新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

管理職・マネージャーになりたて、あるいはこれから管理職を目指そうという方に向けて、現役管理職のわたしが経験談を中心に参考になる話をします。

面接の回答例なんて、なぐり捨てよ!:管理職昇格面接、採用面接・・・

管理職に昇格するための面接について解説しているウェブサイトたちを時々散歩してます。

このサイト(ブログ)よりも良いと思える記事が多く(というかほとんど)、わたしももっと勉強しなくては!と反省しきりです。

 

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そんなわたしですが、驚き、というか残念なサイトのいくつかに出合いました。

そのことをご紹介しておきます。きっと、そのサイト(のような情報源)を参考にしたことで余計な損をしている人たちが多いのではないか(少なくないのではないか)と感じたからです。

 

回り道することに無駄はなく、その回り道こそが大事という要素もあります。

が、無駄な回り道があります。

いや、回り道というより、邪魔です。

それを信じていたら、この先怪しい、とまで言えるかもしれません。

 

 

生意気なこと言いましたが、あくまでわたしの感想、経験談です。

管理職昇格を目指す方が読んでおられたら、参考にしてください。

 

※それらのサイトをご紹介するのは、もちろん避けます。

 

 

 

 

1.回答例は無駄だ、むしろ邪魔

 

まずはひとこと、面接の想定質問に回答例が書いてあったのです。

 

回答例はいらない! 無駄! むしろ邪魔!

 

言いたいことはそれだけです。

この記事で言いたいことは、それだけです。

 

とはいえ、これでこの記事が終わっちゃうと貧弱な記事になってしまうので、少し説明します。

 

 

 

2.回答例の何が悪いか

 

想定質問と回答例が書いてある、それの何が悪い?と言いたい方、おられることでしょう。

わたしなりに、その理由を書きます。

 

(1)記憶に一生懸命になってしまう

回答例があると、その答えを覚えようとしませんか、あなた。

覚えようとすることは無駄です。

 

それよりも、想定質問に対し、自分なりの回答を用意すること(それも覚える必要はない)、その質問に「そんな問いかけにこたえられるほど、自分は気迫をもって仕事に臨んでいなかった。まずい、がんばんなきゃ」と反応することのほうが大事。

 

あなたは、面接で良い回答をすることを求められているわけではなく、面接官は

「あなたが会社に貢献できるか」

あるいは

「会社が見通せない未知の未来に自分たち(幹部たち)と一緒に挑んでくれる人材かどうか」

を見分けることをしようとしているのです。

 

 

(2)記憶したことをしゃべるのは、機械にしか思えない

表現は不適切でしょうが、面接の場で記憶してきたことをしゃべる姿は、面接者(面接官。質問をする側)にとってはマシン(機械)にしか感じません。

人によっては、覚えてきたことを自然に話すことができるケースもある程度は存在します。が、そうは簡単にいかないのがほとんどです、きっと。

 

面接官は、それがわかります。というか、感じ取れます。

 

 

小田和正(元オフコース)さんがとある本に書いていた言葉が、そのまま当てはまる。

 

無意識の中ににじむ僕たちだけの音楽を みんなは聴きに来てくれたんだ

 

楽家、アーティストとサラリーパーソンを一緒にするのは乱暴、と思いますか。いや、面接者側も同じなんですよ。

 

  • 昇格しよう、と熱望しているサラリーパーソン(昇格面接)
  • 採用してほしい、と熱望している学生(就活)

 

そんな方々にとって、面接者は同じことを思っていると思います。回答例を答えられても、こちらはがっかりです。

 

 

(3)回答例そのものがズレてる場合がある

「回答例」と言われたら、それが正しいと思っちゃうよね。

でも、そうでもないこともあるんですよ。具体例を挙げたくない(挙げられない)のでわかりづらいかもしれません。

でも、最近盛り上がった(炎上した)のには、こんなのがありました。

 

togetter.com

 

