昔の話です。自殺した社員の葬儀に参列しました。
その時のことを今さらながら、というか今だからこそ思い出しています。
1.自殺した社員
正確には、その社員はわたしが勤務する会社ではありませんでしたが、資本関係のある企業グループとしては同じで、少なからず関係はありましたので、参列することとなりました。
その社員は自殺だったとのこと。川にかかる橋の下にて遺体が発見されたとのこと。また遺書も発見されました。
ただ、遺書の内容は会社側には知らされませんでした。仕事のことだったのか、会社の何らかの対応が悪かったのか、私生活に原因があったのか。
警察は、直近の労働時間や仕事の負荷、上司との関係はどうだったのか、その他人間関係はどうだったのか、その社員が勤務する職場の総務課がヒアリングを受けたようです。
その結果、事件性はなく、また会社側にも何かを問われることはなく警察は自殺と断定したようです。
2.密葬に参列させていただいた、そのときのわたしたちの気持ち
その社員の葬儀は密葬にする、とのご遺族の意向でしたが、社長がぜひとも参列させていただきたいとの希望をご遺族に伝えたところ、ご了承いただきました。
わたしも参列することとなりました。
その時点では、遺書の内容は会社側には明らかになってませんでした(今でも明らかになってません)。ですので、わたしは葬儀の参列が怖かったです。
というのも、故人の配偶者、あるいはご子息が「お前らのおかげでお父さんは死んじゃったんだぞ!」と怒鳴られたりするんじゃないか、とヒヤヒヤだったからです。
密葬への参列を認めていただいていたので、ある程度の安心はあったものの、遺書の内容がわからないのは事実。何を言われるのか、わかりませんでした。
結局、葬儀の場で心配していたことは起こりませんでした。奥様からご挨拶もいただきました。
葬儀の場でご挨拶をいただくことがこんなにありがたいことなのか、と感じた日でした。
3.大丈夫か?、彼ら
電通の高橋まつりさん事件、モリカケ事件で亡くなった近畿財務局職員の件、その他長時間労働やハラスメントなどで自死に至った事件で、謝罪とかしかるべき対応をしていない加害者側の責任者らは大丈夫でしょうか。
裁判で敗訴して賠償金などを課されているケースなどもありますが、ちゃんと対応してるんでしょうか。長時間労働が発生しないような根本的な対応をしているんでしょうか。
比べるレベルの話じゃないですけど、上に書いた葬儀のときは、わたしやわたしの上司・経営トップは
会社側に非はないのか、ご遺族に非難されるだろうか、どうなんだろうか。あったとしても無かったとしても会社として弔慰を示そう
という心情でした。
自分の会社、組織に勤務していた人物を亡くしているんです。
彼らは少しでもそんな意識を持っているんでしょうか。何も思わないんでしょうか。
飛躍しすぎかもしれないし、考え過ぎかもしれませんが、
日大の不正タックル事件で死者が出ないことを祈ります。
なにか悪いことが起きる前に(すでに起きてはいますが)、日大がしかるべき対応をしてほしいと願っています。
【追記】
人の死を軽んじる、残念なニュース