整えるのが先、というのが当たり前すぎるセオリーです。
(記事本文と以下の著書は無関係です)