この盛り上がりには、受験者(応募者)側はもちろん、面接者(面接官)側の質問もわらけますが、面接者側の聞きたいことと応募者側、受験者側のアンマッチが象徴的。

この回答例、図書にはツッコミどころ満載で、それだけで2〜3つくらいのブログ記事にはなりそうなのですが、ここでは深入りしないここととしまして。

 

ここに紹介されているような回答はしないでくださいね。自分自身で、その場で何を問われているのか、しっかり考えて、というか本能的に瞬間的に答えていい質問ですよ。

 

 

 

3.まとめ

 

記憶したことをしゃべるのは機械であり、面接はあなたの生き様・会社への貢献の可能性を問われているのだから、回答例は無意味。

参考書があったら、回答例のページは見えないようにマジックインキで塗りつぶすとか、破り捨ててください。 

 

 

管理職昇格の面接、試験についてこちらのページにまとめてます。

soumu.hateblo.jp

 

 

 

 

 

採用面接についても、「事前の勉強はあまりするな」という記事をこちらに書いてます。

これからは定番になる、就職活動に必要な自己分析ツール「ミイダス」 - 新米管理職が書き綴る人事労務の仕事の毎日

 

 

 

模擬面接はぜひ実施を! なぜならそれは昇格試験のためのカンフル剤だから

管理職昇格における面接。

以前も記事「管理職昇格の面接に向けての準備」を書かせていただきました。

そこには模擬面接のこと、書いてませんでした。

 

大学、短大、高校など、学校を卒業して就職する際の、いわゆる新卒の採用面接では模擬面接はやってると思います。

学校がやる場合、予備校的なところがやったり、本も出てたり。

 

学卒の場合は、模擬面接の“やりすぎ”は良くない、と個人的には考えますが、企業における昇格のための面接では、模擬面接はあまりやられていないのではないか、意外と盲点ではないか、と思っています。

 

それをご紹介しようと思います。

ぜひ、やってもらいましょう。

 

 

0.前提

 

まず、この記事をわかりやすく書くため、設定をします。

 

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受験しようとしているあなたは、とある企業の大阪支社の営業部にいるとします。

そして、本社で行なわれる昇格試験を受験しようとしています。

 

本番の面接は、本社の人事部が窓口になり、社長(もしくは人事担当役員)、本社の営業担当役員、人事部の採用担当管理職あたりが担当すると想定しておきましょう。

 

 

2.模擬面接の実施に向けて

 

理解ある大阪支社長、大阪支社営業部長(あなたの上司)、あるいは大阪支社の総務部部長などの管理職クラスは、模擬面接の実施を検討してくれるのではないか、と思います。

 

が、動きが無い場合、あるいはそんなの誰もやってくれそうにない場合。

まずあなたは、自分の上司である営業部長に「模擬面接をやってもらえませんか」と依頼しましょう。

理解ある営業部長は喜んで引き受けてくれると思います。

 

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もし営業部長が「やりたいのはやまやまだが、どうやったらいいものか・・・」と悩んでいたら「総務部に相談してみましょうか」と持ちかけてください。

総務部に持ちかけても動きがないようでしたら、あきらめてください(笑)。

 

まあ、それは冗談として、管理職社員はこういう経験はあるものですし、無くても「それがあったらいいね」と理解をして動いてくれると思います。

 

 

3.模擬面接のやり方

 

やり方に決まりはありません。

本番で行なわれるであろう面接を模して、面接官を3人あるいは4人などと設定します。

 

本番の面接官を呼ぶことは難しいでしょうから、支社長、営業部長、総務部長(あるいは総務部の管理職)などを面接官に設定します。

で、実際の面接のように、ドアからはいってくるところから終わりまで、流してやってみます。

 

質問例はこの記事「管理職昇格の面接に向けての準備」を参考にしてください。

 

一通り面接を行なったら、その内容について、面接官たちに振り返りをしてもらいましょう。

 

  • 緊張しすぎていた
  • 面接官の聞きたいこととは違うことをべらべらしゃべっていた
  • おとなしかった。もっと大きなこと(「将来は社長になります」等)を言ってもいい
  • 自分の担当している仕事、部署、課題がわかっていない
  • この設問にはこういうふうに答えてほしかった

