昇格と降格を分けたものはなんだったのか
わたしの会社の社員の降格に出くわしました。
その事象について、触れてみたいと思います。
1.降格した社員
その降格した社員(Xさんとしておきましょう)は、わたしの大学の先輩です。
Xさんとわたしとでは学部が違います。わたしは文系、彼は理系という違いがあり単純には比較できませんが、彼の学部はわたしよりも偏差値は上の学部です。
そのAさん、管理職ではないクラスです。一般職とここでは表現しておきます。
一般職には1級、2級・・・といくつかの段階があり、Xさんは2級から3級に降格しました。
降格に関する基準は、人事考課が悪い状態が続くと降格の対象となり、第三者による検討の結果降格を見送るか、降格と決定するか、というものです。きっと多くの企業でも似たようなやり方になっていると思います。
まず、Xさんは、人事考課で5段階評価(良い方からA、B、C、D、E)のうちの、Dを2回連続したため指導がありました。
指導とは、「次もD以下の考課だと降格の対象となる。そうならないようにしっかり頑張れ」と奮起を促すものです。
単に頑張れ、というだけではなく、何がどう悪い、どこどこの部分が不足しているからそこを伸ばせ。そうすれば評価は上がる、というような内容です。
ところが、残念ながら次の年もD考課でした。ですので、降格の基準を満たすこととなったため、第三者による検討(第三者委員会と表現することが多いと思います)が行われました。
総務のわたしが事務局、事業場長とXさんの所属する組織とは関係の無い(第三者の立場である)部長たちから構成されます。
当人の所属する部長がはいると私情とか温情がはいりますからね。
最初の年の第三者委員会。Xさん本人へのヒアリング、Xさんの直接のリーダー(いわゆる上司)へのヒアリング。「しっかり頑張る」(Xさん)、「どこどこの悪い部分をしっかり指導、教育し、奮起させる」(リーダー)というヒアリング結果をもとに第三者委員会で検討し、奮起を期待するということから降格を見送る(降格はしない)こととしました。
しかしながら、やっぱり次の年も考課はD。
再度リーダーにヒアリングをしたところ、
- 初歩的なミスが相変わらず多く、習熟しない
- 業務内容を教えても、何回も質問してくる
- 職場の他のメンバーとの関係はギクシャクしており、悪影響を与えている
- 2級という資格を満たしていない
という内容でした。これをもとに第三者委員会を開催し、降格はやむをえない(降格させる)こととしました。
2.わたしの降格の危機
えらそうに言ってますが、わたしにも降格の危機がありました。
管理職から一般職への降格です。Xさんの降格とは格差が大きく違います。
Xさんと同じく、低い考課が続き、2年連続で第三者委員会が開催され、「奮起を促す」となりました。
その頃は、別の動きも進んでました。人員整理です。
早期退職のさらなる優遇、転職支援サービスの展開など。つまりは「肩たたき」です。
そして、当時の事業場長から言われました。
「そのままだと、会社に残れないぞ」
と。
これはやばい。
住宅ローンも、子どもを育てることもできなくなるかも。
それから、何をやったのか覚えてない。
記憶力がない、ということじゃなく、多分モードが変わったのだろうと思います。
2ヵ月後に再度事業場長と面談したのですが、
「最近変わったじゃないか。今のペースでがんばれ」
心境が変わったのでしょう。それまで適当に生きていたのだろうと思います。目が覚めました。
幸い、低い考課から抜け出せ、管理職からの降格は免れ、退職勧奨もなくなりました。
3.2人の違い
2人の違いは何だったのでしょうか。
わかりません。
わたし自身は書いたとおりですが、Xさんのことはわかりません。
家族構成がどうなのか、自宅を建設してるのか。
まあ、それでも、
- 降格するとヤバいことになる、という危機感
- 自分の資格、立場が、会社が求めているものに相当しているのかの自覚
といった感情、感覚、責任感などは大きく違っていたように想像されます。
意識が変わるだけでどうにかなるものではないと思います。
が、意識が変わらなければその先には行けない、とわたし自身の経験で自覚しました。
Xさんはこの春から生活環境がちょっと変わります。
それをキッカケに頑張って欲しい、頑張ってもらわなければ。