 

などなど、いろいろと出てくるでしょう。

これは、受験者であるあなたの勉強にもなるし、面接官側も刺激になると思います。

 

 

4.模擬面接の効果

 

模擬面接の効果はいくつかあります。

あなたへの効果だけではありませんよ。

 

(1)緊張に慣れる

 

本番で緊張するのは避けられないと思います。

ある程度の緊張はどんな面接にも必要ですが、緊張しすぎてしまうと、答えたいと思っていたことが話せず、脱線しがち。自分でもコントロールできません。

また、面接官の設問も聞こえない(音が小さい、耳の機能不全になるという意味もあるし、意図を読み取れないということもある)こともあり、聞かれたことに答えない結果となってしまうこともあります。

 

模擬面接でさえも緊張しますので、慣れておくのはとても効果があります。


(2)想定される設問への準備、心構えのマインドセット

 

わたしが考えた質問例をこちらの記事(繰り返し)でご紹介していますが、単に回答が正解か否か、ということだけではなく、管理職になろうとする社員として持っておかなければならないマインドセット、物事への姿勢を問われることがあります。

そういう意味から、模擬面接は、自分の仕事のやり方そのものの整理、見直しにも役立ちます。

 

(3)上司があなたに期待する役割

 

模擬面接の振返りで、あなたの上司が、

 

「あなたが管理職に昇格したらどのように仕事をしますか?」

 

の設問に、何がしかのアドバイスをするでしょう。たとえば、

 

「遠慮せず、自信を持って答えて」

「わたしが考える管理職とは*****な仕事をすること。私自身も日頃から意識している。あなたにも日頃からそのように仕事に取り組んでほしい」

 

といったアドバイス、激励の言葉をもらうこともあるでしょう。

 

それは、あなたが管理職に昇格するか否か、よりもむしろ大事な言葉かもしれません。

上司があなたに真剣に期待することを話してくれているわけですから、貴重な場です。

 

上司と部下との間で定期的に面談を実施する制度を導入している企業も多いでしょう。その面談の場で、上にあげたような「上司が期待する部下の行動や姿」って話題はあまり出ないのではないか。

 

模擬面接って、そういうのがフラッと出てきたりするんです。

 

 

5.まとめ

 

このように、模擬面接はやるとやらないとでは大きく異なります。

受験しようとしているあなたの合格するか否か以外にも、たくさんの良い波及効果を及ぼしますので、ぜひご検討ください。

 

 

 

 

管理職昇格に関する試験いろいろをまとめました。

soumu.hateblo.jp

 

 

 

MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)

MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)―わが体験的国際戦略 (朝日文庫)

 

 

 

管理職昇格試験のいろいろまとめページ

管理職、マネージャーに昇格するための試験、いろいろあります。

まとめました。

 

 

 

 

1.ケーススタディ試験

  

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架空の企業の架空の事象について、あなた(受験者)が管理職(課長など)の場合どのように対処するかを答える筆記試験です。

わたしなりのケーススタディ試験攻略法を書きました。

 

 

 

2.適性試験 V-CAT

 

soumu.hateblo.jp

 

適性検査 V-CAT(昔、内田クレペリン精神検査と言っていたものの進化版)が昇格試験に使われることがあります。攻略できるのか否か、書きました。

 

 

 

3.面接

 

soumu.hateblo.jp

 

昇格試験の“本番”、面接について書きました。

正解があるわけではないと思いますが、心構えは必要と思います。

 

 

 

soumu.hateblo.jp

管理職昇格のための面接試験について、ウェブサイトや本を読んでたら想定される質問に加えて回答例が載ってた。

回答例なんていりません。生真面目にそれを記憶して答えようとしても、無意味。

そんなことを書きました。

 

 

 

 

4.模擬面接

 

soumu.hateblo.jp

 

本番の昇格面接のため、模擬面接を実施することは有効だと思います。

合否だけじゃない効果が出てくるのです。

 

 

 

 

管理職の心得―リーダーシップを立体的に鍛える

管理職の心得―リーダーシップを立体的に鍛える

 

 

ケーススタディ試験 〜管理職昇格試験〜

管理職昇格試験として、ケーススタディ試験を実施する企業は多いと思います。

この記事では、わたしが受験した実体験と試験監督をした経験から、合格のために必要と感じていることをご紹介します。

 

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0.最初に

このブログでは何回も断っておりますが、あくまでわたしの経験談ですので、結果の補償はしません。

ここに書いていることをやったけど合格しなかった・補償しろなどという要求には応えられませんので、あしからず。

 

 

1.たくさん書く

 

どんなケースが出されるか、そもそも企業によって違うでしょう。

よく知らないのですが、試験材料を提供する業者も企業側の注文に応じていろいろなケースを用意していると思います。

 

まさか、普通の民間企業の試験のために宇宙飛行士のケース(があるかどうか知りませんが)を出すことはないでしょうし、その逆もしかり。

 

とはいえ、どんなケースであれ、様々な問題、課題をかかえる場面でしょう。なので、書かなければならない、言及しなければならない要素はたくさんあるはず。

だから、とにかく書いた量が少なければ話にならない、はずです。

 

 

何年前だったか。実際に見たこと。

事前の評判で合格間違い無し、と言われていた社員。その評価結果を詳しく知る立場にはなかった当時のわたしでしたが、試験監督はやりました。

その社員の答案を回収した際、中身まで詳しく見たわけではない(見るような行為は監督官としてはふさわしくない)のですが、パット見答案用紙に書いた量がめちゃくちゃ少なかった。

 

●●さん、大丈夫か?

 

と若いながら思ってたら案の定、落ちたんです。

 

量を書けば、それでOKというわけじゃない。でも、監督している間、その試験問題をながめていて、たくさんツッコむべき(言及すべき)ポイントがある。それに対し、あの量ではダメだろう、と。

 

 

2.人にアプローチ

 

技術者であっても、人の上に立つ、あるいはマネジメントするなら、人というポイントにはフォーカスせねばなりません。

 

今の時代、人と人の関係、メンタルヘルスといった観点をのがすわけにはいきません。

わたしが受験したいくつかのケースはいずれもそういう課題が含まれていましたし、監督経験のある試験でもそうでした。

そしてそのポイントは今後もますます大きく、そして深くなっていくと思います。

 

だから、人、部下や同僚、幹部(自分より上の立場の人)や取引先、お客様(消費者など)の存在はそれぞれの関係にはしっかりフォーカスせねばなりませんな。

 

 

豪傑には「メンタルヘルスなんて全然想像できん」「そんなの、うちの職場に発生するわけない」などという人物がいますが、そんな職場こそメンタルヘルス問題がひそんでいる場合がある。

注意しなはれや!

 

 

3.正解はないから、自分らしさを出す

 

優等生ほど正解、正しい答えを!と考えがちになるかもしれません。それは無用です。

 

あなたらしさの回答が求められているはず。標準的な回答はむしろつまらない、と幹部も考える(標準の基準というものもないでしょうが)。

あなたらしさでいいので、これまでの自分の経験からにじむ、あなたらしさを解答用紙に書きなぐればいい。

 

この記事に来てくださったあなたの会社の幹部に、わたしは期待したい。標準的なマネージャー、管理職を求めるなんて無用だ、という発想。

ぜひ、常識や過去の踏襲にしばられず、あなたらしさを。

 

 

4.わたしなりに言い忘れたくないこと

 

これまでの文章は、標準的、あるいは優等生な内容だったかも、です。

最後に、わたしなりの言いたいことを書いておきます。

これは、試験にだけ関係することじゃなく、仕事全般ですけど。

 

それは、過去の知見を忘れちゃいけない、ってこと。

 

  • これまでのやり方にしばられるな
  • 過去の踏襲なんてふっとばせ、過去は関係ない

 

などという教えに出合うことがあります。

嘘じゃないし、一理ある。

 

が、過去を無視しちゃいけない

 

一例をあげますと。

総務の仕事ですが、近隣挨拶とか、官公庁との関係を良好に維持する、というのは重要な仕事。

その中で、

2軒隣の●●さんとこは、2年前に▲▲▲についてクレームをもらったので、■■■という対応をすることになっている

といったことがあります。それは忘れちゃいけない。

同じ対応を継続するのは重要だし、違うやり方で●●さんのクレームに対応するということもある。だから同じことを継続することが重要じゃない。

ただ、忘れちゃいけないってことがあるということです。

 

 

 

 

 

その他の管理職昇格の試験、こちらにまとめてます。

soumu.hateblo.jp

 

 

 

 

ケース・スタディ 日本企業事例集―世界のビジネス・スクールで採用されている

ケース・スタディ 日本企業事例集―世界のビジネス・スクールで採用されている

 

 

 

順天堂大その他の、入試での女子差別にひとこと

順天堂大、あるいは端緒となった東京医大の女子受験生差別の「言い訳」には、ひと言もふた言も言いたいですね。

 

news.nifty.com

 

 

1.順天堂大の説明

 

上記のリンク先にもありますが、順天堂大の言い分は、

 

女子の方が精神的な成熟が早く、相対的にコミュニケーション能力が高い傾向がある」とし、新井学長は「20歳を過ぎると差がなくなるというデータもあり、男子学生を救うという発想で補正した

 

とのこと。

みなさんはどう思われるでしょうか。

 

 

2.わかる部分もある、採用試験あるある

 

順天堂大の説明にはわかる部分もあります。

順天堂大は正しい、間違ったことをしていない、という意味ではありません。)

 

採用の場面で出くわすことです。

 

  • 女子学生は一次面接から、ハキハキと元気に答える。明るい。真剣さが感じられる。好印象を持てる
  • 男子学生、特に地方の国公立大学の学生は、のんびり、おどおど、しゃべりが聞きづらい。真剣みをあまり感じない

 

採用試験(試験を実施する企業側担当者)あるあるですね。

こういう場合、「男子学生はエンジンがかかるのが遅いから、次の面接で再度観察したい」という発想になり、男子学生を大目に見ることをします。

で、実際2次試験になったらエンジンがかかり、1次での女子学生との差がなくなった、高評価だという場合は次の面接に進めます。逆に、1次のときと変わらないという結果でしたら、落選です。

 

こういう「下駄をはかせる」ことはやります。

しかし、この場合はあくまで男子学生のエンジンがかかるのを待つだけであり、評価を高くするとか、男女の違いだけで判断してしまうことまではしません。

 

 

3.学びの場での男女差別

 

学びの場を提供する大学が、そういう理屈で女子の点数を低くする、合否に差を設けるというのは許容されるものではありません。

 

端緒となった東京医大でも、あるいはその他の大学でも「女性は妊娠、出産などで勤務が難しくなる場合が多く、医者には向いていない」と考えるなら、その環境を整えるのが先、というのが当たり前すぎるセオリーです。

 

 

(記事本文と以下の著書は無関係です)

女性の品格 (PHP新書)

女性の品格 (PHP新書)

 

 

サラリーマンがなぜ副業を続けるのか

サラリーマンの悲哀。

 

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1.サラリーマンの副業

 

イケハヤ界隈らの

 

 

という主張には同意できないのだけど、一方で、

 

  • サラリーマンは副業に時間を割くぐらいなら、本業をしっかり頑張って給与を上げるほうが効率も良い

 

という主張にも(100%は)賛同できません。

正論ではあります。が、それが全員にあてはまる話か、というとそうでもない。

わたしはあてはまらない方にはいります。

 

 

2.なぜサラリーマンは副業を止められないのか

 

本業に専念する必要があるのは、入社したて、あるいはまだまだ昇給する余地のある年代にはあてはまると思います。

がんばればがんばるだけ評価はあがり、昇格し、昇給もする。

脇目も振らず、しっかり仕事を頑張ってほしいと管理職の立場としても思います。

 

でも、ある程度の年齢や等級にいってしまったら、止まってしまうんですよね。給与が増えることがありません。

 

もちろん、その企業や組織の賃金制度にもよりますが、ある程度の年齢(たとえば55歳とか50歳とか)で年齢による昇給はゆるくなる・止まる、という制度が多いのではないでしょうか。

また、管理職になってしまうと、年齢給以外の要素で決まる給与(たとえば能力給、職務給など)は、昇格しなければ増えない、という仕組みになっていることが多い。月額の給与が上下するのは、考課くらいのものでしょう。

要は、給与が上がらない。

 

 

一方で、サラリーマン(男女両方の給与所得者を表すサラリーパーソンではなく、男性)。配偶者がいて、子どももいるとなると、サラリーマンが使えるお金は小遣いだけ。定額になっている場合が多いでしょう。

給与は上がらない。たとえ上がったとしても、定額の小遣いは上がらない。自分の使えるお金を増やすためには、副業も頑張りたくなる、という構図です。

 

結婚もしていない、まだまだ若手のサラリーマンには夢もない話です。でも、これが現実です。

 

 

3.サラリーマンの小遣い

 

1〜2年ほど前だったでしょうか。ヤフーに載った記事。詳細は覚えていないのですが。

 

  • 年収が300万円の人も1000万円の人も、夫の小遣いは変わらない
  • むしろ、1000万円の人は、配偶者や子ども、親の世話もするという年代になっている場合が多いと思われるが、家計の出費は多い。だから、小遣いがむしろ低額の場合が多い

 

といった記事が出てました。シンクタンクかなにかがリサーチしたデータをもとに、ファイナンシャルプランナーが説明した記事だったかな。

 

この話はわたしにピッタリでした。

子どもの教育費、住宅ローン、親の世話はしてませんが送金はしているし将来のために積み立てている・・・。余裕はないんですよね。

 

 

年収1000万円超えはサラリーマン・サラリーパーソンの憧れだと思いますが、家族持ちには厳しい現実です。

(もちろん、家族持ちの年収300万円よりはいいのですが。)

 

 

独身の諸君、だからといって、結婚は否定しないし、ぜひそのチャンスを探したまえ。結婚は幸せを2倍にし悲しみを半分にする、というのも現実だ。(ただし、奥さんや子どもをしっかり養いなさい。銀行をディスったり、家の片付けもしない。そんな男に将来はない)

「家計を全部自分でやり、小遣いは使い放題」も無謀だ。ちゃんと管理したまえ。多くのサラリーマンが採用している「小遣い制」にし、お金をしっかり管理できる配偶者に任せるのがいい。

 

 

それと、副業にエネルギーを注ぎすぎて、本業をおろそかにもしてはいけない。本業あっての家計。副業は本業をやって余裕があれば、あるいは趣味的にやるのがいいと思うぞ。

決して、耐えられないから、会社世界に耐えられないからと、ブロギルやらサロンやらFX投資やらに手を出しちゃいけない。

 

 

4.「サラリーマン」という表現

 

このブログでは、給与所得者のことを「サラリーパーソン」と呼んでいます。サラリーマンだと「マン」で男だけを指すこととなり、男女差別の言葉となるからです。

ですが、この記事の場合、サラリーパーソンの男性側・夫側のネタでしたので、サラリーマンを使いました。

 

 

 

 

弱いひとを助けることこそ、真の人事の仕事

この記事は人事採用担当者の愚痴です。人事の、表にあまり出ない裏話です。

誰のためにもならないだろうし、役に立ちません。

 

  • 人事採用の担当者ってこんなこと考えてんのね
  • 大したことねえなあ、営業の方がずっと大変だぞ

 

さて、みなさんどんな感想を抱かれるでしょうか。

 

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1.降格

 

降格とは、社員の等級、ランクみたいなものが落ちる、下がるというものです。

会社によって仕組みがいろいろあると思いますが、

 

人事考課が一定以下、それが複数年続いている
就業規則違反をした
犯罪を起こした
コンプライアンス違反、ハラスメント事件を起こした

 

といったところが一般的と言えるでしょう。

こういうケースが発生したとき、人事はどう立ち振る舞うか、というと、本人へのヒアリング、次期に向けての奮起を促す(人事考課が低評価の場合)、第三者委員会の実施(犯罪や違反などを起こした場合、規則どおりの処罰でいいのかどうかのあらためての判断)などを実施します。

 

降格すれば給与は下がる、就業規則違反であればひどい場合は解雇(懲戒解雇、諭旨解雇の種類あり)など。その社員の生活や将来にもかかってくる話。

たとえルール、規則どおりとはいえ、手続きを進めるのはしんどいことです。

こういった仕事が一通り終わったあとは、どっかりと疲れがやってきます。腰のあたりにおもーいものがドーン。と。

 

 

2.採用

 

以前の記事で、生意気な採用のことを書きました。

soumu.hateblo.jp

 

 

また、採用担当者ならではの喜びを感じる場面のご紹介もしました。

soumu.hateblo.jp

 

生意気、うれしい瞬間がある採用の仕事ですが、多くの場合、採用は地味で、悲しい場面を多く経験します。

応募者全員を合格させたいのはやまやま。でもそうすると会社の将来や職場運営が悲しい結末を迎える。

となると、合格者はしぼらなければならない。つまりはほとんどが不合格としなければならない、という悲しい仕事です。

 

以下、実話です。

1次面接官だったわたしは、そのシーズンで最高の評価をし2次面接に送り出した女子学生がいました。面接の内容はもちろん、ルックスも、多くの男性がすれ違うときにその顔を二度見したくなる、そんな見栄えのする学生でした。

2次も通過、しかしながら最終面接で不合格となった話を本社人事部より聞かされました。残念でした。それはしょうがない。

それから2週間ほど経過したある日、街でばったりその女子学生と遭遇しました。

通り過ぎればよかったのですが、こちらは通り過ぎようとしましたが、むしろ向こう側が記憶をしていたのでしょう、こちらに視線を送られて、目が合ってしまったのです。

簡単な挨拶をして、

 

わたし:うちは残念な結果だったと聞きました。ごめんなさいね。

彼女:いえいえ、大丈夫です。

わたし:内定は他の企業からは・・・

彼女:はい、いただいています。大丈夫です。

わたし:よかった。

 

こんな会話だったと思いますが、詳細は覚えてません。

 

いやあ、バツが悪かった。

この一件が象徴的ですが、過去にも同じようなことが何度か。不合格となった応募者に遭遇したくないので、採用面接が終わったあとは、人が繰り出す繁華街などに出かけることは控えています。

採用担当者ならではの苦しい日々です。

 

 

3.体調不良、メンタル不全を含む

 

体調不良、特にメンタル不全(うつ、適応障害等々)の社員への対応、これまたしんどいです。

どのような心持ちなのか、こちらの言葉に傷つくことはないだろうか、などなど。

メンタル不全の病気は他人にはなかなかわかりづらいもの。わたし自身は経験があるので、ある程度は相手の気持ちに寄り添うことができると思いますが。

 

ありふれた普通の病気とかケガならまだマシです。表面上はほとんどわからない病気、怠けとかサボりなどと感じやすい周囲ですが、十分注意する必要あり。そんな罹患者をしっかり見守らなければ。

 

 

4.自死

 

自ら死を選ぶ社員が過去にいました。

世間でニュースになる事例は、ブラック企業、ハラスメント、長時間労働などが原因であることが多い。

わたしの経験では、幸い会社側に落ち度があったわけではなかったことが確認でき、胸をほっとなでおろしたのですが、それでも葬儀に参列するときの気分は悪かったです。

ご遺族から責められるのではないか、「とっとと帰ってくれ」などと追い出されはしないか・・・。幸いそういうことはなく、気丈なご遺族の方々から絞り出すような参列へのお礼の言葉を聞けました。

 

その後の退職手続きを進める際も、丁寧に対応していただき、またこちらも会社に落ち度がなかったか(直接は聞けないので)探り探り聞きましたが、無難に手続きを進めることができました。

 

 

5.まとめ

 

弱い立場、悲しい状況に陥ることになる社員がいます。

そこにわたしたち人事採用の仕事の重要なポイントがあるように思います。